理想とするリーダー像

1.6月21日の日経新聞夕刊の連載『私のリーダー論』は京都大学の山極寿一総長のインタビュー記事でした。  山極さんについては昨年の1月17日と9月13日にもブログで取り上げています。  記事から抜粋して紹介します。

『①追従者ばかり据えず

 ――山極さんが理想とするリーダー像を体現していた人はいますか。

 「今西錦司さん(元京都大学名誉教授)ですね。  日本の霊長類研究の草分けで、僕も薫陶を受けました。  彼の一番すごい点は、自分が生涯リーダーでありながら、たくさんの弟子を育て、梅棹忠夫さんや伊谷純一郎さん、河合雅雄さんといった傑出したリーダーを輩出したことです。  一代限りのリーダーにはなれても、次の世代のリーダーを育てるのは非常に難しい」

 「今西さんにそれができたのは、彼は愛されていたけれど、信用されなかったからなんです。  それを最初に見抜いたのは、1980年代に英国からやってきた古生物学者のベヴァリー・ホールステッドさんでした。  当時、今西さんはダーウィンの進化論に異を唱え欧米でも話題の人でしたから、イギリス人の彼は反論してやろうと意気込んで来たのです。  ところが今西さんと会っているうちにすっかりほれ込んでしまった。  しかも『今西の弟子たちは、今西の言っていることを誰も信じていない。  これはすごい』というわけです」

 「自分の周りにフォロワー(追従者)ばかり据えていては、自分を超える人は出てこない。  今西さんの場合は、常に挑戦し続ける彼自身の姿勢と、弄(ろう)するレトリック(表現の巧みな言葉)が面白かったので、弟子たちが自然と集まってきた。  今西さんは弟子たちの挑戦も奨励し、許容したんです」


②提案する人を育てる

 ――そこが常人との違いだと。

 「普通は自分を超えようとするやつの頭をなんとか抑え込もうとします。  でも今西さんはある時から手を放し、譲るんです。  梅棹さんには国立民族学博物館を作らせ、伊谷さんには京都大学自然人類学教室を、河合さんには日本モンキーセンターを任せ、京都大学霊長類研究所に生態研究部門を作らせた。  弟子たちへの任せ方は実に見事でした」

 「現代の社会では、人間関係においても正解を求めがちですね。  でも人間同士もお互い100%わかりあえることはないから、探り合うしかない。  そこで決定的な失敗に至らなければいい。  今西さんはそのことをよく知っていたんだと思います。  だから自分に従わせず、直観力をみなに発揮させた。  お互いに罵り合うことだってあるけど、楽しいからみんなそばにいるという環境を作った」

 「正解に到達することを奨励するのではなく、いろんな新しい可能性を提案してくれる人たちを育てる。  大学もそういう場所にしなくちゃいけない。  決定的な失敗さえしなければ、いくらでも実験ができる、いくらでも挑戦ができる。  その面白さが大学の持つ魅力だと思います」』


2.今西錦司さんのあり方は、私(山田)が理想とするリーダー像でもあります。  山極さんの最後の発言の「大学」を「チーム城西」に置き換えると次のようになります。

『「正解に到達することを奨励するのではなく、いろんな新しい可能性を提案してくれる人たちを育てる。  「チーム城西」もそういう場所にしなくちゃいけない。  決定的な失敗さえしなければ、いくらでも実験ができる、いくらでも挑戦ができる。  その面白さが「チーム城西」の持つ魅力だと思います」』



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運は人柄

漫画原作者の鍋島雅治さんが書かれた『運は人柄』(角川新書)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.「はじめに」より

①この仕事(漫画原作)を約30年にわたって続けてきました。  (中略)  プロ・アマ問わず多くの漫画家の仕事ぶりと人生を、作り手の側から目にしてきたということです。

②そのなかには、出会ったときは駆け出しだったのに「あれよあれよ」という間にヒットを連発していまや大御所に、という人もいます。  一方で、デビュー間もなく売れっ子となるも、その後は鳴かず飛ばず・・・という人や、実力は十分あるのにヒットに恵まれず、漫画だけでは生活が成り立たない、という人も珍しくありません。

③わたしは「彼らのちがいはどこにあるのか?」と、常日頃から考えてきました。  それは興味本位ではなく、原作つき漫画の成功には漫画原作者の力も必要だから。  つまりは自分自身の仕事のための研究、ということです。  (中略)  

