| PAGE-SELECT | NEXT

第35回ウェイト制大会・2018国際親善大会

1.4月21・22日は東京体育館で第35回ウェイト制大会が行われました。  出場選手について、結果と感想を書いてみます。

①奥寺勇輝(軽量級)・・・4回戦延長判定負け。  昨年負けたアレクサンダー・アリストフ選手に、ほぼ同じ内容で負けました。  奥寺は技がキレるという素晴らしい長所を持っています。  今後は接近戦でのガチンコ勝負でも勝てるよう、打たれ強さの強化と、突きや下段廻し蹴りに関する筋力アップが課題です。

②亘和孝(軽量級)・・・3回戦延長判定負け。  和孝と同じく、接近戦を得意とするタイプのエブゲニー・グルコフ選手に延長戦で押し切られた印象です。  普段の稽古では足払いも器用にこなしていましたが、試合では出せませんでした。  4月から専任指導員になり稽古時間も今まで以上に取れるのですから、秋の体重無差別の全日本大会に向けて一層の創意工夫が必要です。

③中川拓人(中量級)・・・3回戦判定負け。  対戦した与座優貴選手とは経験の差が出ました。  突き蹴りの威力があるのでウェイトトレーニングでさらなる威力アップをはかること、突きと下段廻し蹴りだけでなく組手の幅をもう少し広げること、が望まれます。

④池田龍星(中量級)・・・1回戦で高橋壮汰選手に延長戦判定負け。  最後は押し切られましたが、内容的には遜色なかったと思います。  今年、大学進学を機に長野支部から移籍してきました。  チーム城西で稽古して技術・トレーニング方法・戦い方がこなれてくれば、トップ選手の仲間入りも見えてくると思います。  それだけの素材の良さを感じました。

⑤加賀健弘(中量級)・・・3回戦で高橋壮汰選手に反則負け(顔面殴打)。  今年は仕上がりも良かっただけに、ちょっと残念な結果に終わりました。  しかし、顔面への突きをコントロールできないということは、IKOフルコンタクトルールでは致命的です。  今後の全日本大会や世界大会で二度とそのようなことのないよう、肝に銘じなければいけません。  捲土重来を期待します。

⑥吉田篤司(中量級)・・・1回戦でミハイル・クリシン選手に判定負け。  昨年、函館支部から移籍してきました。  この1年間、中々結果が残せていませんが、私の見る限り、着実に実力が上がってきています。  ここで腐らずに精進を続ければ、必ずどこかで結果が出ますから、あきらめないことです。  一つだけアドバイスするとしたら、攻撃を始めたら審判が「止め!」というまで畳みかけるような「しつこさ」が欲しいです。

⑦竹岡拓哉(中量級)・・・第4位。  準決勝で樋口知春選手に上段廻し蹴りの技有りを取られ、判定負け。  眼窩底骨折の疑いで病院に行き、準決勝は棄権しました(結果、骨折ではありませんでした)。  試合開始直後の左の変則廻し蹴りをもらってしまいました。  アンドレイ・チルコフ選手に勝った試合を含め、調子は良かったと思います。  竹岡は、城西に移籍してきて以後の、今回も含めた6回のウェイト制大会で、優勝1回・準優勝3回・第4位が2回と安定した成績を残しています。  体重無差別の全日本大会の入賞まで、武者小路実篤先生の書ではありませんが、「もう一息」です。

⑧吉村基(重量級)・・・1回戦で、アレクサンドル・べドシビル選手に、上段廻し蹴りの技有りを取られ、判定負け。  180センチ・96キロの基が194センチ・115キロのべドシビル選手と戦いましたが、技有り以外は互角の内容だったと思います。  ただし、秋の全日本大会からは「場外」は「注意」になりますので、回り込みは必要です。  昨年の第34回ウェイト制大会に高校3年生で出場して以来、今年2月の埼玉県大会・優勝を含め、成長が著しいと思います。  特に、攻撃にメリハリがある点、蹴りの捌きが上手い点に非凡なものを感じます。  今後はウェイトトレーニングによる突き・蹴りの威力アップが、トップ選手になれるかどうかの鍵を握っています。


