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林成之先生『一気に駆け上がれ!』

脳神経外科医の林成之(はやし・なりゆき)先生が書かれた『望みをかなえる脳』(サンマーク出版刊)から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①北京五輪の直前、競泳のオリンピックチームに招かれて、選手やコーチのみなさんに、世界レベルの勝負に勝つための方法や心がまえを脳科学の側面からアドバイスする機会をもちました。  そのとき伝授した「勝つための脳科学」の要諦(ようてい・・・物事の肝心なところ)の一つに、「一気に駆け上がれ!」というものがあります。

②私が助言を求められたのは、五輪選考会が終わったあと、本番まで数か月の間があるころでしたが、こうした時期、スポーツ選手は一度ペースダウンして、その後、本番に向けて少しずつ調子を上げていくという調整法を取るのが一般的です。  (中略)

③しかし、私は「それでは勝てない」と、その常識的な調整法をまっこうから否定したのです。  なぜなら、人間の能力というのは「一気に駆け上がる」もので、もっとも調子が高まったときや記録の伸び盛りのときにこそ、さらに急激に伸ばしていける、そういう加速度的な性質をもっているからです。  (中略)

④したがって、調子がピークを迎えているとき、記録が伸びているとき、そういうときにこそ、ペースダウンやリラックスするのではなく、逆に、高い集中力と緊張感をもって、よりハードな練習、他の追随(ついずい・・・あとに従うこと)を許さないようなケタ外れの努力をすることが大事なのです。  (中略)

⑤むろん、それはガムシャラな根性論ではなく、科学的な根拠に基づいたものでした。  たとえば運動生理学的には、「絶対に負けない」とか「最初から全力を出し切る」といった強い集中力や緊張感、闘争心や勝負への執着心。  そうした心の高まりには交感神経の働きを刺激し、心臓や肺などの呼吸器系の機能を活発にする作用があります。  (中略)

⑥このとき、ペースダウンしたりリラックスを優先させたらどうなるでしょう。  それが「弛緩(しかん・・・ゆるむこと)」につながって、運動神経系の活性は急激に収縮してしまいます。  脳科学的に見れば、脳というのは余裕がありすぎると、その機能を緩(ゆる)めてしまう性質があるのです。  (中略)

⑦したがって、世界で勝ちたいのなら、高い集中力と緊張感を保ち、常に最高水準の記録を求めて、極限までの訓練を自分に課す。  そして、一歩ずつ調子を上げていくのではなく、頂点に向けて一気に駆け上がってほしい。  それが「ただのすぐれた選手」とスーパーアスリートを分ける分岐点になる。』

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ルーチン( routine )

1. イチロー選手が7年連続200安打を達成しました。

2. 今朝の日経新聞に次のような記事が出ていました。

 『 毎打席、右足をひねり、ついで左足をひねりというお決まりの儀式がある。 それと同様、遠征先でも、どの店の何をどのくらい食べるという段取りがあり、それを変えないという。

 7年連続記録の先輩、ボッグスも毎日同じ時間に練習し、毎日鶏肉を食べるというルーチン、日常のリズムを極端なまでに大事にしていた。 』

3. 英和辞典で 「 routine 」 を調べると、「 ①決まりきった仕事、日課、いつもの手順、慣例、②(ダンスなどの)一連の決まった動き 」 と載っていました。

4. 最近はメンタル・トレーニングの分野においても、試合等で力を発揮する上でのルーチンの有用性が評価されているようです。

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