④わたしはたくさんの成功例や失敗例を見ているうちに、漫画家に必要なのは「才能と努力と運」であると思うようになりました。  (中略)  私の感覚だと、その平均した割合は「才能1:努力2:運7」くらい。  「いやいや、運の割合が多すぎでは?」と驚かれるかもしれません。  しかし、本当にこんな印象を受けますし、ほとんど正解という気がするのです。  (中略)

⑤ただ、ひとつ言わせてもらうと、「運を高める努力」は他人よりもしたと自負しています。  「運なんて高められるの?」という意見もありそうですが、「運」というのはずばり「人柄」なのです。  だから、人柄を高めていけばいい。


2.「第1章 運は呼び込むもの」より

①「人に頼める」というのも「愛嬌」や「可愛げ」があるからであって、人柄がいいからできる行為だととらえています。

②仕事において、「オレは仕事ができる。  みんなついてこい。」というタイプがいるとしましょう。  (中略)  実際にできれば「どうだ!」となり、これが続くと「どうせあなたはひとりでできるんでしょ」と周囲はただただ嫉(ねた)んでいく。  (中略)  つまり、いつまでも我を通し続けてしまう人は「可愛げ」がないんです。

③とはいえ、真の天才ならばそれも致し方ないのかもしれない。  「天才とは孤独である」とはむかしから言われることですからね。  しかし、中途半端に仕事ができるくらいのレベルの人がこうなってしまうと、晩年はちょっと悲惨な状況になる。  理解者が周囲にまったくいないという状況は、かなり辛いものがあります。  (中略)

④会社のなかで生き残り出世をしているのは、「人に頼める」タイプが意外と多いと思うのです。  (中略)  「人に頼める」タイプは、人から話しかけやすい人でもある。  それは、自分の弱さをさらけ出しているからこそとも言えますが、もうひとつ、おそらく機嫌のちがいもあるのでしょう。

⑤才能があり仕事が〝でき過ぎる〟人は、自分が優秀な分、周囲のできなさが目につきイライラしがちで、結果として機嫌が悪く見えます。  一方、「人に頼める」人は、そういったイライラとは無縁ですから、なんとなくいつも機嫌がよさそうで、周囲の人間も話しかけやすい。  ひいては人柄の善し悪しにもつながっていく。

⑥私が思うに、年をとった人間の義務は、いつも機嫌よくいることではないでしょうか。  (中略)  年配者が人柄をよくし、運を高めるには「機嫌よくいること」はかなり重要なことなのです。』

前回のブログで『私(山田)は「どんなときでも楽しく上機嫌であること」を理想としています。』と書きました。  上機嫌には、運気アップの効果もあるようです(笑)

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NBAファイナル2018に思う

 6月8日(日本時間9日)に行われたゴールデンステイト・ウォリアーズとクリーブランド・キャバリアーズによるNBA(プロバスケットボール)ファイナル2018 第4戦は、ウォリアーズが108-85で勝利し昨季に続いて2連覇を達成しました。  ウォリアーズの優勝は過去4年で3度目、通算では6度目のNBA制覇です。   ファイナルは4戦ともテレビで観ましたが、それぞれのチームリーダーの心理状態が対照的でした。  特に微妙な反則のコールを受けた時、キャバリアーズのレブロン・ジェームズが審判に怒って抗議していたのに対して、ウォリアーズのステフィン・カリーは首をかしげてはいましたが極めて冷静でした。  ネット検索した記事から抜粋して紹介します。

1.レブロン・ジェームズに関する記事

『①レブロン・ジェームズが8日、シリーズ第2戦からの3試合は右手を骨折した状態でプレーしていたことを明らかにした。  ウォリアーズの本拠地で行われた第1戦の試合後にけがをしたと明かしたジェームズは、ギプスで固定された手をみせながら、「最後の3試合は手を骨折した状態で、自分の感情を最大限にぶつけて戦っていた」と話した。

②第1戦の第4クオーター終盤、キャバリアーズはファウルの判定が覆ってフリースローが与えられ、1本目で同点に追いついたが、外れた2本目のリバウンドをつかんだJR・スミスがリードしていると勘違いしてシュートを打たず、ドリブルしてバスケットから離れてしまった。  そして試合は延長戦の末に114-124でキャバリアーズが敗れた。

③このときジェームズがスミスに怒りをあらわにする姿は、インターネットで大きな話題となった。  米スポーツ専門チャンネルESPNの報道によると、ジェームズはロッカールームの黒板をたたき、2度にわたるMRI検査で骨折していることが判明。』


2.ステフィン・カリーのインタビュー記事

『――おめでとう。  2連覇は非常に大変だったが、この4連勝はどんな気分か。  今は何を思う?

