2008.10.07 Tue
辰吉流発想法
池田祥規支部長が、本を2冊貸してくれました。 そのうちの『辰吉流発想法』(辰吉丈一郎著 ベースボールマガジン社刊)から抜粋し、番号を付けて紹介します。 辰吉さんは、元WBCバンタム級世界チャンピオンです。
『①プロローグ・・・ボクには、自分を実験台にして試してきたことが、山ほどある。 ボクシングも、また、そのひとつだろう。 減量しかり、練習しかり。 (こうしたら、どうなるんだろう?) (ああしたら、違うかなぁ) 考えると、楽しくてしょうがない。 面白くて、いろんなことを試してしまう。
②人にやらされるか、自分でやるか・・・練習の量や質が、問題ではない。 あえて、どちらが大事か、と問われれば質なのだが、量をこなして、体に覚えこませなければいけないものもある。 でも、やはり基本的には、質が大事だ。 さらに、もう一段突き詰めていくと、自分で考え抜いた、練習内容の中にこそ、問われるものがあると思う。 これだけやったからいいだろう、ではない。 自分は、これだけのことを、このぐらいしないと強くなれない、と真剣に考え、取り組んだかどうか、なのだ。
③ボディーブローの心得・・・大久保淳一トレーナーが教えてくれたのが、左フックのボディー打ちだった。 「ジャブを打ったバランスで、左の肘を脇腹に置いて、そのまま真っすぐ、突き出すように出してみぃ。 すくい上げたら、アカン。 真っすぐドーンと、押し込め。 腹に当てるんやない。 内臓に当てろ」
④試合までのコンディション作り・・・ボクは以前、全盛期のマイク・タイソンが、試合前「怖いんだ」と恐怖を訴えて泣いている姿を、テレビのドキュメンタリー番組か何かで見て、ああコイツもそうなんだ、と
思った覚えがある。 あのタイソンが、グッと身近に感じられてものだ。 (中略)
相手はパンチがある。 相手はテクニシャンだ。 相手は強い。 (中略) 「いいや、実際やってみて、ホンマに強かったとしても、俺が練習してきたことに比べたら、たやすいことや。 たかだか、12ラウンド36分間やればいい、だけのことやないか。 オレはこれまで、お前に勝つためだけに、3ヵ月間キッツイ練習してきた。 3ヵ月分のシンドイ思いと、36分間の痛い思い、そりゃ厳しい痛みやろけど、へとも思わんわい。 どっちがツライと思うねん。 練習で泣いた分、試合で笑ったらぁ」
最後の最後は、自己暗示である。 「リング上で、意識のなくなるときもあるやろ。 でも、それがわかった上で、今日のために練習してきたんや。 勝ちを譲るわけにはイカン!」 ボクの場合、こう思ったら、案外耐えられるものなのだ。』
『①プロローグ・・・ボクには、自分を実験台にして試してきたことが、山ほどある。 ボクシングも、また、そのひとつだろう。 減量しかり、練習しかり。 (こうしたら、どうなるんだろう?) (ああしたら、違うかなぁ) 考えると、楽しくてしょうがない。 面白くて、いろんなことを試してしまう。
②人にやらされるか、自分でやるか・・・練習の量や質が、問題ではない。 あえて、どちらが大事か、と問われれば質なのだが、量をこなして、体に覚えこませなければいけないものもある。 でも、やはり基本的には、質が大事だ。 さらに、もう一段突き詰めていくと、自分で考え抜いた、練習内容の中にこそ、問われるものがあると思う。 これだけやったからいいだろう、ではない。 自分は、これだけのことを、このぐらいしないと強くなれない、と真剣に考え、取り組んだかどうか、なのだ。
③ボディーブローの心得・・・大久保淳一トレーナーが教えてくれたのが、左フックのボディー打ちだった。 「ジャブを打ったバランスで、左の肘を脇腹に置いて、そのまま真っすぐ、突き出すように出してみぃ。 すくい上げたら、アカン。 真っすぐドーンと、押し込め。 腹に当てるんやない。 内臓に当てろ」
④試合までのコンディション作り・・・ボクは以前、全盛期のマイク・タイソンが、試合前「怖いんだ」と恐怖を訴えて泣いている姿を、テレビのドキュメンタリー番組か何かで見て、ああコイツもそうなんだ、と
思った覚えがある。 あのタイソンが、グッと身近に感じられてものだ。 (中略)
相手はパンチがある。 相手はテクニシャンだ。 相手は強い。 (中略) 「いいや、実際やってみて、ホンマに強かったとしても、俺が練習してきたことに比べたら、たやすいことや。 たかだか、12ラウンド36分間やればいい、だけのことやないか。 オレはこれまで、お前に勝つためだけに、3ヵ月間キッツイ練習してきた。 3ヵ月分のシンドイ思いと、36分間の痛い思い、そりゃ厳しい痛みやろけど、へとも思わんわい。 どっちがツライと思うねん。 練習で泣いた分、試合で笑ったらぁ」
最後の最後は、自己暗示である。 「リング上で、意識のなくなるときもあるやろ。 でも、それがわかった上で、今日のために練習してきたんや。 勝ちを譲るわけにはイカン!」 ボクの場合、こう思ったら、案外耐えられるものなのだ。』