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3つの進化過程、森大夢

1.『運を支配する』(桜井章一・藤田晋著 幻冬舎新書)を読みました。  藤田さんが書かれた部分から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①以前、ネット上の誰かの発言で、ビジネスマンには3つの進化過程があると書いているのを見かけました。

②最初は「自分を相手にどう見せたいか」。  これは一番レベルが低い。  自分のことにしか目がいっていないので、プレゼンで何かを伝えたい、売り込みたいと思っていても、相手には何も伝わりません。

③そこから一つ進化すると、今度は「相手の立場を想像」し始めます。  

④さらに進化すると、「相手から見た自分を想像」できるというのです。

⑤プレゼンを聞くと、そのビジネスマンが3段階のうち、どのレベルにいるのかが一目瞭然です。  まず長い時間、一方的に話す人は間違いなく「自分を相手にどう見せたいか」というレベルにとどまっています。  (中略)  ひたすら自己満足の世界にいるので、相手に言葉は届いていません。

⑥次に相手が何を望んでいるのかヒアリングに力を入れながら、それに応えるようにプレゼンする人は第2段階です。  相手が何を望んでいるのか想像しようと努力しているということです。

⑦さらに第3段階の力がある人になると、相手の立場を想像した上で、自分に何を期待しているのか、自分のことをどう見ているのかを想像し始めます。  そういった人は常に相手から見て心地よい存在となります。』

この内容は組手の進化過程と一緒だと思います。  最初は「自分が相手にどう攻撃したいか」、次に「相手が自分にどう攻防してくるかを想像」する、最後に「相手が自分の攻防をどう想像しているかを想像」できる、ということです。

2.①昨日は西東京都大会でした。  一般・中量級は森大夢が決勝でベイ・ノア選手に本戦・判定勝ちで優勝しました。  

②ベイ・ノア選手はラッシュが得意でトリッキーな技も時々見せます。  2回戦で亘和孝が対戦し、ラッシュからの胴廻し回転蹴りで一本負けしています。  

③大夢も和孝も正攻法の組手です。  正攻法タイプがラッシャータイプに勝つには相手にラッシュさせないような威力のある攻撃が必要になります。  大夢の場合は強い下段廻し蹴りがあったのでベイ・ノア選手のラッシュを止めることができました。  

④和孝は得意とするショートレンジの突きが、相手の長いリーチによるラッシュで抑え込まれ、結局相手ペースの試合になってしまいました。  ロングレンジの攻防にも対応できるよう、蹴りの強化が望まれます。  

⑤今年、法政大学を卒業する森大夢は浜井良顕や大西靖人が作った法政大学同好会を復活させてくれました。  法政大学同好会は初期の城西を支えてくれただけに私としても思い入れがあり、大夢には感謝しています。

⑥ヒロム、優勝と卒業オメデト~!

※余談ですが、亘和孝が今年高校を卒業して法政大学に入学するそうです。  何か不思議だな~(笑)

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白鵬のスロートレーニング

大相撲春場所も今日が千秋楽です。  優勝争いは13勝1敗の横綱・白鵬と12勝2敗の新関脇・照ノ富士に絞られました。  白鵬が優勝すると、6場所連続、34回目です。  最近の白鵬は先場所までの2年間(計12場所)で10回優勝という圧倒的な強さを発揮しています。    

3月19日の日経電子版の特集『スポーツを科学する』のタイトルは『もっと詳しく白鵬、スローな四股が生んだボルト並みの速さ』でした。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①横綱白鵬は、どうしてあれほどまでに強いのだろうか。  先場所に大鵬の持つ32回を上回る史上最多の33回目の優勝を果たした大横綱の強さの秘密を調べてみると、「驚異的な立ち合いのスピード」が一因として浮かび上がる。  中京大スポーツ科学部の湯浅景元教授を訪れた。

②白鵬の立ち合いのスピードを高速度カメラの映像を使って解析してみると、元横綱・千代の富士(31回優勝)の秒速3.9メートルをさらに上回る秒速4.0メートルという驚きの数値だった。  ウサイン・ボルト(ジャマイカ)のスタート直後のスピードは同4.01メートルといい、それとほぼ同じ速さだ。  一般の力士は同2.5~3メートルで、白鵬がいかに鋭い出足で立ち合いを制しているかが分かる。