2.2018国際親善大会も同時開催されました。  ウェイト制大会が行われた第3コートにかかりきりだったのでほとんど試合を見ていません。  結果を列挙します。

①諸岡幸乃・・・8歳女子・第3位。

②小野そら・・・10歳女子・第3位。

③岡部慎太郎・・・15歳男子+65㎏・優勝。

④林優一・・・壮年35歳~39歳-70㎏・優勝。

⑤中水流嘉臣・・・壮年40歳~44歳-80㎏・優勝。

※岡部慎太郎の試合はたまたま何試合か見れましたので、コメントします。  一昨年の秋季関東大会・優勝、昨年の極真祭・準優勝、そして今回の国際大会・優勝と実績を積み上げてきました。  前半は上段への蹴りをもらわないように相手をよく見ながら攻防し、後半は徐々にペースを上げながらラッシュをかけるという戦い方が安定しています。  15歳にして175センチ・90キロと体格にも恵まれており、18歳の吉村基とともに、チーム城西のネクスト・ジェネレーションのけん引役となれるよう精進してもらいたいと思います。  


3.大会後、ウェイト制出場選手およびセコンドのメンバーと食事をしました。  食事後の山辺師範代とのメールのやり取りを紹介します。

①私が先に帰った後の山辺からのメール

「山田先生、本日もご馳走になりましてありがとうございました。  今ほど明月館を出まして、解散しました。  全日本に向けて皆んな心新たに頑張るそうですので、引き続きご指導お願い致しますm(__)m」

②私の返信メール

「竹岡からもメールが来たので、次のように送りました。

『私自身、反省点の多く見えた大会でした。  いくつか修正をするつもりです。  秋の全日本大会に向け、また稽古しましょう。』

このまま、やられっぱなしでは終われません(笑)」

③山辺からの返信メール

「おはようございます。  全く同感です。  やられっぱなしでは男がすたりますね(笑)  引き続き宜しくお願い致します!」


選手・セコンド・応援の皆さん、お疲れ様でした。  私も、前日の審判講習会・全国支部長会議、土日の大会・IKOセミコンタクトルール解説、昨日の大山倍達総裁二十四年祭、今朝のこのブログまですべてが終わり、ホッと一息ついています(笑)

TOP↑

第25回全関東大会

昨日は水戸で関東大会でした。  以下は入賞した選手についてのコメントです。

① 諸岡 幸乃・・・小学2年生女子の部・第3位。  気迫あふれる試合内容でしたが、準決勝で技有りを取られました。  気迫があるのはよいことですが、一方で冷静さを保っていることも必要です。  私はよく選手に「カッとなって冷静に」と言っています。  以前指摘したラッシュの中で頭が揺れる癖は、大分修正されてきました。

②小野 そら・・・小学4年生女子の部・第3位。  体幹の強さを活かした安定した組手をします。  今後はその中に上段への蹴りなど、攻撃の上下への振り分けが必要です。  また、持ち味である突きや下段廻し蹴りをより正確にすることによる威力アップも望まれます。

③鈴木 奏成・・・小学5年生男子+35キロの部・第3位。  体格が大きく、上段への蹴りもうまく、順調に勝ち上がりましたが、準決勝で上段への蹴りで技有りを取られました。  まだ全体の動きに雑なところが見られますが、今後試合経験を重ねていけば徐々にまとまった組手になってくると思います。  

④福永 悠莱・・・小学6年生女子-40キロの部・第3位。  準決勝で上段への蹴りで技有りを取られました。  先ほどの諸岡 幸乃や鈴木 奏成もそうですが、内容的に押していても一瞬のスキを突いた上段への蹴りをもらうと、挽回することは難しくなります。  上段への蹴り、特に直線的な前蹴りや横蹴りをよける練習が必要です。

⑤田中 碧波・・・中学1年生男子-50キロの部・第3位。  オールラウンドなまとまった組手をします。  特に相手との間合いの操作に非凡なものを感じます。  今後は接近戦での打ち合いに対する対応力の向上が不可欠です。  突きの強化、ラッシュ力、打たれ強さなどが課題となると思います。

⑥金子雄大・・・中学2・3年生男子-55キロの部・優勝。  今年の極真祭での3位入賞に続く今回の優勝です。  その時も書きましたが、雄大に2年近く勝てない時期がありました。  今回は小学5年生頃の強い雄大が戻ってきた印象です。  

