人類の進化の歴史

1.元旦の朝日新聞に霊長類学者・京大総長の山極寿一さんが『極大化した不安 共に過ごす時間を』という文章を書かれていました。  その中で人類の進化の歴史が取り上げられています。  箇条書きにすると次のようです。

①700万年前・・・アフリカでチンパンジーとの共通祖先から枝分かれした。  大型肉食獣に襲われる恐れのない樹上空間があり、実り豊かな熱帯雨林の中に住む。

②450万年前・・・サバンナへ進出した。  霊長類ヒト科の中でヒトだけが世界中に散らばるきっかけである。  サバンナは逃げ場がなく、さぞ不安だったであろう。

③60万年前・・・現代人と同じ脳の大きさになった。

④50万年前・・・狩猟具を持った。

⑤20万年前・・・大きな獲物を協力して狩るようになった。

⑥7万年前・・・言葉を得た。


2.本文から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①人類の歴史のほとんどは、大型肉食獣から逃げ隠れし、集団で安全を守り合う時間でした。  安全イコール安心です。  だから人間の体の奥底には、互いに協力しないと安心は得られないことが刻み込まれ、社会性の基礎になっています。  安心は決して一人では得られません。

②安心をつくり出すのは、相手と対面し、見つめ合いながら、状況を判断する「共感力」です。  類人猿の対面コミュニケーションを継承したもので、協力したり、争ったり、おもんばかったりしながら、互いの思いをくみ取って信頼関係を築き、安心を得る。  人間だけ白目があるのも、視線のわずかな動きをとらえ、相手の気持ちをよりつかめるように進化した結果です。

③脳の大きさは、組織する集団の人数に比例します。  構成人数が多いほど高まる社会的複雑性に、脳が対応しました。  現代人と同じ脳の大きさになったのは60万年前で、集団は150人程度に増えていました。  年賀状を書くときに思い出す人数、常に顔を覚えていて、信頼関係を持てる人の数とほぼ同じですね。

④言葉を得たのは7万年前ですから、言葉なしに構築した信頼空間です。  日頃言葉を駆使し、人間関係を左右していると思うのは、大きな間違いです。』

3.2の①に『人類の歴史のほとんどは、大型肉食獣から逃げ隠れし、集団で安全を守り合う時間でした。』とあります。  1の②にあるように450万年前からですから、ずいぶん長い時間ですね。  そのころの人類の反射神経や肉体能力は現代人とは比較にならないほど高かったと思われます。  もちろん危険を敏感に察知する能力も優れていたはずです。  それらの能力の劣る個体は大型肉食獣に食べられてしまうでしょうから。

朝練に取り入れている意拳、特に立禅を中心とした気の養成は、人類が本来は持っていたそれらの能力を少しでも呼び覚ますことにあると、私はとらえています。     

TOP↑

改革

明けましておめでとうございます。  本年もよろしくお願いいたします。

今回は全日本柔道男子監督の井上康生さんが書かれた『改革』(ポプラ社)を取り上げます。  史上初の金メダルゼロに終わった2012年のロンドン五輪後に監督に就任された井上さんは、昨年のリオデジャネイロ五輪で1964年の東京五輪以来となる「全階級メダル獲得」を達成されました。

『試合展開のパターンが多いのが強い柔道家』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①かっての日本には「組んだら(一本を取って)勝てる」という強烈な自負がありましたし、実際にそれで勝っていましたから、いわゆる「ポイント狙いの柔道」は、「柔道じゃない」「邪道だ」とされてきました。  しかし、もうそういう時代ではないのです。

②現実的には、これまで日本柔道がすすんでやってこなかったような、指導を取ったり、有効や技ありを狙ったり、指導を取られないためのディフェンス技術など、試合で勝つための細かいテクニックが必要になっています。  言い換えると、確実に勝利を収めるための、負けない技術です。  (中略)

③実際の試合は、最終的に一本を取ることを目指していても、そのための過程は必ずあって、多様な展開があります。  ですから、練習では、一本を取るイメージだけでなく、「あんな流れに持ち込みたい」「こんな方法でポイントを奪いたい」という試合の展開図を描きながら行う必要があります。

④試合展開のパターンをいくつも描ける人間は強いです。  さまざまなストーリーを描きながら、自分の柔道を展開していく想像力を持ち、たとえ指導による優勢勝ちであっても「どんなことをしてでも勝つ」という発想で日ごろから練習できているので、対応力があるのです。  そうした選手は、想像力のある究極のリアリストと言っていいでしょう。

⑤もっと言えば、世界の頂点に立つには、その柔道を刻々と変化させていく柔軟性と多様性が求められます。  近年、世界ランキングの関係で、日本人選手は一人につき平均年間3~4大会、多い選手だと6~7大会も国際大会に出場しています。  そのため、技や攻めパターンはすぐにライバルに研究、攻略されてしまいます。

⑥ですから、得意技や攻めパターンは絶えずブラッシュアップをしていかなければいけません。  大会ごとに新しい技や攻め手を繰り出し、対戦相手を常に幻惑させられるような選手でなければ、今の世界では生き残っていけないのです。

⑦我々は、あくまでしっかり組んで一本を狙う柔道を追求していきます。  しかし、それだけでは現実と乖離していますので、一本をベースに、指導を取ったり、有効を奪ったりといった技術を使い、確実に勝利を収める柔道も並行して追求していきます。