③白鵬のこのスピードは、どこから生まれているのだろうか。  「その秘密はけいこ場にある」というのが湯浅教授の見立てだ。  白鵬はけいこ場でかなり長時間、四股を踏んでいる。それも、ゆっくりとドスン、ドスンという具合に。

④これは今風の言葉でいうと、スロートレーニングに当たるそうだ。  筋肉は筋線維で成り立っていて、それには速筋と遅筋の2種類がある。  速筋は素早く収縮することができるので、主に瞬発力を発揮するときに使われる。  ゆっくりと収縮する遅筋は主に持久力に関係がある。

⑤ゆっくりと負荷をかけて体を動かすスロートレーニングを行うと、まずは遅筋が疲労する。  その状態でさらにトレーニングを続けると、今度は速筋が疲労してくるそうだ。  つまりスロートレーニングは、遅筋と同時に速筋も鍛えられるのだ。

⑥白鵬は横綱になってからもゆっくりと淡々と四股を踏む。  かなりの回数を、時間をかけて。  このことがスピードを生んでいるのではないか、というのが湯浅教授の見解だ。

⑦このスロートレーニングは一瞬のうちに力を入れるものではないので、ケガをするリスクが比較的小さいという。  白鵬が01年3月の初土俵以来、大きなケガもなくここまできているのは、こうしたことも要因になっているのかもしれない。

⑧それでは、往年の名横綱である双葉山や大鵬の立ち合いはどうだったのだろうか。  高速度カメラで撮影した映像がないので確かなことはいえないが、「それほど速くはなさそうだ」と同教授はいう。』

白鵬の立ち合いが、スピードが売りだった千代の富士より速いとは驚きました。  

湯浅教授がいわれるように大鵬の立ち合いが速かった印象はあまりないです。  相撲ファンの私もさすがに1945年に引退した双葉山の現役時代は観ていません(笑)  

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戦術

三週続けて城野宏さんの著書からです。  『三国志の人間学』(致知出版社刊)の戦術に関する記述を抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.①戦術は固定してはいけない。  固定すると失敗する。  つまり、戦術は縦横無尽、自由自在であって、状況の変化に応じて変えていくだけの見識、頭の柔らかさを持っていないと戦術策定はできません。

②人材の要件としては、そのような柔軟な頭を持っていることであり、自由自在に戦術が変えられる、戦術を無数に持っているということが必要なのです。


2.①戦術の予測というのは必ず外れるものです。  偶然に支配されます。  一種の偶然の積み重ねになってきます。

②戦術が外れたといって悲観する人は仕事をする資格がありません。  戦術は必ず外れるものなので、それを修正する力を持っていなければならないのです。

③外れたら外れたで一つの基準がありますから、それを修正します。  こうしてジグザグの道をいって初めて積み重ねができていくのです。

④戦術を立てて、作戦計画を練り、実行しても、自分の思うようにならなかったと腹を立てる人は、決して成功しません。


3.①戦術というのは、相手がどう動くかをよく考えてきちんと処置すべきです。  こちらがどう動くかというより、こちらの動きによって、相手がどう動くか、これは深い深い心理作戦です。

②相手がどう感じるか、感じたその結果、どう動くか、人間の心の動きの測定なのです。  これは戦術を考えるうえで一番大事なことです。

③相手がどう動くかという心をつかんで、その動きに合わせてこちらの動きをもっていかないと、相手は自分の思った方向に動いてくれません。  相手が動いてくれなければ戦術は成り立たないのです。  (中略)

④相手がどう動くかという心理の測定をして、こちらに有利なように動いてもらおうとするなら、まずこちらがそのように動く、つまり相手の心の動きに沿った処置をとっていくことが必要なのです。


4.①戦術というのは、二重、三重、四重に代案をつくっておかなければなりません。  戦術というのは、うまくいかないのが当然なのです。  

②すべてがうまくいく戦術なんかありません。  相手というのは自分の思う通りに動かないのがふつうです。  うまくいかない戦術が当然でてきます。

③戦争の作戦の場合でも、作戦計画では、ここで敵が出てきてやっつけるということになっていても、案外敵が出てこないかもしれない。  また敵はいないはずだから大丈夫という作戦になっていても、大勢の敵がいて、突撃してくるというのが実状です。

