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サピエンス全史

1月17日のブログで『人類の進化の歴史』を取り上げましたが、今回は『サピエンス全史 (上)・(下)』(ユヴァル・ノア・ハリ著 河出書房新社)を読みました。  第18章「国家と市場経済がもたらした世界平和」から抜粋し、番号を付けて紹介します。 

『①(今から約200年前の)産業革命により、エネルギ―の変換と財の生産に新たな道がつけられ、人類はおおむね、周囲の生態系に依存しなくて済むようになった。  (中略)  ホモ・サピエンス(人類)の必要性に応じて世界が造り替えられるにつれて、動植物の生息環境は破壊され、多くの種が絶滅した。

②今日、地球上の大陸には70億近くものサピエンスが暮らしている。  全員を巨大な秤(はかり)に載せたとしたら、その総重量は3億トンにもなる。  もし乳牛やブタ、ヒツジ、ニワトリなど、人類が農場で飼育している家畜を、さらに巨大な秤にすべて乗せたとしたら、その重量は約7億トンになるだろう。

③対照的に、ヤマアラシやペンギンからゾウやクジラまで、残存する大型の野生動物の総重量は、1億トンに満たない。  児童書や図画やテレビ画面には、今も頻繁にキリンやオオカミ、チンパンジーが登場するが、現実の世界で生き残っているのはごく少数だ。

④世界には15億頭の畜牛がいるのに対して、キリンは8万頭ほどだ。  4億頭の飼い犬に対して、オオカミは20万頭しかいない。  チンパンジーがわずか25万頭であるのに対して、ヒトは何十億人にものぼる。  人類はまさに世界を征服したのだ。  (中略)

⑤生態系の大きな混乱は、ホモ・サピエンス自体の存続を脅かしかねない。  地球温暖化や海面上昇、広範な汚染のせいで、地球が私たちの種にとって住みにくい場所になる恐れもあり、結果として将来、人間の力と、人間が誘発した自然災害との間で果てしないつばぜり合いが繰り広げられることになるかもしれない。  (中略)

⑥多くの人が、この過程を「自然破壊」と呼ぶ。  だが、実際にはこれは破壊ではなく変更だ。  自然はけっして破壊できない。  6500万年前、小惑星の衝突によって恐竜が絶滅したが、同時に哺乳類繁栄への道が開かれた。  今日、人類は多くの種を絶滅に追い込みつつあり、自らを消滅させかねない状況にある。

⑦だが、非常にうまく適応している生物もいる。  たとえば、ネズミやゴキブリは隆盛を誇っている。  こうした強靭な生き物たちはおそらく、核兵器による最終決戦後に煙の立ち上る瓦礫の下から這い出てきて、待っていましたとばかりに自分のDNAを広めることができるだろう。  

⑧今から6500万年もすれば、高い知能を得たネズミたちが人間の行なった大量殺戮を振り返って、ありがたく思うかもしれない。  ちょうど私たちが今日、恐竜を絶滅させたあの小惑星に感謝できるように。

⑨それでもやはり、私たち人類が絶滅するという風説は時期尚早だ。  産業革命以来、世界人口はかってない勢いで増えている。

⑩1700年には、世界で約7億人が暮らしていた。  1800年には、人口は約9億5000万人になった。  1900年までに、その数字はほぼ倍増して、16億人になった。  そして2000年には、人口はその4倍の60億人に増大した。  現在では、サピエンスの数は間もなく70億人に達しようとしている。』

この一週間、夜は録画したスーパーボウルの映像ばかり観ていました。  前回までの50回のスーパーボウルでは得点差10点以上を逆転したゲームはなかったそうです。  今回は25点差をひっくり返しての逆転劇で、何度見返しても奇跡的なシーンの連続です。 

ところで、現地時間10日に行われたトランプ大統領夫妻と安倍首相夫妻の食事会の同じテーブルにニューイングランド・ペイトリオッツのオーナー、ロバート・クラフトさんが座っていました。  安倍さんとはスーパーボウルの話で盛り上がったのかな~(笑)

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人類の進化の歴史

1.元旦の朝日新聞に霊長類学者・京大総長の山極寿一さんが『極大化した不安 共に過ごす時間を』という文章を書かれていました。  その中で人類の進化の歴史が取り上げられています。  箇条書きにすると次のようです。

①700万年前・・・アフリカでチンパンジーとの共通祖先から枝分かれした。  大型肉食獣に襲われる恐れのない樹上空間があり、実り豊かな熱帯雨林の中に住む。

②450万年前・・・サバンナへ進出した。  霊長類ヒト科の中でヒトだけが世界中に散らばるきっかけである。  サバンナは逃げ場がなく、さぞ不安だったであろう。

③60万年前・・・現代人と同じ脳の大きさになった。

④50万年前・・・狩猟具を持った。

⑤20万年前・・・大きな獲物を協力して狩るようになった。

⑥7万年前・・・言葉を得た。


2.本文から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①人類の歴史のほとんどは、大型肉食獣から逃げ隠れし、集団で安全を守り合う時間でした。  安全イコール安心です。  だから人間の体の奥底には、互いに協力しないと安心は得られないことが刻み込まれ、社会性の基礎になっています。  安心は決して一人では得られません。

