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畑村洋太郎先生『回復力』

『回復力』(畑村洋太郎著 講談社現代新書)を読みました。  東京大学名誉教授の畑村先生の専門は失敗学、知能化加工学、ナノ・マイクロ加工学です。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①程度に差はありますが、失敗したときには誰だってショックを受けるし傷つきます。  本人は気づかないかもしれませんが、直後はエネルギーが漏れてガス欠状態になっています。  こういうときに失敗とちゃんと向き合い、きちんとした対応をしようとしても、よい結果は得られません。

②大切なのは「人(自分)は弱い」ということを認めることです。  自分はまだ失敗に立ち向かえない状態にあることを潔く受け入れて、そのうえでエネルギーが自然に回復するのを待つしかないのです。

③不思議なもので、人はエネルギーが戻ってくると、困難なことにも自然と立ち向かっていけるようになります。  これは人間がもともと持っている「回復力」の為(な)せる業です。

④回復に必要な時間は人によっても失敗の種類・大きさによってもまちまちですが、エネルギーが回復すると必ず自発的に行動したくなります。  そうなるのをひたすら待つのが、遠回りのようですが、実は最善の策なのです。  (中略)

⑤「失敗とは真正面から向き合うべき」「失敗と向き合っていれば必ず道が開けるはず」と考えて頑張ろうとする人もいます。  しかし、このように無理して自分を鼓舞し続けるのは、自滅の方向に追い込んでいるのと同じことです。  

⑥なぜなら失敗に立ち向かうエネルギーがないのに、無理矢理エネルギーを絞り出すことを自分に強いているからです。  そのようなことを続けていたら、もともと減っているエネルギーがすぐに涸(か)れ果ててしまいます。  

⑦苦しいときにも頑張って、一時的に無理をするというのは、確かに窮地から脱するひとつの方法です。  ただし、この方法が使えるのは自分にまだエネルギーが残っているときに限られます。』

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