⑧それが、「強いこと」と「勝つこと」の両方を求められている日本柔道だと思います。』

TOP↑

本棚の整理

毎年、最後のブログのタイトルは『本棚の整理』です。  その年に買って(一部は著者からいただいて)読んだ本でブログで紹介しきれなかったものをリストアップしています。  リストアップ後は処分する本と保管する本に整理します。  ブログで内容紹介した本は保管しますが、それ以外の本は保管スペースの問題もあり、一部を除いてほとんど処分しています。  

将来また読みたくなったとしても、昔と違って今はアマゾンがあるので、入手は簡単です。  新聞広告などで見た本を以前は駅の本屋さんに注文していました。  今年からはもっぱらアマゾンです。  引き落とし口座も登録してあり、ワンクリックで買うと新刊は送料無料で2~3日で自宅の郵便受けまで配送してくれます。  

絶版になっている古い本も、以前だと神保町の古本屋を捜し歩く必要がありましたが、これもアマゾンで完結です。  私のような本好きには夢のような時代になりました。

・『知的生活習慣』(外山滋比古 ちくま新書)
・『激しき雪』(山平重樹 幻冬舎)
・『YKK秘録』(山崎拓 講談社)
・『終わった人』(内館牧子 講談社)
・『世界を動かす巨人たち』(池上彰 集英社新書)
・『平常心のコツ』(植西聰 自由国民社)
・『北の富士流』(村松友視 文藝春秋)
・『佐藤優さん、神は本当に存在するのですか?』(竹内久美子・佐藤優 文藝春秋)
・『運を味方にする』(片桐ロッキー寛士 幻冬舎)
・『山口組分裂の真相』(一宮美成ほか 宝島社)
・『山口組分裂抗争の全内幕』(盛力健児ほか 宝島社)
・『透明な力』(木村達雄 講談社)
・『合気修得への道』(木村達雄 どう出版)
・『グローバリズム以後』(エマニュエル・トッド 朝日新書)
・『新富裕層の研究』(加谷珪一 祥伝社新書)
・『透明な力』(木村達雄 講談社)
・『総理の誕生』(阿比留瑠比 文藝春秋)
・『超分類!キャッチコピーの表現辞典』(森山晋平 誠文堂新光社)
・『禅』(鈴木大拙 ちくま文庫)
・『田中角栄』(服部龍二 講談社現代新書)
・『政治家の殺し方』(中田宏 幻冬舎)
・『武道の力』(時津賢児 大和出版)
・『露伴と道教』(瀬里廣明 海鳥社)
・『蘇東坡(上)(下)』(林語堂 講談社学術文庫)
・『周易参同契』(鈴木由次郎 明徳出版社
・『游塵』(幸田露伴 東京出版)
・『精神世界の扉』(成瀬雅春 BABジャパン)
・『ヨガを科学する』(ウィリアム・J・ブロード 晶文社)
・『クンダリニー大全』(ボニー・グリーンウェル ナチュラルスピリット)
・『クンダリニー』(ゴーピ・クリシュナ 平河出版社)
・『中国武術史』(林伯原 技藝社)
・『近代中国における武術の発展』(林伯原 不昧堂)
・『中国武術史大觀』(笠尾恭二 福昌堂)
・『酔鬼張三伝』(景嘉ほか 新人物往来社)
・『ヨガ×武道』(小沢隆ほか BABジャパン)
・『図説中国武術史』(松田隆智 新人物往来社)
・『ベターッと開脚』(Eiko サンマーク出版)
・『バブル』(永野健二 新潮社)
・『住友銀行秘史』(國重惇史 講談社)
・『言ってはいけない』(橘玲 新潮新書)
・『宮本武蔵 五輪書』(魚住孝至 NHK出版)
・『五輪書現代語訳』(大倉隆二 草思社文庫)
・『成功している人はなぜ神社に行くのか?』(八木龍平 サンマーク出版)
・『教養としての日本哲学』(小川仁志 PHPエディターズ・グループ)
・『ウシジマくんvsホリエモン 人生はカネじゃない!』(堀江貴文 小学館)
・『学校では教えてくれない地政学の授業』(茂木誠 PHPエディターズ・グループ)
・『ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ』(茂木誠 SB新書)
・『夫のがんを消した最強の食事』(薩摩智恵子 かんき出版)
・『司馬遼太郎 リーダーの条件』(半藤一利ほか 文春新書)
・『宋名臣言行録』(朱熹 ちくま学芸文庫)
・『南極のペンギン』(高倉健 集英社文庫)
・『塩分が日本人を滅ぼす』(本多京子 幻冬舎新書)
・『糖質制限の真実』(山田悟 幻冬舎新書)
・『必ず書ける「3つが基本」の文章術』(近藤勝重 幻冬舎新書)
・『偶然を生きる』(冲方丁 角川新書)
・『日本武術神妙記』(中里介山 角川ソフィア文庫)
・『精選日本剣客事典』(杉田幸三 光文社文庫)
・『超巨人・明の太祖朱元璋』(堺屋太一 講談社文庫)
・『鬼谷子』(高橋健太郎 草思社)
・『本当に残酷な中国史』(麻生川静男 角川新書)
・『天才』(石原慎太郎 幻冬舎)
・『気・瞑想・ヨーガの健康学』(本山博 名著刊行会)
・『座禅・瞑想・道教の神秘』(本山博 名著刊行会)
・『「運」を育てる』(土田浩翔 KADOKAWA)

今年もお世話になりました。  私にとっては『極真空手50年の全技術』の出版や鎌田翔平の第48回大会優勝、など本当にありがたい一年でした。

2017年が皆さんにとって素晴らしい年となりますよう、お祈り申し上げます。

TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT