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上水監督

1.4月29日の日経新聞の特集『師導 RIO 2016』では東海大学柔道部の上水研一郎監督(41)を取り上げていました。  リオデジャネイロ五輪男子7階級のうち3階級が上水監督の教え子です。  同日行われた全日本選手権で優勝候補の原沢選手や七戸選手を押しのけて優勝した王子谷剛志選手も上水監督の教え子の一人です。  テレビ中継では試合直後、王子谷選手にアドバイスしながら一緒に歩く姿が映っていました。  特集記事から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①「日本人って不思議なもので、効率という言葉を『楽をする』と結びつけて嫌う。  でもそんなに悪い意味ではないんです」。  量より質、効率重視という上水監督の指導は、猛練習こそ栄光への一本道と信じられてきた柔道界では異端。  だからこそ「理解してもらうには結果を出すしかなかった」

②その手法は教えるというより導くもの。  練習の意図を丁寧に説明し、選手自身の頭で考えるように仕向ける。  「がむしゃらに練習する姿勢は大切だけれど、えてしてそれ自体が目的になってしまう。  思考を停止した状態で練習しても試合では何一つ発揮できないので」

③投げの直前までの形を繰り返す打ち込みの練習でも、「ただ相手に体を当てるだけならダンスだ。  意味のないことに時間をかけるな」と説く。  大切なのは回数ではなく、いかに集中力を持続させ、質の高い練習を積むか。

④だから2008年の監督就任時に断行したのは練習時間の短縮だった。  「そんなの甘すぎる」 「もっときつい練習が必要だ」との〝助言〟はかまびすかしかったが、団体戦で争う全日本学生優勝大会を就任1年目から14年まで史上最多の7連覇。  結果で黙らせた。

⑤代表3人の才能が伸びたのも「考えた練習の成果」。  (100キロ級代表)芳賀龍之介は大学1年の頃から全体練習を離れ、自分に必要なメニューを考えて実践した。  「普通は許されないけれど、先生は自分を信頼してくれた。  その代り、結果が出なければ自分で責任を取らないといけないと思いながら戦っていた」

⑥突出した才能に上水は多く口出ししない。  それは組み際の奇襲やオリジナル技を得意とする変則型の(60キロ級代表)高藤直寿にも同じ。  「ああいう天才は触ると芽を摘んでしまう。  課題を与えて見守るのみですよ。」  

⑦課題とは、「おまえ、こうされたら弱いよな。  どうする?」という問いかけだ。  日の丸を背負うほどの実力者なら、自分の形になればまず負けない。  問題はそうならなかったとき。  それぞれに、苦手とする状況を突きつける。  設問し、答えは自分で探させた。

⑧「自分が負けるイメージはなかなか想像できない。  でも危機管理として『最悪のケースになったときにどうするか』まで想定しておかないと百戦百勝はない」

⑨「伝統が全て駄目とは言わないが、それに固執すると流れが止まる。  思考を止めて、時代の流れを見ないで過去の成功例に執着するとその集団は腐ってくる」。  稽古中にも時折見せる福々しい笑顔。  リオで教え子たち(芳賀・高藤と90キロ級代表・ベイカー茉秋の3人)が残す結果は、その道が間違っていないことの証明ともなる。』


2.①4月5日のブログで書いた『Fight & Life』6月号が現在発売中です。  城西初の全日本チャンピオン・大西靖人が特集され表紙にも載っています。  取材に来た法政大学同好会OBの舟橋賢に貸した写真も掲載されています。  

②田村悦宏の第24回全日本大会優勝祝賀パーティーの写真もその一つです。  私を囲むように大西・黒澤浩樹・増田章・田村が写っています。  舟橋に過去の大西の写真を頼まれアルバムを見ていて偶然見つけました。

③今年の全日本が48回大会ですから24年前の写真です。  今の若い選手たちが生まれる前の出来事かも知れませんが、城西の全日本チャンピオン4人が並んでいる写真はレアなので引き延ばしてパネルにし、5か所の常設道場に張り出しますので見てください。

④下高井戸道場のパネルを見た鎌田翔平に「この時、皆さんはいくつくらいですか?」と質問されました。  24年前ですから私が38歳のときのことです。  上水監督が41歳ですから、それよりも若かったんですね。

