PREV | PAGE-SELECT | NEXT

啐啄同時

1.啐啄同時(そったくどうじ)、という言葉があります。  辞書で引くと、次のように書いてあります。

①大辞林・・・禅で、機が熟して悟りを開こうとしている弟子に、師がすかさず教示を与えて、悟りの境地に導くこと。

②広辞苑・・・禅宗で、師家と弟子とのはたらきが、合致すること。

③故事ことわざ・慣用句辞典・・・逃してはならない、絶好のチャンス。  両者の気持ちが、ぴったり合うタイミング。  卵の中の雛(ひな)が成熟し、孵化(ふか)しようとして、殻(から)の内側をつつく音が啐(そつ)、それに応じて、母鶏(ははどり)が外から殻を突き破って、孵化を助けるのが啄(たく)。  「 啐 」 の音は 「 サイ 」 、 「 ソツ 」 は俗音(ぞくおん)。

2.空手の指導においても、啐啄同時というのは大切です。

 日常の指導というのは、個人の特性を重視しながらも、形式的・慣行的に行います。  

 しかし、特定の選手に対して、本質的な部分を指摘・指導しようとする場合に、選手本人に受け取る準備ができていないときもあります。  そのようなケースでは、時期を待つことも、指導者にとって必要になってきます。

3.つまり、選手本人が、自ら 「 気づく 」 まで、指導者がじっと待つということも必要なんです。

 もちろん、指導者からすれば、 「 なるべく早く、気づかせたい 」 のですが、あせると雛が孵化する準備が整わないのに、母鶏が殻をつつくことにもなりかねません。

4.日曜日の朝、日本テレビの番組で、徳光和夫さんがプロ野球・楽天イーグルスの野村克也監督にインタビューしていました。

 徳光 「 監督に必要な資質とは、どんなことですか? 」

 野村 「 最近、監督業というのは 『 気づかせ業 』 だと思うようになりました。  上から教えるのではなく、いかに選手自身に気づかせるか、そのために何をするか、だと思います。 」

 さすが、名監督ですね。

 ※携帯では 「 ソツ 」 の漢字が表示できませんでした。 口偏に卒業の 「 卒 」 です。



TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT