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カウンターアタック

10月10日の体育の日、家内と二人で長野県岡谷市の母方祖父の墓参りに行きました。  往復の車中で『カウンターアタック』(永井洋一著 大修館書店)を読みました。 「ボクシングのカウンターパンチ」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①カウンターパンチとは、相手がパンチを打ってくる瞬間に、それと入れ替わるように、こちらのパンチをいち早く打ち込んでしまう高度なテクニックです。  元プロボクシング日本ウェルター級チャンピオン・小林秀一さんの解説で探っていきます。

②ボクシングでは、相手がガードをがっちり固め、待ち構えている状態にパンチを打ち込んでも、効果的なパンチになることは多くありません。  パンチに効力を持たせるためには、ガードをかいくぐり、可能な限りカウンターになるタイミングで急所にクリーンヒットさせなければなりません。

③そのためにはまず、相手のガードが空いている状態をつくらなければなりません。  相手のガードが空きやすいときとはすなわち、相手がパンチを打とうとしているときです。  ですからボクシングでは、いかにして相手にパンチを打たせ、その合間を縫って自分のパンチをカウンターでヒットさせるか、ということが最大のポイントになるわけです。  つまり、ボクシングとはカウンターパンチの狙い合いといっても過言ではないでしょう。

④ですからボクシングでは、いかにしてガードしている相手がパンチを打つように誘導するか、そして、そこに防御の隙をつくらせるか、ということが大切になります。  しかし、いくら相手が攻撃してくるときにこちらがパンチを打ち込む隙が生まれるといっても、そのときをひたすら受動的に「待つ」という姿勢では効果的なパンチは打てないと小林さんは言います。

「待っていて、相手が打ってきたら合わせて打つという姿勢では、相手が得意とする動きのリズムにこちらの動きを合わせてしまうことになりかねません。  そうなると、主導権は相手に握られ、相手の間合い、相手の呼吸に合った動きの中で、相手にとって最もよいタイミングで攻防が進んでしまうことになる。  そうした間合いでパンチを繰り出してしまうと、逆に相手の狙いどおりのタイミングでこちらがカウンターを食うことになりかねません。  ですから、あくまでもこちらが動きの主導権を握りつつ、相手が『動かざるを得ない』という状況をつくり、狙いどおりに動いてきた瞬間にカウンターを打ち込むのが理想的です」

⑤では、ボクシングでは、具体的にどのようなタイミングでカウンターパンチを繰り出すのでしょうか。  この点に関して小林さんは「相手のパンチの打ち終わりの瞬間に打つ、というのが最も基本的な原則」と言います。  パンチを打つということは、腕を伸ばしながら体勢を傾けていく姿勢を作ることです。  一方の腕が体から離れて伸びていく姿勢では、誰でも急所を十分にガードできない瞬間ができます。

⑥またこのとき、繰り出す拳を中心に体全体が前のめりの状態になります。  前のめりになっている体に反対方向からパンチを受けると、体が静止しているときに比べて物理的な衝突エネルギーがはるかに大きくなり、パンチは「効く」ことになります。』

墓参りを済ませた後、諏訪大社の下社春宮・秋宮に行きました。  諏訪大社に祀られるタケミナカタノカミは、日本を代表する戦いの神様で、名将・武田信玄も合戦のたびに戦勝祈願をしたそうです。  勝守りを6つ買ってきて、チーム城西の選手に渡しました。

また、10月10日は私たち夫婦の37回目の結婚記念日でした。  長いな~(笑)

明日は光が丘で城西カップです。  選手の皆さんの健闘を祈っています。

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個性

『一日ひとつだけ、強くなる。』(梅原大吾著 KADOKAWA)を読みました。  梅原さんは17歳で世界大会に優勝した日本初のプロ・ゲーマーだそうです。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①正しいことを積み重ねた先に出る、個人差。  それが勝負における本当の個性だと思う。  何も積み重ねることなく、身勝手なやり方でやっていることを個性だと思っているのは自分だけだ。  端から見れば未熟なだけで、みっともないことをしている自覚を持った方がいい。

②僕は天ぷら屋でアルバイトをしていた時期がある。  そのお店での修業は「俺、揚げるの超自信あるのに」なんて思っていたとしても、数年は揚げることが許されない。  1年目はホールをひたすらやって、2年目でようやく下ごしらえをさせてもらい、3年目から少しずつ揚げることを教わるような世界だった。

③個性をどうこう言う前に、全員が等しくやらなければいけない作業というのがある。  無駄に非合理なやり方は自分も反対だけれど、あれはあれでそういった理由のあらわれなのだと思う。

④未熟の他に個性と勘違いされるものとしては、誤ったやり方を続けたために出てしまう偏りという場合もある。  単なるクセというべきで、これも個性とはきちんと分けて考えたほうがいいと思う。

