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鳥飼重和先生『鳥飼日記』

8年ほど前、公認会計士の本郷孔洋先生から招待されて、弁護士の鳥飼(とりかい)重和先生との隅田川花火の宴席に飛び入り参加させていただいたことがあります。  鳥飼先生のブログ『鳥飼日記』の12月13日分を、長文ですが抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①「鳥飼日記」は、当初は、1,2ヶ月で終わらせる予定のものであった。
ところが、それを息子が熱心に読んでいることを女房から聞いた。
そのときから、息子の将来役に立つことを書き残しておこうと思うようになった。
一種の遺言書のような気持になって書くことも多くなった。
            
②人間には、強いタイプの人と弱いタイプの人がいる。
鳥飼日記は、弱いタイプの人向けのものを書いた。
私も、息子も、弱いタイプの人間だからである。
もともと、強いタイプの人は、ブログを読んで影響を受けるはずもない。
           
③強いタイプは、意志が強く、自分で決めたことは無理なくやりぬくタイプである。
こういうタイプの人は、意志強固で、努力を努力と思わない強さがある。
こういう人たちは、比較的スムーズに社会的に成功するのは容易だ。
ただ、強いタイプというだけでは、大成するかには疑問がある。

③弱いタイプは、意志がそれほど強くないタイプであり、実行力に問題がある。
だが、自分の弱さを自覚し、それを知恵や他の人の協力で乗り越えられる。
人間の本質や自然の摂理を利用することで幸福や成功することができる。
他人の弱さも分かるため、個人的な意味では幸福を得やすいタイプである。

④本当に強い人間なら、縁起を担ぐ必要はない。
強い意志と実行力で、どんな困難でも乗り越えることができるからである。
ところが、弱い人間は、困難に出会うと実行力が鈍ったり、迷ったりしがちだ。
そういうときに、縁起を担いだり、知恵を用いて、困難を乗り越えることになる。

⑤しかも、弱い人間は、弱い人間なりの工夫で、幸福や成功に恵まれることができる。
そのための考え方を述べたのが、鳥飼日記である。 (中略)

⑥日頃から、息子に、自分の考えと力で、世の中を生きることが人生だと伝えてきた。
親の財産や力を当てにする人生は、つまらないぞ、と言ってきた。
自分の考え方ひとつで、自分の納得のできる人生を創れるし、そのほうが人生として楽しいのだと、言ってきた。  (中略)
            
⑦後は、ブログでは書けなかった、残り20%の部分を伝えるだけである。
これは、これから、必要に応じて伝えればいいことであるから気楽である。
息子へ財産を残そうとする人が多いが、息子に生きるときの考え方を遺す、つまり、一種の考えることの遺伝子を遺す方が良いのではないだろうか。
         
⑧これは、万人が平等に子孫に伝承できることでもある。
日頃思うのであるが、財産や事業を残す人だけに遺言書が必要なはずがない。
財産も事業も残さなくても、人生を生きてきた以上、親の遺伝子たる遺言を遺せる。
実際、子供にとって重要なのは、生きる遺伝子ではないだろうか。

⑨その遺伝子が、後世の人々の無限の能力を刺激し、人類の進歩に貢献する。
日記を残す現在の心境からは、そんな気がする。
今の世相は、人間の考える遺伝子を忘れ、財産という有限なものに制約されている。
精神的な奴隷制度は残っているのかもしれない。』

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