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百人組手

1.今朝の朝日新聞・連載『小津安二郎がいた時代』のタイトルは『品性』でした。  小津安二郎(1903~1963)は『東京物語』などの作品で知られる名映画監督です。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①おいの長井秀行(76)が振り返る。  「品行方正でなくてもいいけど、品性下劣になってはいけないとよく言っていました。  品性下劣なやつはどうしようもないってね」

②品性についてつまびらかにすることはなかったが、「うそをつくな。  人に迷惑をかけるな。  この二つは絶対に守れ」と言われたという。

③長井から見た小津は正義感が強く、言行一致の大人だった。  知ったかぶりをしない、自慢話をしない、弱い立場の人に威張らない。

④「大人になるにつれて、それがどんなに難しいことかがわかる。  伯父の生き方は正しかった。  今でも、いつも伯父と対話している気持ちでものを考えます」』


2.極真の最近の選手の中で私がもっとも品性を感じるのが第10回世界大会優勝者のタリエル・ニコラシヴィリ(ロシア)選手です。  昨日の午後、本部直轄恵比寿道場でタリエル選手の百人組手が行われ、極真史上9人目の完遂者となりました。  組手開始時間が13時10分、 組手終了時間が16時31分という、3時間21分の長丁場でした。
  
タリエル選手の百人組手前の談話から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①「私の希望は、この挑戦を通じて極真会館の皆様で力を合わせ、ともに発展していくことです。  そして極真空手が持つエネルギーを世界中の人々に知ってもらいたいと考えています」(ワールド空手2014年5月号)

②・・・百人組手を達成できる自信はどれぐらいありますか?

「自信がなければ挑戦はしませんが、思い通りに行くとも思いません。  今までの試合でも、必ず勝てるという過信をしないよう心掛けてきました。  トーナメントでも優勝すること自体が目的ではなく、どういう内容で優勝するかが大事です。  途中でズルい手を使わなかったか?   自分を裏切らなかったか?   そのことを自問自答し、自分に戒めながら戦ってきました。  その気持ちは百人組手でも同じです」(バウトレビュー2014年4月23日)』


3.城西支部の選手も過去に二度、百人組手に挑戦しています。

①小笠原和彦(1984年11月18日・千葉寺(千葉市中央区)境内の特設試合場)・・・途中で前蹴りが対戦者の道着に引っかかり右足小指を負傷。  出血がひどく、43人目を終えたところで中止。

②増田章(1991年5月19日・総本部道場)・・・完遂。  

ワールド空手2014年5月号・百人組手特集記事から抜粋して紹介します。

『第5回世界大会を半年後に控えた増田の挑戦。  連打でガンガンと押していくタイプだけに、組手を重ねるごとに、次第にダメージが蓄積されていった。  76人目では「噛みつき」行為に出るなど、人間の野生の本能をあらわにした』


4.私が百人組手を見るのは増田以来ですから実に23年ぶりです。  昨日は大山倍達総裁が亡くなられて20年目の命日でもありました。

命日といえば、増田の百人組手で、大山総裁が次のような話をされました。

「今日5月19日は不思議にも、毛利松平先生(極真会館・前会長)の命日です。  大山が龍であるとするならば、毛利先生はそれを乗せた雲でした。」

大変感銘を受けた記憶があり、今年1月29日の百人組手の記者会見でもその話をさせていただきました。  ところが、昨日念のため調べてみたら、毛利先生が亡くなられたのは1985年5月24日でした。

大山総裁の記憶違いだったのかしら(笑)

いずれにしても、タリエル選手百人組手完遂、おめでとう。  そして、お疲れさまでした。

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2014国際親善大会

(1)昨日・一昨日は2014国際親善大会で、組手競技には5人の選手が出場しました。  昨日の試合後、選手・セコンドにしたのは次のような話です。

『①一本や技ありを取っての勝ちは誰が見ても明確だ。  これに対して判定勝ちは戦っている選手自身が判断するのではなく、審判に評価してもらわなければ勝てない。  公式ルール上、審判は①ダメージ・②有効打・③手数を元に判定を下すことになっている。  