城西の少年部に、雄大から学んでもらいたい点が二点あります。  一つは今書いた「勝てない時期があってもあきらめずに稽古を続けること」です。  もう一つは「上段への蹴りのタイミング」です。  雄大の上段蹴りはノーモーションで不意を突いて蹴るため、技有りが取れるのです。  「蹴るぞ、蹴るぞ」という意識が強いとどうしても相手に分かってしまいます。  逆に入賞した選手も含め、何人もの城西の選手が、そのようなノーモーションの上段前蹴りや横蹴りで技有りを取られて、敗退するシーンを昨日は見ました。  

⑦ 伊豆山 裕太・・・一般新人戦-70キロの部・優勝。  決勝戦まで別次元の強さを発揮しました。  上段蹴りや膝蹴りに威力とスピードがありました。  今後は強い突きが加われば、上級の部でも戦えるとようになると思います。  最近は少年部上がりの選手が全日本大会などで活躍していますが、かっては高校卒業後に空手を始める人がほとんどで、城西でいえば大西靖人(15回大会チャンピオン)などもその一人です。  要は意識の持ち方次第です。

⑧奥山 一石・・・一般男子新人戦+70キロの部・優勝。  攻撃の威力、打たれ強さ、手数など安定した組手で優勝しました。  まだ組手全体の動きがかたいので、そこに柔らかさが欲しいところです。  伊豆山同様、大きな大会を目指して稽古に励んでもらいたいと思います。

⑨ 楠 幹太・・・一般男子新人戦+70キロの部・準優勝。  組手にメリハリがあり、まとまった戦い方をしますが、爆発力・ラッシュ力が不足しています。  奥山との同門決勝はその差が出ました。  スタミナトレーニングによる心肺強化、サンドバックやミットを使った連打の練習が必要でしょう。

⑩旗手 浩・・・壮年45歳~49歳-70キロの部・優勝。  安定した組手で無難な勝ち上がりでした。  間合いの取り方やポジショニングがうまく、相手の力を上手にいなしている印象を持ちました。  これまでも入賞のたびに書きましたが、ウェイトトレーニングによる突き蹴りの威力向上が図れれば、さらに楽な試合運びができると思います。



選手・セコンド・応援の皆さん、お疲れ様でした。  私も、8面コ-トで同時進行の中、城西の選手を見逃さないようにするのにちょっと疲れました(笑)





TOP↑

第49回全日本大会

11月3・4日は第49回全日本大会でした。  城西支部からは6名の選手が出場しました。  気付いたことを書いてみます。

①亘和孝(ゼッケン16番)・・・3回戦で安島喬平選手と対戦し、本戦4対0で判定負けしましたが、敢闘賞を受賞しました。  序盤は下段廻し蹴りで若干崩されるような場面も見受けられましたが、後半は逆に場外に押し出すような突きのラッシュも見られ、内容的にはさほど差がないようにも感じました。  今年のウェイト制大会の軽量級では準決勝の一本勝ち、決勝の技有りと、突きの威力が目立っていましたが、無差別の今大会では両手押しを混ぜた突きの連打と下段廻し蹴りが効果的でした。  来年4月のウェイト制大会に向けて、パワーとスタミナの一層の強化と、新ルールの足掛けや捌きなどの研究が望まれます。

②加賀健弘(ゼッケン25番)・・・3回戦で今年の世界ウェイト制・中量級チャンピオンの大澤佳心選手に本戦3対2で判定勝ちし、4回戦で南原健太選手と対戦しましたが、序盤で両手押しからの右上段内廻し蹴りで技有りを取られてしまいました。  実力が拮抗した選手の正面に立ち続けるという癖は、左右に回り込むことで若干解消されていましたが、接近戦でのスネ受けと、近い間合い・遠い間合いの出入りに課題を残しました。  スピードがあり、運動神経もよいので、今後は「上手い組手」が身に付くよう、研究・工夫・反復による癖づけが必要です。

③竹岡拓哉(ゼッケン49番)・・・2回戦で足掛け下段突きの技有り、3回戦で下段廻し蹴りの一本を取りました。  何度か相手の蹴り足に手がかかり、捌こうとしていましたが、いまひとつ技術が身に付いていませんでした。  それでも、今年のウェイト制決勝戦の胴廻し回転蹴りへの下段突きや今回の足掛け下段突きなど、城西では鎌田翔平に次ぐ新ルール対応力だと思います。  