やっぱり、これからは若い山辺・森の両師範代に期待しましょう(笑)

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世界一の馬をつくる

『世界一の馬をつくる』(前田幸治著 飛鳥新書)を読みました。  前田さんが代表を務めるノースヒルズは2013年のキズナ、2014年のワンアンドオンリーで日本ダービーを連覇しています。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.①私がよく言っているのは、「手づくりの高級腕時計をつくるように馬をつくる」ということだ。

②チームノースヒルズのスタッフはみな、単なるサラリーマンではない。  いつも真剣に馬に接し、どうすればいいか自分で考えて行動できるスペシャリストばかりだ。  そうして経験を積んできた熟練の職人たちが、丹精こめて馬を育てている。
 
③大量生産する必要はない。  丁寧に一頭一頭育てる。


2.①競馬で勝利を目指していくにあたり、所有馬を管理する調教師も、それに騎乗する騎手もまた重要な役割をになうスペシャリストである。  彼らはそれぞれ独自のポリシーと経験をもつプロフェッショナルだ。  

②だから私は、調教師に目指してほしいレースなどの希望を伝えることはあっても、調教方針などに口を出すことはない。 

③レース前、パドックで騎手と言葉を交わすときも、「グッドレースを」とだけ言うようにしている。  レース運びの指示などしない。

④これは馬主になったばかりの頃からのやり方だ。  プロに対し、あれこれ指図するのは失礼だし、それは私の領域ではない。  相手に任せるべきところだろう。


3.①特に、出産から離乳までを担当しているスタッフは、言ってみれば、競馬場から最も遠いところにいるわけだ。  しかし、目標はあくまでも「競馬で勝つこと」である。  (中略)

②そんな彼らの夢は・・・。  つくろうと思ってもできないからこそ、歴史的名馬をつくりたい、と口を揃える。  ディープインパクトのようにGⅠを何勝もして、海外のビッグレースを狙えるような馬を。


4.①(2013年日本ダービー直前)武豊騎手もまた、胸に大きな自信を秘め、「必ず勝つ」という闘志を、レースが近づくにつれ高めていたように思う。

②「一番人気で勝ちたい」と彼は話していた。  競馬の祭典で、誰もが勝つだろうと思っている本命馬の背に乗ることは、騎手として誇らしいことだからだ。

③そんな彼の希望を何とか後押ししようと、私もできるだけ応援するつもりで、キズナの単勝馬券を購入した』

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錦織圭選手

来年の世界大会に向けての選手稽古を今週から再開しました。  阿曽師範代の選手稽古は全日本大会の翌日もあったようですが(笑)、私の場合、例年「11月は休養・12月から再スタート」としています。  昨日は今年良かった点・悪かった点・来年に向けての課題について、各自に語ってもらいました。

12月2日(火)に配信された『Yahoo!ニュース』でテニスライターの山口奈緒美さんが書かれた『錦織圭 No.1への行く手を阻むものとは』という文章を見つけました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①長いシーズンが終わったかと思えば、東京でテレビ出演&イベント三昧の1週間……国民的スターとなった錦織圭は、先週ようやく故郷で本当のオフを楽しんだことだろう。  しかしそれも1週間の話で、もう来季に向けたトレーニング合宿をアメリカで始めるというのだから、毎年のことながらこの時期になるとテニスプレーヤーのタフさに頭が下がる。

②東京滞在中の記者会見では、「今年は今までで一番いい年になったので、来年も同じチームでいきたいと思います」と、マイケル・チャン・コーチを含めたチーム体制を継続していくことを明らかにした。  「まずはグランドスラム優勝が目標ですが、これは何年かかかるかもしれない。  調子や体力面、ピークをしっかり合わせていく大変さなど、グランドスラムにはいろいろあるので」と、逸るマスコミを牽制しながらも、「5年以内にナンバーワンに」という新たな宣言も飛び出した。  今年手にした自信はこれほどまでに深いのだ。  (中略)