⑤また、表面的に個性を出そうとするのはやめるべきだ。  未熟な上に変なクセまで付いてしまいかねない。  個性は出すものではなく、出てしまうものだ。

⑥個性はそれなりのレベルの者が、日々の正しい工夫を積んだ先に出るものだ。  だから自分だけの個性が出るのは、かなり先のことになる。  (中略)  「個性が出るのはそんなに先なのか」とやる気がなくなる人もいるかもしれない。  でも心配はしなくていい。

⑦一定のメソッドのもと、正しい積み重ねの後にようやくそこそこのレベルになったとする。  まだまだ基本に忠実であることを求められるレベルだ。  しかしそういうレベルでさえも資質や行動はそれぞれ微妙に違うから、まったく同じようにはならない。  個人差のようなものがわずかに出る。  (中略)

⑧そういう自分だけの個性の芽のようなものは、正しく成長していれば、遅かれ早かれ必ず出てくる。  それは、ある面では良く作用するかもしれないが、別の面では悪く作用するかもしれない。  性格そのものに善し悪しがないのと同じで、これをどう生かすかは自分次第だろう。

⑨そういったことをどこかで意識しながら、基本を守りつつ自分なりの工夫を模索していくことで、自分だけのやり方を作り上げていく。』

ここに書かれていることは、空手の組手技術の習得や一般的な職業技術の習得の過程とまったく同じです。  クセのついた独りよがりの技術が実戦で役に立つわけがありません。

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勝負脳の磨き方

(1)大相撲の九州場所も今日が千秋楽です。  結びの一番で一敗の白鵬と二敗の鶴竜が直接対決し、白鵬が勝てば大横綱・大鵬に並ぶ32回目の優勝となります。

そもそも私の格闘技好きは3歳頃にテレビで見た初代の横綱・若乃花から始まります。  それから半世紀を超えてずっと相撲ファンですし、結果として極真空手の指導者になる原点もそこにあります。

かって「平成の牛若丸」「技のデパート」と呼ばれた元小結・舞の海秀平さんが書かれた『勝負脳の磨き方』(育鵬社)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.①当時、幕内力士は平均身長が185センチ、平均体重は150キロでしたが、それに比べて、私の身長は169センチ、体重は97~98キロでした。

②相撲の基本は「当たって押せ」と言われます。  確かに大柄な力士ならそれも良いでしょう。  しかし、小兵の私がそのような相撲を取っても勝てるはずがありません。  その分、技術と戦略でカバ-するしかありませんでした。

2.①目の前の一番で勝利をつかむために常に考えていたのは、「引き出し」をたくさん作るということでした。

②さまざまな状況に追い込まれてから、どうしようか考えていては、勝つことはできません。  準備していないことは出せないものです。

3.①見逃されがちなのが、問題の一つ前、二つ前の工程の検証です。  負けた瞬間の動作から敗因を探そうとばかりする人がいます。  しかし、大事なのは負ける一つ前、二つ前の動きの検証なのです。  

②投げられた瞬間ではなく、投げられるような不用意な体勢をつくったところ、または立ち合いの当たり方に問題があるケースも多いのです。  そこを検証し、解決策を考えないと、いつまでも同じ負け方を繰り返してしまうでしょう。

③正確に問題を把握し、解決策を考えられなければ、自分の引き出しは作れません。  自分がこう動けば、相手はきっとこうなると、常に、起こりうる状況を想定し、シュミレーションしておくことが大切だと思います。

4.①私の場合、当たり勝つことがほとんどないだけに、直径4メートル55センチの狭い土俵の中で、いかにして逃げ回って、相手の圧力をかわすかを考える必要がありました。

②そしてかわすにしても、飛ぶようにかわすのか反転してかわすのか、それとも相手の腕をとって流れを変えるのか、イメージを無数に頭に思い描くようにしていました。

③プロに入ってしばらくしたころ、休日に大学時代の同級生から、「お前の相撲は面白くない。  やってることがワンパターン。  立ち合いで変化するにしても中途半端だ。  ジャンプして相手の後ろに付くぐらいの立ち合いの変化をしてみろ」と言われたことがありました。

④休みが終わり稽古を再開したときに、友人からのアドバイスがヒントとなって、ふと思いついたのです。  相手の攻めをこらえるために、狭い土俵を平面として使うだけでなく、立体的に捉えてみてはどうだろう、と。

⑤「八艘跳び」は、その考えから生まれました。  土俵の〝上〟を使うことを考えたのです。  立ち合いで飛んで横に着地し、一気に相手の後ろに回り込む。

⑥師匠がいないときにこっそり稽古場で試してみると、面白いように決まります。  一見、奇想天外にも思えますが、何も知らず無我夢中で突進してくる相手には特に有効でした。』


(2)患者:「先生私、とても怖いんです。  手術なんて初めてのことなんです」
 
執刀医:「お気持ちはよく分かりますよ。  私もとても怖いです、手術なんて初めてですから」

(11月6日に配信された本郷孔洋先生のメルマガより)


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