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日本長寿企業の源泉

『韓非子』(守屋淳著 日本経済新聞出版社)を読みました。  

1.本書中の「日本長寿企業の源泉」の項に『商人の知恵袋』(青野豊作著 PHP文庫)からの引用があります。  番号を付けて紹介します。

『①元禄の時代は、今日でいうと高度成長の時代で経済繁栄が続いた。  その中で元禄の商人たちはかってない繁栄を味わい、なかでも紀伊國屋文左衛門に代表されるような特権商人らは幕府の権力者と結びついて巨額の富を築いた。

②元禄から享保にかけての激しい経済変動の中で、かっての特権商人は相次いで没落し、京都だけで五十数家もの豪商が没落している。

③しかしその一方で三井、住友、白木屋、大丸だの元禄末期以降に抬頭した〝新興商人〟らは生き残り、また多くの老舗も生き残った。

④しかもそればかりでない。  かれら享保の商人たちはやがて〝商人の江戸時代〟さえも築き上げるほどの実力をみせはじめた』


2.本書中の1の引用に続く部分から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①元禄時代というのは、バブルのような経済成長に沸き立っていた。  しかし、この時期は日本中で開発が進み、しかも幕府は鎖国政策をとっていた。  このため、パイがそれ以上増えないという限界に直面してしまう。  そして、これ以降に誕生した商家では、「家訓」を作ることが一般的になった。

②「家訓」に書かれている内容の多くは、「信用を大切にして、家業を末永く受け継ぐように」といったもの。  つまり江戸時代において「空間的なパイが広がりにくい」という現実に直面したとき、『論語』的な価値観を入れて「時間的に継続していくのがよい」「代々つないでいくのがよい」という方向に転換を遂げたのだ。  これを、「永続主義」という。

③そうした組織の成員のモチベーションのもととなるのは、パイが増えることではなく、お客様からの感謝や厚い信頼に応えること、そして、その集団の中で、後世語り継がれる存在になることでもあった。  日本に、世界的に見ても百年以上続く長寿企業が多い背景には、この価値観がある。

④そして、「永続主義」をとる商家には「家訓」に象徴される理念や規範があるが、それはあくまで「継続」という土台の価値観を支えるための手段として生まれてきたことに注意が必要だ。

⑤ちなみに、江戸時代のこうした商家では、「から傘商売」なる手法をとっていたところもあった。  景気がいいときは、傘を開くように事業を多角化し、逆に景気が悪くなると、不景気下でも生き残れる事業に選択と集中をかけて、傘をすぼめてしまう。  また景気がよくなると多角化し・・・。  この繰り返しで、長く継続していくわけだ。』

私が不動産コンサルティング会社を立ち上げてから、来年の8月でちょうど30年です。  「百年以上続く長寿企業」って、あと70年ですから大変なことですね。

ちなみに、わが社にも社訓があります。  ホームページに書いてありますが、『カキクケコ』つまり『感謝・勤勉・工夫・倹約・貢献』です。  ゼンジュウロウ、知っているのかな~(笑)

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