2009.02.25 Wed
村山雅美・元南極観測隊隊長
毎朝事務所に着いてから少しずつ読んでいる本の一つに『千年語録』(サライ編集部編 小学館刊)があります。 今日は村山雅美(まさよし)さんの項を読みました。 村山さんは第1次南極観測隊から7回にわたり極地を訪れ、うち3回の越冬隊長を務められました。 1968年の第9次隊長のとき、雪上車で日本初の南極点踏破を果たしています。 抜粋し、番号を付けて紹介します。
『(1)リーダーシップ
①リーダーの条件は、決断力ですね。 もちろん精神力も体力も、強いに越したことはない。 僕は、人間の判断力にそれほど違いはないと思うんです。 冷静に考えれば、ほとんど同じような結論に落ち着くものです。 ところが切羽詰ると、それができなくなっちゃう。 ですから、追いつめられたときの多数決は、大変危険です。 気弱になった集団の多数意見は、往々にして誤る。
②細心の注意と大胆な行動、そして油断大敵の心得がリーダーには必要でしょうね。 危ないのは帰路です。 成功したことで、つい気がゆるんでしまいがちです。 冒険や探検の一番の眼目は、「生きて帰ること」なんですから。
(2)能力
我々の踏むプロセスは、きわめて常識的です。 その結果が「前人未到の大冒険」などといわれるにすぎない。
(3)境地
なぜ冒険するのか。 ひとつには、未知なる体験への好奇心です。 いわば怖いもの見たさですね。 もうひとつは、ある極限を突破すると、また新たな目標を見出してしまう。 これこそ、人間の底知れぬ能力だと思う。 実感的にいえば、人間は困難を突破すると、「生きている充実感」を感じる動物なのでしょうね。』
『(1)リーダーシップ
①リーダーの条件は、決断力ですね。 もちろん精神力も体力も、強いに越したことはない。 僕は、人間の判断力にそれほど違いはないと思うんです。 冷静に考えれば、ほとんど同じような結論に落ち着くものです。 ところが切羽詰ると、それができなくなっちゃう。 ですから、追いつめられたときの多数決は、大変危険です。 気弱になった集団の多数意見は、往々にして誤る。
②細心の注意と大胆な行動、そして油断大敵の心得がリーダーには必要でしょうね。 危ないのは帰路です。 成功したことで、つい気がゆるんでしまいがちです。 冒険や探検の一番の眼目は、「生きて帰ること」なんですから。
(2)能力
我々の踏むプロセスは、きわめて常識的です。 その結果が「前人未到の大冒険」などといわれるにすぎない。
(3)境地
なぜ冒険するのか。 ひとつには、未知なる体験への好奇心です。 いわば怖いもの見たさですね。 もうひとつは、ある極限を突破すると、また新たな目標を見出してしまう。 これこそ、人間の底知れぬ能力だと思う。 実感的にいえば、人間は困難を突破すると、「生きている充実感」を感じる動物なのでしょうね。』