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菅官房長官

4月1日、松井館長と一緒に菅義偉内閣官房長官と食事をさせていただきました。  次回の参議院選挙全国区に自民党から立候補される山田宏先生(前衆議院議員・前杉並区長)の応援がらみです。  菅先生には羽田シゲルが横浜港南支部開設時から後援会長をお願いしています。  また、法政大学・空手部OBで空手道推進議員連盟の会長も務められています。

久しぶりにお目にかかるにあたり、『陰の権力者 内閣官房長官菅義偉』(松田賢弥著 講談社+α文庫)と『政治家の見極め方』(御厨貴著 NHK出版新書)を読みました。  『政治家の見極め方』の中の菅先生に関する記述から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①官邸に集結した官僚たちの政策的合理主義を上からがっちり掌握しているのが、菅官房長官です。  彼は政党にいるかっての「族議員」のような党人脈ではなく、1996年初当選、総務大臣を一回やってはいるものの、安倍さん同様に政治の履歴は浅い。

②したがって、派閥の論理や、旧来の党と官邸の作法に通じていません。  それゆえに従来の政治の文法に縛られることなく、新たな人材登用や政策実現の仕組みを導入できたとも言えます。  つまり安倍政権は政治経験の比較的少ない安倍―菅コンビによって官邸支配に見事成功したと言ってもいいでしょう。

③具体的には、内閣官房に「内閣人事局」を設置して、行政の幹部職員を一元管理した上で、局長級から課長まで主要な人事はすべて官邸で決める。  有能な人材情報をつねに収集し、アメとムチで対処する。  要するに人事でもって官僚の首根っこを押さえ、自在に官僚を操作しているわけです。  (中略)

④菅さんはこれまでの官房長官のように、政治家としてある種の理念なり主張なりがあって政権を運営していくタイプではありません。  官僚の心理を掌握し、より合理的に進めていくための方策に頭脳をフル回転させている「合理主義の権化」のような存在です。

⑤かたや安倍さんは細かいところまでを見て指図できないため、それらをすべて菅さんに一任しています。  菅さんは官僚たちをグリップし、しかも彼の動きを阻むほかの政治家はいないため、彼の差配で全部できてしまう状況にあるわけです。

⑥ぴったり官僚に寄り添って、ときにおだて、ときに脅し、課題ごとにチームを再編成して進めていく作業は、これまでの官房長官にはできなかった芸当でしょう。

⑦そうしたスタイルが三年も続いたため、官房長官の役割がそんなふうに一種構造化したようにも見えますが、では次の内閣の官房長官に同じことができるかといえば、おそらく無理。  あくまでそれは属人的な現象であり、菅さんだからできていることです。

⑧計算ずくの官僚操作術や、合理主義的な発想と技術は、おそらく伝承不能です。  菅さんのやり方を言葉にして本にまとめても、その本はつまるところ菅さんしか使えない〝おひとり様マニュアル本〟です。』 

今年の7月6日には在職日数で歴代最長の福田康夫氏(森・小泉両内閣)の1289日に並ぶそうです。  政治家の失言が目立つ中で、これだけ長期間毎日2回の記者会見をこなしながらほとんど失言が見られないところにすごさを感じます。

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2016国際親善大会

1.4月16・17日、2016国際親善大会が行われました。  入賞した選手についてコメントします。

①小木戸 瑛斗(型12歳~14歳)・・・準優勝
 技の緩急・強弱が明確で、体幹の安定感がありました。  フィジカル(肉体的)な足腰の強さとともに、型稽古の数も相当にやりこんでいることが感じられました。  型は型自身だけで成り立つものではありません。  その型を実際に相手との組手で使った場合に相手を倒すだけの威力があることが前提です。  それがないと単なるダンスになってしまいます。   その点で、瑛斗の型は型試合に出場した他の選手のお手本となると思います。

②諸岡 幸乃(組手6歳女子)・・・優勝
 力強さが感じられる組手でした。  今後学年が上がるにつれ選手数が増加することが予想されます。  まずは来年の連覇を目標に稽古に励んでもらいたいと思います。

③中水流 梨央(組手9歳女子)・・・優勝
 昨年の全日本大会に次ぐ優勝です。  相当に実力を付けてきたな、という印象を受けました。  大山倍達総裁は「3連覇してこそ本当のチャンピオンだ」と常々言われていました。  おごることなく稽古に励んで国際親善大会の3連覇を目指しましょう。