③行く手を阻むものがあるとしたら何か。  単純だが、まずはやはりケガ。  今季は全米オープン以降の活躍で忘れがちだが、ケガはあった。  クレーシーズンは前半の好調から腰などのケガを招いてローマ・マスターズは欠場、全仏オープンも1回戦敗退。  夏には足の親指にできた嚢胞を取り除く手術をし、全米オープン・シリーズでもトロントとシンシナティ、大事なマスターズ大会を2つ欠場、ぶっつけ本番の全米であの快挙となった。

④だが、体が強くなっていることは間違いない。  1年を通して2回の途中棄権と1回の試合前棄権という数は、実は昨年までと比べて減ったわけではないが、すべて5月までの話で、シーズン後半からフィジカルがぐんぐん強化されてスタミナがついた印象だ。  今年は年間試合数がキャリア最多の68試合で、トップ10との対戦数の増加に伴ってタフな戦いが増えたことを考えれば、評価はさらに高まる。  1年中どこも痛みがなく戦っている選手はいないと言われるが、せめて痛みをケガの手前にとどめることができるかどうかは、ハードワークと表裏一体に、自身の体への関心と愛情、健康への執着をより強めることが一つのカギではないだろうか。

⑤厳しいが、〈選ばれた選手〉は簡単に試合をやめてはいけない。  この間のツアーファイナルズがキャリアでわずか3度目の棄権だったフェデラーは言うまでもなく、2011年までは毎年1、2回棄権していたジョコビッチも、この3年間は試合前も試合中も含めて一度も棄権していない。  ナダルもこの2年は棄権回数ゼロ。  今年の全豪オープンの決勝で、ナダルが腰の負傷を抱えて最後まで戦いきった姿を覚えている方も多いだろう。

⑥先日、東日本大震災復興チャリティーイベントの『ドリームテニス』で来日した元王者アンドレ・アガシは、錦織について「自分がお金を払ってでも見たいと思う数少ない選手の一人」だと語っていた。  最高の褒め言葉だが、それは錦織がフェデラーやジョコビッチやナダルら偉大な王者たちに匹敵する、凄まじい責任を負っているということだ。  フィジカルの強化はその自覚の表れとしてとらえることもできる。

⑦今後予想される困難には、錦織包囲網の強化も挙げられるだろう。  追われる立場のプレッシャーもある。  錦織のテニスには穴がなく、フォアもバックも同じようにウィナーをとれる強さがあり、ディフェンスから素早く攻撃に転じることができ、ネットプレーも巧いが、それでも弱みは暴かれてしまうものだ。  

⑧だがチャン・コーチは言う。   「弱点を見つけられることを恐れるな。  むしろ敵が弱点を教えてくれたのだと思え。  次はそこを克服する努力をすればいい」  その言葉は〈目からウロコ〉で、そのスピリットは感動的ですらある。

⑨思い返せば、今シーズンが開けたばかりの全豪オープンの頃、錦織はコーチ実績のないチャン氏をコーチにつけることへの迷いがあったことも吐露していた。   「どういうコーチングかもわからなかったので、迷いや不安は少しありました。  でも数日やってみて、アドバイスの一つ一つがプロフェッショナルで、そういうのはすぐに消えました。  彼の言うことが理解できなかったり、実践できなくてイライラすることもありますけど、今は信じてついていっているという感じです」

⑩なぜ信じたか。  自分よりも小さな体で世界2位までいき、トップ10を長く維持したチャンの言うことだから、だ。  だが、今は信じる理由が違う。  彼に必死でついてきた結果、超えられなかった壁を超えられたからだ。  数々の諭しの言葉の真意を体で知ったからだ。  チャンの経験が自分の経験と重なり合ったからだ。

⑪嚢胞の摘出手術をしたあとの全米オープンは、「(コーチに)行くぞと言われて、渋々ついて行った」そうだ。  もしも錦織が今、同じシチュエーションに置かれたなら、きっと自ら戦いの場へ向かうだろう。  2015年の錦織はそこが決定的に違う。

⑫師とともに再び挑みゆく山が、険しくも愉しい道のりであればと願う。  今年、日本人の胸に強く響いたあのフレーズは、どう色づけされていくのだろうか。  ひと月先にはもう新シーズンの開幕が待っている。』

みんな頑張っているんだな~。  

明日は関東大会、今日の夕方から水戸入りです。

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