②先ごろ行われたソチ・オリンピックのフィギュア・スケートを観ても分かるように、判定競技には「判定の傾向」というものがある。  最近の極真の試合では「アグレッシブさ」や「運動量が多い組手」の評価が高いようだ。

③止まって攻撃するよりステップを使って動く、黙々と叩くより力強く思い切り叩く、小さな攻撃より大きさや高さのある攻撃を出す、手打ちより体全体を使って打つ、地味な動きより派手な動きをする、などである。』

もちろん③の後者の攻撃はスタミナを必要とするので、スタミナ稽古の裏付けが必要です。  また、そのような攻撃はルール上の判定基準①にある「ダメージ」につながるものだと思います。  


(2)それぞれの選手について感じたことを書いてみます。

1.亘和孝(ワールドユースエリート-65kg級・準決勝において優勝した小西佑哉選手に延長1回判定負けで3位入賞)・・・落ち着いて安定感のある組手なのですが、突きと下段蹴りだけのイメージがあります。  そうなると若干地味な印象は否めませんし、相手にとっても意外性がないので戦いやすいと思います。  それと、高校生の試合ではサポーター・グローブを付けているので本来のダメージが伝わりにくいということもあります。  もう少し技や戦い方の幅を広げる必要があるでしょう。  それと同時に、突きと下段蹴りの威力を高めるため、より高重量のウェイト・トレーニングが必要です。

2.林秉天(壮年40歳以上-70kg級・2回戦において顔面殴打で相手選手が鼻骨骨折したため反則負け)・・・アグレッシブに攻撃してくる相手選手に対して若干焦って対応した時、連打が相手の顔面に当たったようです。  極真では最近、試合中の反則を厳しく取る傾向にあり、反則負けは仕方がないと思います。  1回戦で良い動きを見せていただけに残念です。

3.塩田博之(壮年40歳以上-70kg級・1回戦において3位入賞の竹内繁広選手に本戦・判定負け)・・・試合コートが10面あったので気付いて見たときは残り30秒ぐらいでした。  林さんもそうですが、城西らしい受けのしっかりした組手をします。  セコンドの山辺の話しでは僅差だったようなので次に向けて稽古してもらいたいと思います。

4.入江友規(10歳男子-40kg級・2回戦において3位入賞の松崎雄輝選手に延長1回判定負け)・・・僅差の判定負けだったので大分力を付けてきたなという印象です。  以前は攻撃が単発で相手を見てしまうことが多かったのですが、連続して攻撃するようになりました。  特に、1回戦で見せたひざ蹴りの連打は良かったです。  今後は突きの強化と、スイッチしてからの左の回し蹴りが加わればと思います。

5.金子雄大(10歳男子-40kg級・準決勝において3位入賞の高橋彰永選手に延長1回判定負けでベスト8)・・・やや体力負けした印象です。  技術的には、試合後に相手のひざ蹴りに対する対応を指摘しました。  ひざ蹴りに対して突きや下段蹴りで対応しているとボディーを効かされているように見えることもあり、相手や審判に対するイメージもよくありません。  「ひざ蹴りにはひざ蹴りを」「突きには突きを」が鉄則です。  初戦からの試合全般を通して、昨年末の関東大会優勝の実力は充分に見せてくれました。


(3)型競技には芝倉愛弥・井田悠斗・小木戸瑛斗・佐藤祐の4人の選手が出場しました。  全員の試技が見れたわけではありませんが、得点的にはもう一息で入賞するところまできたようです。  


