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セコンドの言葉

(1)『ボクシング世界図鑑』(ハリー・ムラン他著 エクスナレッジ刊)を読みました。  過去の世界チャンピオンや世界タイトルマッチの逸話がたくさん載っていてボクシングファンの私にはたまりません。  トレーナーに関する部分から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.1994年4月、イベンダー・ホリフィールドの持つヘビー級王座に挑戦したマイケル・モーラーは、8ラウンド終了後のトレーナーの激烈な言葉のおかげでチャンピオンになれたといっても過言ではない。  

2.(トレーナーの)テディ・アトラスは気性が激しくケンカっ早いことで知られていた。  まだ10代だったマイク・タイソンにボクシングを教えていた頃、あることで口論となり、タイソンの頭に銃口を突きつけたことがあるほどだ。  ぴりっとせず、試合に集中できずにいるモーラーの姿に、そんなアトラスが怒りを爆発させるのは時間の問題だった。

3.重い足どりでコーナーに戻り、椅子に座るモーラーを見るや、アトラスはリングに飛び乗り、仁王立ちで、モーラーの顔のすぐそばまで自分の顔を近づけると、独特の言い回しで怒りをぶちまけた。  後に人に知られるようになるこのときの彼の言葉は、映画『波止場』(1954年、マーロン・ブランドがボクサーくずれの役でスターダムにのし上がるきっかけとなった映画)の有名なセリフから始まる。

4.「この程度なら俺だってやれただろうよ。  俺に戦ってほしいか、どうなんだ?」アトラスは叫ぶように言った。

5.「①俺に代わってほしいのか、どうだ、本気でそう思っているのか?  いいか、よく聞け、誰にも心を決する時は巡ってくる。  心を定めるんだ、戦って、生き残ろうとな。  戦って、あいつに勝とうと心に決めるんだ。  そんな及び腰で中途半端に戦ってどうする。  攻め込まれるのは当たり前だ。

②お前には勝てる力が十分にある。  自分をごまかすな。  必ず後悔するぞ。  お前は自分を見誤っている。  このままにしたら、俺だってお前を騙したことになる。

③これじゃ明日には悔しさしか残らないぞ。  そうなりたくはないだろう、どうなんだ?  だったら自分の気持ちに素直になれ。  正面から戦うんだ、最後まで」

6.この言葉を心に留めたモーラーは、ついに判定勝ちを収めた。』

選手がその潜在能力を十二分に発揮するために、セコンドが時としてこうした言葉によって叱咤激励をすることも必要ですね。  でも、銃口を突きつけるってすごいな~(笑)

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