④福永悠萊(10歳女子-35)・・・第3位
 急速に力を付けてきました。  今年から土曜・新宿の選手稽古にも参加し、中水流 梨央と一緒に稽古していることが大きいと思います。  どの武道でもスポーツでも同じですが、強くなる一番の近道は強い選手と一緒に稽古することです。  次は優勝目指して頑張りましょう。

⑤中水流 嘉臣(壮年35~39歳-80キロ)・・・第3位
 同クラスの日本人選手の中ではパワーがある方ですが、準決勝で対戦した外人選手にはパワー負けしました。  ウェイトトレーニングにも取り組んでいると思いますが、最も重要なことは継続です。  少しでも休むと、筋力は落ちてきます。  世界チャンピオンを視野に入れた継続的なウェイト・トレーニングが課題です。

⑥林 秉天(壮年40~44歳-70キロ)・・・準優勝
 決勝戦の序盤、実力的には林さんの方が上だと見ていました。  相手選手は攻撃のたびに体軸が左右にぶれるので技で崩せると感じたからです。  しかし、結果は相手選手のパワーに押し切られてしまいました。  攻撃の3要素として技・パワー・スタミナがあります。  その3要素すべてでまさっていれば、よほどのポカをしない限り負けることはありません。  しかし、1要素でも劣っていると負けてしまうことがあります。  具体的に言うと、技・スタミナでまさるA選手とパワーでまさるB選手が戦った場合、技・スタミナでパワーを封じ込めてA選手が勝つケースだけでなく、パワーで技・スタミナを封じ込めてB選手が勝つケースもありえます。
 
中水流さん・林さんだけでなく、今回の壮年大会出場選手全員に言えることですが、継続的なパワートレーニングが若干不足しているように見受けられました。  城西の各常設道場にはウェイトトレーニングの器具があります。  あとは意識改革だけです。


2.初日が終わった後、入賞できなかった選手に次のような話をしました。

『長い空手修業の途中では勝つことも負けることもある。  負けた時にくじけて修行をやめれば負けだが、やり続ければ負けではない。  負け続けていても最後に勝てば「勝ち」なのだ。  要は「勝つまでやり続ける」ことだ。  城西の代表選手でも、少年部時代になかなか勝てなったがあきらめずに続けていたら過去に負けた選手にも勝てるようになった、という例はたくさんある。』

今回負けた選手と次に当たったときには勝てるよう、自分の映像を見て自分と相手選手をよく研究し、足りなかったものをこれから身に付けていくのだという意識を持って、毎日稽古していくことが肝心です。


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セコンドの言葉

(1)『ボクシング世界図鑑』(ハリー・ムラン他著 エクスナレッジ刊)を読みました。  過去の世界チャンピオンや世界タイトルマッチの逸話がたくさん載っていてボクシングファンの私にはたまりません。  トレーナーに関する部分から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.1994年4月、イベンダー・ホリフィールドの持つヘビー級王座に挑戦したマイケル・モーラーは、8ラウンド終了後のトレーナーの激烈な言葉のおかげでチャンピオンになれたといっても過言ではない。  

2.(トレーナーの)テディ・アトラスは気性が激しくケンカっ早いことで知られていた。  まだ10代だったマイク・タイソンにボクシングを教えていた頃、あることで口論となり、タイソンの頭に銃口を突きつけたことがあるほどだ。  ぴりっとせず、試合に集中できずにいるモーラーの姿に、そんなアトラスが怒りを爆発させるのは時間の問題だった。

3.重い足どりでコーナーに戻り、椅子に座るモーラーを見るや、アトラスはリングに飛び乗り、仁王立ちで、モーラーの顔のすぐそばまで自分の顔を近づけると、独特の言い回しで怒りをぶちまけた。  後に人に知られるようになるこのときの彼の言葉は、映画『波止場』(1954年、マーロン・ブランドがボクサーくずれの役でスターダムにのし上がるきっかけとなった映画)の有名なセリフから始まる。

4.「この程度なら俺だってやれただろうよ。  俺に戦ってほしいか、どうなんだ?」アトラスは叫ぶように言った。

5.「①俺に代わってほしいのか、どうだ、本気でそう思っているのか?  いいか、よく聞け、誰にも心を決する時は巡ってくる。  心を定めるんだ、戦って、生き残ろうとな。  戦って、あいつに勝とうと心に決めるんだ。  そんな及び腰で中途半端に戦ってどうする。  攻め込まれるのは当たり前だ。

