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田辺聖子先生

1.朝日新聞夕刊の、今週の『人生の贈りもの』という連載インタビューは、作家の田辺聖子先生です。  昨日のタイトルは、『毎日晩酌、毎日バラ色』でした。  抜粋して紹介します。

『ーーー田辺さんのエッセーを読むと、落ちこむことが全然なくて、苦労を苦労と思われないみたいなところが、ある気がするんですけれど

「そんなに、厚かましくないわよ。  落ちこみますよ。  小説でも、なかなか考えが浮かばないとか、よくあります。  こんな状態で書いてても、あんまりパッとしないなあ、とか考えながら書いていると、『あ、三べん目のやり直しや』ということも、しょっちゅう。  部屋のなかで、『やりましょう、やりましょう、さあ、やりましょう』なんて、自分で大声で、歌ってやってます。」  (中略)

ーーー色紙に「まいにち ばらいろ」と書かれますね

「あの言葉を見ていると、なんか幸せになるでしょ。  やっぱり、言魂(ことだま)っていうだけあってね。  魂を持っています。  匂いとかね、波動を発してますよ。  ものすごくきれいな言葉を使って、みんなが美しく元気が出て、ほかの人にちょっと親切にしよかって気が起きたりする。  ちょっとでええねん。  せっかくのきれいな優しい日本語だから。  新しい筆なんかおろして、なるべくきれいに書いて贈るの。  ああ楽し。」』

2.数年前に、日経新聞の連載『私の履歴書』を、田辺先生が書かれている時期がありました。  印象に残っている記述があります。  次のような内容だったと思います。

『子どもの頃、よく自宅に借金取りが来た。  ある年末、借金取りが取立てに来たので、家族全員(母親と兄弟姉妹?)で息を潜めて、居留守を使っていた。  しばらくすると、借金取りがあきらめて帰って行った。

その途端、家族の誰からともなく、笑い声が起きた。  本当に悲惨な状況になると、なぜか笑いが起きるという、不思議な体験をした。』

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