チームのことがとてもうれしい。  またチャンピオンとなることができたのがうれしいよ。  今年はレギュラーシーズンにケガとか苦労がいろいろあって、全体的にかなりクレイジーだった。  プレイオフの道のりを見ても、去年のように簡単にはいかないと分かっていたよ。  (中略)

――多くの浮き沈みの末に、バスケットボール選手にとって最高の目標を達成した。  夢をかなえたいと望みながらも、多くの困難に直面する子どもたちにはどんなメッセージを送る?

何があっても自分に自信を持つことだ。  僕はそれに助けられてここまできた。  ショットが悪い日があっても、ケガとかがあっても、どんな困難があっても、自分に自信を持つことや、その自信を吹き込んでくれる周囲の人たちはすべて価値があるものだよ。  勝とうが負けようが、最善の努力をしていれば、目標の最後を見ることができる。  その瞬間が素晴らしいんだ。

――4年連続でファイナルを戦い、何度も素晴らしさを発揮したが、まだファイナルMVPを受賞していない。  あまり気にしていない様子だが、どうしてそういられるのか。  チームは利他的だと言われるが、どうしてそうなったのか?

分からない。  個人で称賛されるのはすごいことだし、頑張ってきたことが認められれば、そういうことを誇らしく思うのは確かだ。  だけど、試合のたびに、シーズンが終わるたびに、鏡を見て、自分がベストのプレイをしたとか、最善の努力をしたとか、日々プレイできることへの感謝とか、チームメイトのみんなの顔を見て、自分がやれたことや優勝する助けになれたことを誇らしく思えたりとか、僕にとって大切なのはそういうことなんだ。

ケビン・デュラントはこの2年間素晴らしかった。  特にファイナルでね。  2年連続ファイナルMVPにふさわしい。  彼にあれだけでのことができるのだから、僕は彼の最大のファンになるさ。  僕らがロッカールームで最も大切にしているのは、みんなが何をもたらすことができるかや、互いに良さを引き出せることだ。』


3.ケビン・デュラントが2年前にゴールデンステイト・ウォリアーズに移籍してきた時の記事

『ウォリアーズへの移籍を決めた理由について聞かれたデュラントは、チームが一体となってバスケットボールをプレイしている姿勢をあげた。  そして、バスケットボールを一度もプレイしたことがない女性の友人から言われたことが鮮明に脳裏に残ったと、続けた。


「バスケットボールを一度もプレイしたことがなく、運動選手でもない友人が、僕にこう言ったんだ。  『ステフィン・カリーのプレイを見ていると、自分にもバスケットボールがやれる気がする』とね。  (中略)  カリーのように自由に、楽しそうにプレイしている姿は、NBAや他のスポーツに関わり合いが無い多くの人の心にも響くものなんだ。  (ウォリアーズと)初めて交渉したとき、彼らがそれだけのエネルギーを持ったチームなのかを知りたかった。  そして、すぐに感じられたんだ。  本当に純粋なエネルギーで、無視できないものだった。  このチームの一員に加わりたいと思ったんだ。  何が起ころうとも、僕はこのチームの一員に加わりたいと思った」。 』


4.私(山田)は「どんなときでも楽しく上機嫌であること」を理想としています。  ですから、ステフィン・カリーが本当に楽しそうに飄々(ひょうひょう)とプレーしているのを観るのが大好きです。

そういえば、以前のフジテレビのキャッチコピーは「楽しくなければテレビじゃない」でした。  40周年を機に、チーム城西のキャッチコピーを「めざせ‼ 極真の星を!」から「楽しくなければ城西じゃない!」に変えようかな~(笑)

つらい稽古も、ハードな試合も、ステフィン・カリーのように楽しそうに飄々と乗り越えていきたいものですね。







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