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パラダイム・シフトと世代交代

『ミライの授業』(瀧本哲史著 講談社)を読みました。  コペルニクスについて書かれた部分から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①コペルニクス(1473~1543)は、1000年以上にわたって信じられてきた「天動説(地球を宇宙の中心だとする説)」に対して、地球は宇宙の中心ではなく、太陽のまわりを回っているのだとする「地動説」を唱えた天文学者です。(中略)

②20世紀を代表するアメリカの科学史家、トーマス・クーンはコペルニクスの時代を丹念に研究した結果、驚くべき結論にたどり着きました。

③コペルニクスの地動説は、彼の死後1世紀あまり、ほとんど賛同者を得られなかった。  ニュートンの仕事(「万有引力の法則」など)も、主著『プリンキピア』が出てから半世紀以上、一般の支持を得られなかった。  ダーウィンの進化論だって、すぐに受け入れられたわけではない。

④それでは、こうした世界をひっくり返すような新説は、いつ、どのタイミングで、どのようにして受け入れられていくのか?  彼の結論は「世代交代」です。

⑤つまり、天動説を信じる古い世代の大人たちは、どれだけたしかな新事実を突きつけても、一生変わらない。  なにがあっても自説を曲げようとしない。

⑥地動説が世のなかの「常識」になるのは、古い世代の大人たちが年老いてこの世を去り、あたらしい世代が時代の中心に立ったときなのだ。  「世代交代」だけが、世のなかを変えるのだ。・・・・・・と、そんなふうに言うわけです。(中略)

⑦トーマス・クーンは、これを「パラダイム」という言葉で説明しました。  パラダイムとは、簡単にいうと「ある時代に共有された常識」といった意味の言葉です。(中略)

⑧そして古いパラダイムが、あたらしいパラダイムに移り変わる(パラダイム・シフト)ためには「世代交代」が必要である。  古い世代の人たちに世界を変える力はない。  世界を変えるのは、いつも「新人」なのだ。・・・・・・トーマス・クーンは『科学革命の構造』という著書のなかで、次のように結論づけています。

⑨「このようなあたらしいパラダイムの基本的発明を遂げた人は、ほとんど、非常に若いか、パラダイムの変更を促す分野にあたらしく入ってきた新人かのどちらかである」  「明らかに彼らは、通常科学の伝統的ルールに縛られることがなく、これらのルールはもはや役に立たないから外のものを考えよう、ということになりやすい」』

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