②安心をつくり出すのは、相手と対面し、見つめ合いながら、状況を判断する「共感力」です。  類人猿の対面コミュニケーションを継承したもので、協力したり、争ったり、おもんばかったりしながら、互いの思いをくみ取って信頼関係を築き、安心を得る。  人間だけ白目があるのも、視線のわずかな動きをとらえ、相手の気持ちをよりつかめるように進化した結果です。

③脳の大きさは、組織する集団の人数に比例します。  構成人数が多いほど高まる社会的複雑性に、脳が対応しました。  現代人と同じ脳の大きさになったのは60万年前で、集団は150人程度に増えていました。  年賀状を書くときに思い出す人数、常に顔を覚えていて、信頼関係を持てる人の数とほぼ同じですね。

④言葉を得たのは7万年前ですから、言葉なしに構築した信頼空間です。  日頃言葉を駆使し、人間関係を左右していると思うのは、大きな間違いです。』

3.2の①に『人類の歴史のほとんどは、大型肉食獣から逃げ隠れし、集団で安全を守り合う時間でした。』とあります。  1の②にあるように450万年前からですから、ずいぶん長い時間ですね。  そのころの人類の反射神経や肉体能力は現代人とは比較にならないほど高かったと思われます。  もちろん危険を敏感に察知する能力も優れていたはずです。  それらの能力の劣る個体は大型肉食獣に食べられてしまうでしょうから。

朝練に取り入れている意拳、特に立禅を中心とした気の養成は、人類が本来は持っていたそれらの能力を少しでも呼び覚ますことにあると、私はとらえています。     

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無私の日本人

1.歴史学者の磯田道史さんが書かれた『無私の日本人』(文春文庫)を読みました。  磯田さんは映画化された『武士の家計簿』の著者です。  本書も『殿、利息でござる!』という題名で今年映画化されました。  「あとがき」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①いま東アジアを席巻しているのは、自他を峻別し、他人と競争する社会経済のあり方である。  競争の厳しさとひきかえに「経済成長」をやりたい人々の生き方を否定するつもりはない。  彼らにもその権利はある。

②しかし、わたしには、どこかしら、それには入っていけない思いがある。  「そこに、ほんとうに、人の幸せがあるのですか」という、立ち止まりが心のなかにあって、どうしても入っていけない。

③この国には、それとはもっとちがった深い哲学がある。  しかも、無名のふつうの江戸人に、その哲学が宿っていた。  それがこの国に数々の軌跡をおこした。  私はこのことを誇りに思っている。

④この国にとってこわいのは、隣より貧しくなることではない。  ほんとうにこわいのは、本来、日本人がもっているこのきちんとした確信が失われることである。

⑤地球上のどこよりも、落とした財布がきちんと戻ってくるこの国。  ほんの小さなことのように思えるが、こういうことはGDPの競争よりも、なによりも大切なことではないかと思う。  (中略)

⑥時折、したり顔に、「あの人は清濁あわせ飲むところがあって、人物が大きかった」などという人がいる。  それは、はっきりまちがっていると、私は思う。  少なくとも子どもには、ちがうと教えたい。

⑦ほんとうに大きな人間というのは、世間的に偉くならずとも金を儲けずとも、ほんの少しでもいい、濁ったものを清らかなほうにかえる浄化の力を宿らせた人である。

⑧この国の歴史の中で、わたしは、そういう大きな人間をたしかに目撃した。  その確信をもって、わたしは、この本を書いた。』


2.10月9日のブログで、2冊の本を紹介して、「今の日本に暮らしていることがいかに幸せか分かります。」と書きました。

私がいつも読ませていただいている『伊勢-白山 道』というブログの11月14日にも次のような記述がありました。

『今の日本に生まれた恩恵とは、この命の流れを冷静に大きな視点で理解し、今の自分の人生に生かせることが可能な環境だということです。  これが紛争の最中の国では、こんな大きな視点を持てないのが人間でもあります。  それどころでは無いからです。』

今の日本に暮らしていることは、本当にありがたいことだと思います。


3.11月10日付けの本郷孔洋先生のメルマガから抜粋して紹介します。

『シリコンバレーから、ハイテク企業の営業マンがやって来た。

営業マン「これが当社の開発した、仕事促進装置です。」

社長「どういう仕組みなんだ?」

営業マン「外見はただの箱ですが、中には2枚のチップが入っています。  1枚はICチップです。  箱を開けると特殊な電磁波が出て、人間を仕事に向かう気にさせるのです。」

社長「そりゃいい。  仕事をしない社員のデスクに置こう。」

営業マン「それはうってつけですね。」

社長「しかし、この箱を開けてくれるかどうかだな。」

営業マン「ご心配なく。  そこでもう1枚のチップが必要なんです。」

社長「ICチップか?」

営業マン「いいえ、普通のポテトチップです。」
                                (週刊新潮より)』









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