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(22)昭和57年 トレーニング理論

1.支部道場をスタートして、4年が経ちました。  全日本大会での実績は、まだ無かったものの、6回行われた首都圏交流試合で、4回優勝者を出すところまで来ていました。  試行錯誤(しこうさくご)しながらも、トレーニングに関して、少しづつノウハウが蓄積されてきました。

2.その頃分かってきたことを、書いてみます。

①試合に勝つには、肉体的(フィジカル)な面と精神的(メンタル)な面の両面を強化する必要があります。  特に、肉体的な面の強化なくして、精神的な面のみでは勝てません。  例えば、下段蹴りに対するスネ受けをしないで、根性だけで戦っていても、いずれ蹴られた部分にダメージがたまってきます。

②肉体的な面は、技とパワー(力)とスタミナの3面から考えます。  つまり、対戦相手より3面すべてがまさっていれば勝てる理屈です。  逆に、3面の中の1面でも相手に劣っていれば、負ける可能性が出てきます。  例えば、相手より技とスタミナがまさっていたとしても、パワーでつぶされる可能性があるのです。

③技のトレーニングは、攻めの稽古と受けの稽古が考えられます。  攻めの稽古は一つ一つの攻撃技の稽古と、それを組み合わせたコンビネーション稽古です。  受けの稽古も一つ一つの受けの稽古と、受けに攻めを組み合わせた受け返し、あるいはカウンターの稽古です。

④技のトレーニングは、まず、基本的な反復稽古で体に覚えこませます。  次に、お互いに力をセーブしたスパーリングで実際に使ってみます。  もし、矯正すべき点があれば、また反復稽古に戻ります。  基本的な反復稽古でできない技がスパーリングで使えることはありません。  ましてや、思い切り技を当て合う試合で使えるわけがありません。  よく試合で、セコンドから「スネ受け!」と声がかかるケースを見かけます。 それは反復回数が足りないために、クセ付けされていないのであって、試合になって急にできるものではありません。

⑤パワートレーニングには、いかに重い重量を挙げるかという最大筋力トレーニングと、ある一定の重量のものをいかに数多く挙げるかという筋持久力トレーニングがあります。  直接打撃制・体重無差別の試合で戦うことを前提とすると、まず最大筋力トレーニングに力を入れるべきでしょう。

⑥スタミナトレーニングは極真空手の試合時間、本戦3分、延長戦2分、再延長戦2分の合計7分間、フルに動けるように、心肺機能の強化を図るトレーニングです。  陸上競技で言えば、1500メートルから3000メートルぐらいの距離を、全力で走るようなスタミナが要求されます。  実際にはランニングやサンドバッグトレーニングを行います。  サンドバッグは3分5ラウンド、インターバル20秒で行っていました。  スタミナトレーニングについて、私は「心臓に焼きを入れる」と言う表現で説明しています。 

⑦トレーニング頻度(ひんど)についてですが、全日本大会で上位を狙うような選手を前提とすると、技とスタミナのトレーニングは週1日の休養日以外は毎日行うべきでしょう。  パワートレーニングは筋肉の休養が絶対条件なので、1部位のトレーニングは週2~3回が限度でしょう。

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