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秋季関東大会と孫子

1.昨日は水戸で秋季関東大会です。  城西からも多数の選手が出場しました。  入賞した選手について感じたことを書いてみます。  8面コートで同時進行だったので、もしかすると見逃していたり、記憶ミスがあるかもしれません。  

①中水流梨央(小学2年生女子の部・第3位)・・・いつもながらファイトあふれるアグレッシブな組手でした。  上段回し蹴りの技ありもあり、技術的にも向上が見られます。  ただ、アグレッシブさのあまり背骨を中心とした体軸がブレる(わかりやすく言うと、頭が大きく動く)傾向があり、準決勝ではそこを相手につかれたようにも見えました。

②鈴木麻央(小学5年生男子-35㎏級・第3位)・・・上段の蹴りにキレがありました。  また、相手に押し込まれそうになってもあきらめずに我慢することでその局面を打開することができていました。  今後は突きの強化が課題で、それがあれば組手全体の力強さが増し、蹴りがさらに生きてくるものと思われます。

③庄司宇天名(中学2・3年生男子+55㎏級・準優勝)・・・小学生のころより上段の蹴りには光るものがあり、過去の試合でも序盤はその蹴りを中心に攻勢が続くのですが、中盤以降相手にボディーを効かされたりして失速する試合展開が続いていました。  今回も試合後半で何度か劣勢に立たされそうになる場面も見られましたが、あきらめずに最後まで戦い抜きました。  鈴木麻央同様に突きの強化やウェイトトレーニングによって組手に力強さが出せれば、全日本や国際青少年大会での活躍も期待できるでしょう。

④高橋敏(壮年40歳~44歳-80㎏級・準優勝)・・・準決勝までは高橋さんのアグレッシブさや力強さが前面に出た良い内容だったと思います。  ただ、決勝戦の河元辰朗選手は国際大会でも活躍しているトップ選手なので組手の緻密さの差が出てしまいました。  中水流梨央同様、アグレッシブさのあまり背骨を中心とした体軸がブレるのでそこを修正することと、コンビネーションや受け返しの技術をさらに緻密・正確なものにしていくことが必要です。

⑤菊池伸(一般男子新人戦-70㎏級・準優勝)・・・準決勝までは力強い攻撃的な組手だったのですが、決勝戦ではパワー負けした感がありました。  上段蹴りなどの攻撃の多彩さでも差がありました。  今後、上級の部を目指すのであれば、技・パワー・スタミナのすべての面を向上させるよう稽古することが必要です。

⑥河原瑛里香(一般女子-55㎏級・優勝)・・・今年の極真祭での無差別全日本女子大会で3位に入賞しているのですから勝って当たり前ですし、実際に圧勝だったと思います。  ただ気になったのは、決勝戦であれだけ左の中段廻し蹴りがヒットしていながら相手選手に効いている様子が見られなかったことです。  もちろんスクワットを中心としたウェイトトレーニングで蹴りの威力向上を図ることは重要です。  しかし、どんなに威力があっても、相手が蹴りを察知し腹筋に力を入れればそう簡単に効くものではありません。  要はいかに相手に悟られずに蹴るか、なのです。  もっとわかりやすく言えば、相手が蹴りに気づかず、腹筋の力が抜けているタイミングに合わせて、瞬間的に強い蹴りを入れるということです。   この発想は中段廻し蹴りだけでなく、突きや上段や下段の蹴りでも同様です。  すべからく、相手にわからないように、相手から見えないように攻撃すべきなのです。


2.11月30日のブログで『孫子』を取り上げ、『戦術の要諦』はそのまま『組手の要諦』でもある、と書きました。  10月4日にも紹介した『孫子・呉氏』(村山孚訳 徳間書店刊)の『孫子 一、始計』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①戦術の要諦は、敵をあざむくことである。  

②たとえば、できるのにできないふりをし、必要なものを不要とみせかける。  

③遠ざかるとみせかけて近づき、近づくとみせて遠ざかる。  

④有利とみせて誘い出し、混乱させて撃破する。  

⑤充実している敵に対しては退いて態勢をととのえ、強力な敵とは正面衝突を避ける。  

⑥また、敵を激昂(げっこう・・・ひどく怒ること)させて消耗させ、低姿勢に出て油断させる。  

⑦敵が落ちついていれば、事を構えて奔命(ほんめい・・・忙しく活動すること)に疲れさせ、団結している敵は離間(りかん・・・仲たがいをさせること)させる。  

⑧こうして敵の弱味につけこみ、敵の意表を衝(つ)く。  

⑨これが戦術の要諦であるが、その運用は状況の変化に応じて自在に駆使すべきものであるから、あらかじめ固定してかかるわけにはゆかない。』


3.また、村山さんは注釈的に次のように書かれています。  

『(この内容は)単なる「詐術(さじゅつ・・・人をだます手段)」ではなく、彼我(ひが・・・相手と自分)の力を測定し、それがぶつかりあう場合、われに有利に作用するような物理的な力でない最適なコントロールを加える。  一種の弁証法的な運動法則といってよい。  その有力な手段として心理操作があるのだ。』

瑛里香が何回りも体の大きな外国人選手に伍して無差別の世界大会で戦うには、相手に自分の動きを読ませない・自分は相手の動きがすべて読めている、ことがポイントになります。  2.の文章を何度も読み返し、自分の組手に活かしていってもらいたいと思います。

選手・セコンド・応援の皆さんお疲れ様でした。  次は23日の内部試合ですね。

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