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竹内均先生

 東大名誉教授で、地球物理学の世界的権威である、竹内均(たけうちひとし)先生が翻訳された、サミュエル・スマイルズ(1812~1904)の『自助論』(三笠書房刊)を読みました。  竹内先生の訳者解説を、抜粋して番号を付けて紹介します。

『①今から140年以上も前に、出版された本である。  明治4年には、その日本語訳が『西国立志編』と』題して出版されている。  

 『西国立志編』は、福澤諭吉の『学問のすゝめ』と並んで、明治の青年たちによって広く読まれ、当時の日本で、総計100万部ほど売れたと言われる。  「天は自ら助くる者を助く」という独立自尊のスローガンが、明治の青年たちを奮い立たせたのである。

②スマイルズがこれらの本を書いた頃のイギリスは、世界最強の国であった。  (中略)  

 世界で最も強かっただけでなく、この頃のイギリスは、世界中から集めた富をかなりじょうずに使って、世界の文化に貢献した。  このような最盛期のイギリスを支えたのは、自助の心をもったイギリス国民であった。

③この本の原題ともなっている自助とは、勤勉に働いて、自分で自分の運命を切り拓くことである。  つまり、他人や国に頼らないことである。  これを現代流にいえば、自己実現ということになるだろう。

 私の理解では、自己実現とは、(1)自分の好きなことをやって、(2)十分に食うことができ、(3)のみならずその結果が他人によって高く評価されることである。

④そして、その方法としては勤勉・正直・感謝以外に無い、と言うのが私の結論である。  この中では、もちろん勤勉が最も需要である。  ともかく、大きい夢を描き、その夢の実現に向けて、倦(う)まずたゆまず働くことである。

 「天は自ら助くる者を助く」・・・こういう人を天は助ける。  彼の夢は、いつの間にか実現する。  世の中に、これほど確かなことはない。  そういう意味では、この世は因果応報・善因善果・悪因悪果の世である。』

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