気持ちの強さが竹岡の持ち味ですが、4回戦で本戦判定負けした荒田昇毅戦のような重量級の選手と戦うときは、その気持ちの強さが裏目に出てしまいます。  もう少し冷静になって相手の攻撃をかわすような工夫が必要です。

④奥寺勇輝(ゼッケン73番)・・・2回戦では江戸崇真選手から右上段内廻し蹴りで技有りを取り、3回戦で95㎏の谷川聖哉選手に延長戦で判定負けしましたが、新人賞を受賞しました。  技の切れ、スピードは申し分ないのですが、65㎏と軽量でなおかつ重心が浮いたようなフットワークを使うため、どうしても組手が軽く感じます。  ウェイトトレーニングによる体重増と、安定した運足の工夫が大切です。  かっての軽量級の名選手、田ケ原正文支部長のような運足が理想です。

⑤石崎恋之介(ゼッケン88番)・・・3回戦でアレハンドロ・ナバロ選手に本戦判定負けしました。  竹岡と同様に、何度か相手の蹴り足に手がかかり、捌こうとしていましたが、いまひとつ技術が身に付いていませんでした。   ただ、松井館長も言われていましたが、動きは格段に良くなっています。 突きと下段廻し蹴りのバランスが良く、 また、接近戦でのスネ受けはほぼ完ぺきでした。 

竹岡・加賀・石崎の3人が城西に移籍してきてから4年が経ちました。  3人すべてに言えることですが、これからは自分なりの持ち味を生かした「上手い組手」の研究が望まれます。  「上手い組手」とは「相手の攻撃をまともにもらわない・かわす、自分の攻撃を相手に防御されずに的確に伝える」という意味です。  もっと言えば「相手に自分の組手をさせない」ということです。  田ケ原正文支部長や森善十朗にはそれがあったので、軽量級・中量級でも上位に行けたわけです。  今から「上手い組手」を身につけることはそう簡単ではありませんが、その気になればできないことはありません。

肉体的には、強い体幹を持ちながら、相手の攻撃をその体幹で壁のように受け止めるのではなく、柳のように受け流すイメージです。  心理的には、熱い心を持ちながら、試合中にその熱さを前面に出すのではなく、戦っている相手だけでなく自分自身のことすら冷静に観察する、といった感じです。  その二つが「上手い組手」には欠かせません。    

今日の全国支部長会議の前に田ケ原支部長と話をしましたが、ある時期、運足の稽古だけで毎日1時間くらいやっていたそうです。  チーム城西に所属するメリットは指導者・選手が多く、合同稽古の機会に恵まれていることです。  デメリットは、それが故に自分一人の自主トレによる創意工夫の時間が少なくなりがちなことです。

⑥鎌田翔平(ゼッケン128番)・・・決勝・再延長戦の残り1秒で出した右後ろ廻し蹴りに、右横蹴りによる前押さえを高橋佑汰選手に合わされ転倒し、技有りを取られました。  こういうことがあるのが新ルールの怖さです。  松井館長も言われていましたが、準決勝までを見る限り、頭一つ抜きん出ているようにも見えました。  しかし、勝負というのは結果がすべてです。  最終的に我々が目指しているのは、2年後の第12回世界大会です。  ある意味では、その大舞台で今回のようなことが無いようにという、勝負の女神の教えだと思います。  試合に向けての日々の稽古、直前の準備段階、当日の心構え、などにおいて、何か足りないものがなかったのか、正確な検証が必要です。

2015年2月1日のアメリカンフットボール(NFL)のスーパーボウルを思い出します。  前年の覇者、シアトル・シーホークスがニューイングランド・ペイトリオッツと対戦し、試合終了26秒前にあとたった1ヤード(91.44cm)進めば勝つのに、なぜかランでなくパスを選択し、そのパスをインターセプト(奪われること)され、勝利を逃しました。  私はペイトリオッツ・ファンですから大喜びでした。

今回は残り1秒のちょっともったいない敗北でした。  不思議なことに、どちらも第49回目の大会です。

でもまあ、これだから人生は面白いのかもしれません。  選手・セコンド・応援の皆さん、お疲れ様でした。 

優勝した佑汰、育てた川本支部長、おめでとう!  私にとっては、田中健太郎・羽田支部長、安島喬平・鴨志田支部長に続く3人目の孫弟子チャンピオンです。 

      

TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT