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工藤公康投手『現役力』

プロ野球記録の実働28年目、現役最年長の45歳、横浜ベイスターズの工藤公康投手が書かれた『現役力』(PHP新書刊)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①「後輩達の未来が見える」  最近ぼくは、こんな言葉を使うようになりました。  それは、いままでに多くの後輩たちを見てきて、自分が経験してきたことを併せてデータ化した結果、道半ばにして辞めていった人間と、よくなった人間との境界線を知るにいたったからなのです。  (中略)

②もっとも陥りやすい落とし穴が、自分の過去の栄光をどうしても捨てられないことだと思うのです。  (中略)  身体が日に日に衰えているにもかかわらず、よかったときの自分しか見えていない。  成功していたときにやっていたトレーニング方法とか、キャンプの過ごし方を、いつまでも同じように続けようとする。  年齢を重ねているにもかかわらず。  (中略)

③「工藤さん、いいときのイメージをもってやろうとするのは、大事なことじゃないですか」

「大事だよ」

「じゃあ、そのときのイメージでキャンプを送れるんだったら、同じようにいいシーズンを送れるんじゃないですか」?

「じゃあ、そのとき20勝した人間は、永遠に20勝できるのか」

「いや、そんなことはないですけど、でも、2、3年は続きません?」  そんなのんきなことを平気で口にするのです。

「続かないのがプロだろ。  相手はおまえのことをもう知りつくしているんだ。  知らないうちは、どうにか抑えられる。  でも、相手は必ずおまえのことを研究してくる。  同じレベルで戦ったら、今度は打たれるに決まってない?  たとえ去年と同じくらいスピードもキレもあったとしても、同じでいるうちは打たれるでしょ。  それがプロというものなんだよ。  だから新しい球種を覚えたり、コントロールに磨きをかけたり、それまで投げなかった組み立てをしたりして、すこしでも現役の寿命を延ばそうと努力するものなんじゃないの」  (中略)

④そうした後輩たちの少なくない数が、それでもなお自分を変えようとせずに、いつのまにか辞めていく。  気づかないことは致命的なのです。  せっかく潜在能力がありながら、大切なことに気づかないために、みずから道を閉ざしてしまう。  ほんとうに残念です。  でもこれが、その人間の未来を分ける残酷な境界線なのです。』

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