④予定通りいかないのが戦術であり、予定通りにいく場合はよほどの偶然です。


5.①戦術を成功させるためにはどうしたらよいか。  それは必ず代案をつくっておくことです。

②作戦計画を二案、三案、四案とつくっておいて、その場の状況に応じてパッパッと変えていくのが戦術なのです』

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一級・二級・三級の人物

前回も紹介した城野宏さんが書かれた『東西古今 人間学』(不昧堂出版刊)を読みました。  『一級・二級・三級の人物』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①一級人物というのはどういう人かわかりますか。  それは、本人が何もいわなくても相手の気持ちや行動が理解できる人をいいます。  三国志でいえば諸葛孔明や曹操のような人物を指します。

②では二級人物はどうですか。  そうです、相手が説明してくれなくては作戦がたてられない人です。

③三級というのはどういう人ですか。  そうです、説明してもわからない人物をいうのです。  そういう人は、自分のことしか考えない人です。  こういう人は世の中に随分います。  相手のことを考えない、自分のことしか頭にないという人は随分多いんです。

④私がこれまで言ってきたように、老人性饒舌(じょうぜつ・・・口数が多いこと、おしゃべり)症になってはいけません。  こういう人は人の話を聞かないで自分の話ばっかりするんです。  だから相手の気持ちや行動がわからない。

⑤こういうように考えてくると、人の上に立つ人は、あるいは人より優れた人物になろうとする人は、一級人物にならなければならないと思うのです。』 

今日から大相撲三月場所です。  初代・若乃花(後の二子山理事長)を応援していた幼稚園時代以来の相撲ファンとしてはとても楽しみです。

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徳川家康

本郷孔洋先生がブログで紹介されていた『獄中の人間学』(古海忠之・城野宏著 致知出版社)を読みました。  

古海さんは昭和7年に大蔵省から満洲国政府に派遣され、戦後はソ連・中国で計18年の禁固生活を送ります。  城野さんも昭和13年東大卒業後に徴兵で中国に渡り、中国で禁固18年の刑を受けました。  

本書は二人の対談集ですが、徳川家康について語られている部分から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.古海さんの発言
①家康という男はなにか狸親父とかで、ずるがしこく陰険だという風評だが、実際はそうではないね。  意気に感じて命を張る男だよ。  朝倉攻めの時、秀吉と心中覚悟で殿(しんがり・・・軍隊が退却するとき、最後尾にあって、迫ってくる敵を防ぐ役)軍につきあったのはその証拠だし、その前も武田信玄上洛攻勢で、遠江三方原に迎え撃った時もそうだったね。

②近臣連中がとめるのもきかなかった。  当時、天下無敵を誇った武田軍に、何分の一かの兵力で喧嘩を売っている。  命からがら逃げかえってきたけどね。  あの戦さでずいぶん信長を助けた。  結果としては信玄はその後すぐ病気かなにかで死んでいるからね。

③信長を助けたあとは秀吉に命がけで協力している。  たいした男だよ。  偉大なる政治家でもあったけど、その前に命を張って人に協力する男なんだね。  その信頼感は絶大なものだね。  だからこそ最後には政権が回ってきた。  ずるがしこいだけでは関ヶ原は戦えないね。

2.城野さんの発言
①そのとおりですね。  秀吉と家康を比較すると実におもしろい。  秀吉は育ちのせいもあるが、あまり見栄を張る人間ではなかった。  とくに若いうちは。  

②だから朝倉攻めの殿軍を買って出ても、はじめから逃げ得る計算ができていたと思われる。  名誉の戦死などという考えははじめから持っていない。  それにつきあった家康という人間は大きい。  こちらは犬死を覚悟であったと思う。  

③実におもしろいコンビだと思う。  だから家康は秀吉が生きている間は、全面的に豊臣政権に協力している。  狸親父になったのはその後ですね。』

先週の日曜日、テレビ朝日で徳川家康の特番をやっていました。  その中で家康について、(幼少時に人質となっていた)今川義元、織田信長、豊臣秀吉を裏切ることは一度もない『律義者(りちぎもの・・・義理がたく実直な人)』だとしていました。

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