先月末発売のワールド空手5月号12ページに、松井章圭館長が現役時代、城西支部へ出稽古に来た話が載っていました。  抜粋して紹介します。

『私が18~19歳の頃、よく出稽古に通っていた当時の城西支部代田橋道場に武者小路実篤先生の詩が、額に入って飾ってあったんです。  稽古のときはあれを見て発奮しましたね。  〝もう一息〟・・・まさにその通りじゃないですか。  もう一息のところでくたばってはどうしようもない。』

型競技に出場した選手も、組手競技に出場した選手も、「もう一息」のところまで来ていることは確かです。  次に向けて一丸となって精進しましょう。

ちなみに、松井館長に紹介していただいた武者小路実篤先生の額はイタリアのアレサンドロからもらった魔よけの面とともに下高井戸道場に今も掛けてあります。  城西出身のかっての全日本チャンピオン、大西靖人・黒澤浩樹・増田章も稽古の時に見ていた額です。  見たい方は下高井戸道場にぜひどうぞ(笑)

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英語学習法

最近ヒマな時間は中国語と英語の勉強です。  「ビジネス上の必要に駆られて」という面もあるんですが、「脳の老化防止」にもなると思っています(笑)  英語学習法に関する本を2冊読んだので、抜粋し、番号を付けて紹介します。

1.『最後の英語やりなおし!』(勝間和代著 毎日新聞社刊)

『①(英語を)ある程度使えるようになるまでが1000時間、熟達するまでが1万時間が一つの目安だと思います。  (中略)  日本語の解説部分が多いテレビの英語教育番組や英語教材も、あるいは英文和訳も、英文解読も、あまり役に立ちません。  私がここで言う「1000時間」とは、「英語だけに接する時間」であることを、強調しておきたいと思います。

②英語が苦手な人に多いのは、文法でも、発音でもなく、単純に、語彙が不足しているのです。  知らない言葉は聞いても分からないし、話せません。

③自分の好きな分野の情報を中心に、浴びるように英語をインプットすることで単語力も伸びていきます。  (中略)  私はビジネス関係の書籍を英語で聞くとか、読むとか、あるいは大好きな映画を何本も英語のまま見たり聞いたりするとか、もう日常的に英語を聞くことが20年くらい習わしになっているのでなんともありません。

④英語学習の基本はとにかく「聞く」こと。  リスニングです。  英語ができないという人のほとんどは「リスニング」不足です。  言っちゃなんですが、たかだか、100時間も英語を聞かない中で、「英語が聞き取れません」というのは、当たり前です。  なぜ、英語を聞いたことがないのに、聞き取れるようになると思うのかの方が不思議です。

⑤書籍を朗読しているオーディブルや、会話が中心になる英語の映画やドラマなどが、入りやすいと思います。  なんせ、これらは内容が面白いから、自然に続くのです。  これこそが、重大なポイントです。  努力を無理にするのではなく、気がついたら努力できる環境を整えることが、本当の努力だと思います。

⑥洋書を読むときのコツは、何といっても、「辞書をむやみに引かないこと!」です。 分からない単語が出るたび、いちいち辞書を引いていては、絶対にイヤになります。  その単語の意味を想像しながら読み進めればいい。  日本語の本だって、分からない漢字が出ても、少々なら飛ばすでしょう。  それと同じです。  でも、何度もその知らない単語が出てくるなら、その本の主題や著者の主張に大きく関わる言葉ですから、その時は辞書を引くようにします。』


2.『頑張らない英語学習法』(西澤ロイ著 あさ出版)

『①英語を日常に取り入れるといっても、難しいことは何もありません。  日常のことをちょっと英語にするだけでいいのです。  テレビ番組や映画を観るとき、英語音声にしてみる。  通勤電車や車の運転中、家事をしているときに英語のCDやラジオを聴く。  ちょっとした空き時間に単語を覚える。  目にした様々なものを英語で表現してみる。  今まで日本語でつけていた日記を英語にしてみる。

