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北方先生・小嶺監督・カーティス教授

最近の新聞のインタビュー記事から抜粋し、番号を付けて紹介します。

1.北方謙三先生(朝日新聞朝刊連載「人生の贈りもの」全14回・・・5月1日第6回分より)

『①売れない小説を書き続けている私を、30年前に亡くなった親父(おやじ)は快く思ってなかったはずです。  それでも当時、「同じところで10年耐えていたら、人は変わるんだ」と言ってくれた。  「こっちの気持ちも知らないで」と反発しましたが、結局その通りになりましたね。

②《大学卒業後、100本書いて採用された小説は3本。  しかし、その3本が若い編集者との出会いにつながる。  今なお親密なつきあいが続く、集英社の山田裕樹さんだ》

③何度か話してみると、ヘミングウェーやヘンリー・ミラーといった私が好きな作家を読み込んでいる。  読書の趣味が合うわい、と相談したんです。  「エンタテ(エンタメ)をどう思いますか。あれなら500枚くらい書けるんですが……」  30歳を過ぎたころです。  (中略)

④彼は「まず見てみないと」と言ってくれた。  で、書いた。  500枚どころか1000枚ほど。  エネルギーがありあまってたんですね。  彼に見せると、「あなたは純文学をやるべきではありません」なんて言う。  いい気分でいると、「でも、こんなに長いのは出せません。  もう1本書いてください」と。  書きましたよ。  今度は550枚。  すると彼、こう言った。

⑤「これ、いいです。  でも私は下っ端なので出版できるかどうか約束はできない。  小舟に乗った気でいてください」

⑥「小舟」は頑張ってくれたんです。  550枚の原稿用紙を1枚ずつコピーして3束つくり、編集だけでなく宣伝関係の部署に持ち込んだ。  それがデビュー作『弔鐘(ちょうしょう)はるかなり』になるんです。』


2.小嶺忠敏監督(元・国見高校サッカー部監督・・・日経新聞夕刊「人間発見」全7回・・・4月28日第5回分より) 

『①《国見高は全国選手権を6度、制した。  特に、2000年度からの4年間で3度優勝。  インターハイも通算5度、制覇した。》

②どうやったら優勝できるのかは分かりません。  大切なのは指導陣があらゆる準備を怠らないことです。  相手をしっかり分析し、長所を消すにはどうしたらいいかを考え抜きます。

③国見のサッカーを批判する声は耳に届いていました。  ロングボールを多用するのは古くさいと言われました。  しかし、自分のチームの力が一番、分かっているのは私です。  東福岡高校のようにパスをつなげる選手がそろっているなら、そうします。  そうではないのに理想ばかり追っても仕方がありません。

④私は戦術ありきで、選手を枠にはめるようなことはしません。  時間を掛けて選手を観察し、性格も含めて特徴の把握に努めます。  いくつかのポジションでテストしたうえで選手を組み合わせ、持ち味を生かしたサッカーをします。

⑤優勝すると生徒は有頂天になります。  そこが危険なところです。  私はロッカールームに戻ってワイワイやっている生徒たちに「ストップ。  ここが人生で最も大事なところだ。  テングになってダメになった人間をオレはたくさん見てきた」と諭します。  高校の優勝が人生のゴールではありません。  私自身も優勝したら自分を引き締めます。』


3.ジェラルド・カーティス氏(米コロンビア大学名誉教授。  1964年に初来日し、日本政治を研究し続ける。・・・日経新聞5月12日夕刊より)

『①――3年3カ月の旧民主党政権の失敗があった。

「非常に残念だ。  僕は自民党がそれほど人気だとは思わない。  選択肢の中でベターなだけ。  旧民主党の失敗は日本の歴史にとって不幸だった。  失敗の一番の理由は官僚の扱いが下手だったこと。  『政治主導』を掲げて官僚を追い出したが、政策を作った経験がないからわからない。  官僚の反発も呼んだ。  鳩山内閣で本当の力を持ったのは小沢一郎氏。  裏権力ではなく堂々と表で勝負すべきだった」

「運も悪かった。  東日本大震災が起こり、福島の原発事故で菅直人首相が批判を浴びた。  だが原子力村をつくったのは自民党であり、民主党ではない。  菅直人氏のしたことは悪いこととは思わない」

②――安倍首相は運がいいのか。

「政治で成功するには運も必要だ。  安倍さんはいろんな意味で運がいい。  野党があまりにも弱く、自民党にも対抗馬がいない。  中国や北朝鮮への懸念で、安定政権も求められる。  しかし、運がいいのと、運を上手につかむかどうかは別の問題。  安倍さんは運を上手につかんでいる」』

今回は私自身の備忘録として三つ取り上げました。  でも、北方先生の連載にある「小舟に乗った気」って(笑)

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