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半藤一利先生『日本よ、平和な国であれ』

1.『日本史はこんなに面白い』(半藤一利著 文藝春秋刊)という本を読みました。  作家の半藤(はんどう)先生が16人の方々と日本史について対談されています。

2.半藤先生は1930年生まれの78歳です。  8月4日から8日までの日経新聞夕刊の『人間発見』という連載でも、『日本よ、平和な国であれ』というタイトルで話をされています。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①十数年前ですが、ある女子大で昭和史の講義をしました。  そのとき、アメリカと戦争をしたことを知らない学生が2割以上もいたのには参りましたね。  「この国の将来は困ったもんだぞ」と。

歴史を知るということは何も物知りになることではなくて、日本人とはどういうものかを知ることなんです。  危機に直面したときにどう選択し、どう考えたのかが分かる。  「人間学」です。  その教訓は昭和史の中に山ほど転がっている。  だから「昭和史を学びなさい」と盛んに言うんです。  (中略)

②天皇の聖断や原爆、ソ連の満州侵攻など日本の終戦を様々な角度から見た本を書きました。  終戦にこだわるのは、戦争に負けたときほど日本人が精神の根っこをさらけだしたときはないと思うからです。  鈴木貫太郎のように素晴らしい精神性を見せた人もいたし、だらしないのもいた。  日本人とは何かがよく分かるんです。  (中略)

③戦後日本人が一生懸命働いて豊かになり、世界に誇るに足る国をつくり上げることができたのは軸があったからです。  それは平和主義、平和憲法だったと思いますよ。  

それがバブル崩壊以降、どんどん希薄になっていったような気がします。  通り魔事件などが起きるのを見ると、この国は破壊しているのではと感じます。  国家が浮遊していると思いますよ。

④国家目標がなくなりましたね。  もう一回つくり直さないと。  私たちのときは廃墟からの復興と繁栄という目標がありました。

目標を考える際は国力をリアリズムで考えないといけない。  戦前の日本人がいかに自分の国の国力を知らなかったか。  「無敵の陸軍と連合艦隊がいる」それだけでした。

⑤若い人達にはこれから何を国家の機軸とするのかを考えてほしいですね。  私は平和主義という機軸はまだ十分に賞味期限があると思っています。』  

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