②日本に住む私たちが、英語教材を毎日1時間聴いても、1000時間聴くだけで約3年かかります。  断言します。  だらだらと聞き流すよりも、しっかりと聴く練習を重ねたほうが、はるかに効率よく、短い時間で上達するのです。

③「速読」や「多読」ではなく、「精読」を行いましょう。  その言葉の通り、「精密に読む」のです。  意味のわからない単語に出会ったら、辞書を引いて調べます。  文法的にわからないことがあれば、調べる、人に聞くなどして解決していきます。  わからないことが出てくるたびに読むのを中断して調べるので、精読には時間がかかります。

④リスニングでは、きちんと耳の訓練ができるように、以下の3つのステップに分けて練習することをおすすめします。  ステップ1・・・「音」に集中して聴き取りをする。  ステップ2・・・正しく聞き取れていたか、テキストで確認する。  ステップ3・・・テキストを読んで意味を理解する。』


勝間さんの本の第1章に次のような記述がありました。

『ある知り合いの編集者が、こんなことを言っていました。  「ダイエット本と英語本は、永遠の売れ筋です。  なぜなら、ダイエットも英語も、ほとんどの人は永遠に失敗するから、何度でも買ってくれる」』

私も過去10冊近く英語学習法の本を買いました(笑)

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不思議すぎる話

『谷村新司の不思議すぎる話』(谷村新司著 マガジンハウス)を読みました。  「あとがき」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①今はもういない明治生まれの両親が私に語ってくれていた事がある。  「あなたは一度死んでいたのよ・・・」私が生まれて何か月か過ぎた頃に大きな病気になり、幼い私の死を覚悟した両親は小さな棺桶まで用意していたという。

②そして、その時に出逢った軍医さんの一本の注射で一命を取り留めた。  (中略)  三味線や長唄がいつも流れている邦楽の家で音に包まれて育った私は思春期から音楽の道に進み始め、50年を経た今も音の世界に生きている。

③自分の感覚と閃きに忠実に歌を創り続けてきた9年前の夏、自分の身体に異変が起こっている事に気づいた。  医学的には「帯状疱疹」と呼ばれるもので、全身に拡がれば死に至ると言われているものだった。

④傍らに居てくれた妻はそれを「何かの啓示かもしれない」と感じ、私に教えてくれた。  そして、その年のクリスマスの日に「これから何を伝えたいのか、その生き方を見つめ直そう」と二人で話し合い、初心に立ち返りすべてを白紙に戻して考え始めた。  その時に私が出した答えは「学びたい」ということだった。

⑤自分は何も知らなかった事を知った時から、学びの旅が始まった。  思いがけない人との出逢い、今まで読んだこともなかった書物との出逢い、そして上海音楽学院からの教授の依頼・・・。  すべてが次の道を知らせてくれていた。

⑥ある人が私に「なぜ世界の多くの人たちが『昴(すばる)』を愛唱するのか、その理由はもうすぐわかりますよ」という言葉をくれた。  そして2年ほどの時が経ち、中国の江蘇省・南通市(上海の北西約100キロ)のホテルの一室でその瞬間は突然やってきた。  何とも心地よい声が頭の中に響いてきたのだ。  (中略)

⑦その日から私の新しい日々が始まった。  学ぶ喜びを知り、日常がキラキラと輝き始めた。  この本の中にはそんなトキメキのエッセンスがちりばめられている。  不思議とは何だろう?

⑧今まで「不思議だよね」で終わっていた扉を開くとそこには何があるのだろう・・・。  この本の中には、たくさんのジグソーパズルのピースがちりばめられています。』

週末、2年ぶりに青森の安部芳明先生を訪ねました。  谷村さんとも交流があるようで、本書の話をしたら安部先生が「谷村さんは大変勉強家だよ」とおっしゃっていました。

明日から中国・煙台です。  青森は雪が降っていましたが、明日の煙台は最高気温15度・最低気温11度です。

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