②お前には勝てる力が十分にある。  自分をごまかすな。  必ず後悔するぞ。  お前は自分を見誤っている。  このままにしたら、俺だってお前を騙したことになる。

③これじゃ明日には悔しさしか残らないぞ。  そうなりたくはないだろう、どうなんだ?  だったら自分の気持ちに素直になれ。  正面から戦うんだ、最後まで」

6.この言葉を心に留めたモーラーは、ついに判定勝ちを収めた。』

選手がその潜在能力を十二分に発揮するために、セコンドが時としてこうした言葉によって叱咤激励をすることも必要ですね。  でも、銃口を突きつけるってすごいな~(笑)

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「Do Your Job」

1.今日は『Fight&Life』の取材です。  城西初の全日本チャンピオン・大西靖人の特集記事について舟橋賢(法政大学同好会OBで大西の後輩)が宮地編集長とともに下高井戸まで来てくれました。

2.その中で「Do Your Job」という話をしました。  私が応援するNFLニューイングランド・ペイトリオッツのビル・ベリチックHC(ヘッドコーチ)が試合前のミーティングでも試合中でもよく選手に話す言葉です。  直訳すると「自分の仕事をしろ」ですが、「それぞれが自分のやるべきことを確実にやり、チームメイトに迷惑をかけるな」ということだと思います。

3.2015年2月7日付けの『アメフトNewsJapan』というサイトでペイトリオッツが優勝した昨年の第49回スーパーボウル試合中のベリチックHCのコメントを見つけました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①(シアトル・シーホークスの)WRダグ・ボールドウィンがタッチダウンを決め、第3Q残り5分を切って24ー14の10点差へ引き離されたペイトリオッツ。  ビル・ベリチック監督がディフェンスの選手を相手に、今季のチームのテーマでもある「Do Your Job」に触れながら熱弁をふるった。

②「みんな、(ディビジョナル・プレーオフ第3Q残り7分過ぎ28ー14から逆転勝ちした)レイブンズ戦で話したのと同じことだ。  それぞれの役割を果たすだけだ(「Just Do Your Job」)。  新しいプレーをやられているわけじゃない。  QBをコンテイン(阻止)して、バックフィールドへ入り込め。  ちゃんと手を使ってプレーしていないから、腕が上ずっている。  

③スクリメージ(スタート)ラインから前に押し込め。  RBマーション・リンチを封じ込むんだ。  マンツーマンのカバーを徹底しろ。  謎めいたことなど何もないんだ。  互いを信じ(「Trust Each Other」)、それぞれが役目を果たすだけだ(「Just Do Your Job」)」』

4.チームスポーツではメンバーがそれぞれの役割を徹底してやり遂げることでチームとしての能力が最大限に発揮されます。  空手のような個人競技では個々の選手の能力発揮に重点が置かれるわけですが、最近それに関しては若干疑問に思っています。  空手の選手についてもチームメイトとの関係において、多分にチームスポーツ的な要素があるのではないかということです。

5.かっての城西では大西と小笠原、増田と黒澤のそれぞれが日常的に一緒に稽古するということはありませんでした。  お互いに全日本のトップを狙うライバル同士だから手の内を見せることはありません。

6.ところが、最近の城西の選手は日常的にトレーニングを共にします。  これはこれで時代の流れですし、苦しい時にお互いが励まし合うなどメリットもたくさんあります。  しかし、教えてもらうのではなく自分で工夫する、人が見てないところでコツコツやるなどという面では若干甘さを感じます。

7.「チーム城西」として戦うのであれば、先輩は先輩として、後輩は後輩として、一緒に出場する選手の足を引っ張らないような自覚が必要だと思います。  さらに言えば、チームメイトを勇気づけるような試合をする必要があります。  

8.これは試合だけに限ったことではありません。  普段の練習態度、練習量、技や稽古内容についての創意工夫など日常生活全般にわたります。

9.選手だけでなく我々指導者も含め、「Do My Job」(チームメイトを勇気づけ啓発するよう、自分のできることを精一杯やる)という姿勢が徹底した時、チーム全体のパワーが最大になります。  今日の取材では最近感じているそんなことも話しました。  

10.今年の支部応援Tシャツ案の胸には「TEAM JOSAI」の文字がありました。  「チーム城西」の参考になればと思い「Do Your Job」というありかたについて書きました。      














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