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桜井章一さん『人を見抜く技術』

『人を見抜く技術』(桜井章一著 講談社刊)から抜粋し、番号を付けて紹介します。  副題は『20年間無敗、伝説の雀鬼(麻雀の鬼)の「人間観察力」』となっています。

『①中国に古来から伝わる代表的な武道のひとつに太極拳がある。  太極拳の動きはみなさんご存じのように、ゆっくりとした静かな動きの連続だ。  あのしなやかな動きを体現するには、体力のみならず、精神面や呼吸法といった内面的な鍛練もかなり必要とされる。  あの動きにも〝剛〟を制する〝柔〟の強さの秘密が隠されている。

②柔らかい動きは、同じ力を出すにしても、余分な力を必要としないため効率がよくスタミナ切れもしにくい。  動きの〝省エネ〟といってもよいだろう。  さらに、柔らかい動きは次の動きに入りやすいし、相手の変化にもついていくことができる。

③私が考える勝負の三原則は「臨機応変」「適材適所」「柔軟性」だ。   臨機応変はどんな状況にも動じず冷静に対応するということ、適材適所はその場その場にふさわしい行動、動きをとらなければならないということ。  そして最後の柔軟性は、肉体的な柔軟性ということではなく思考的な柔軟性、「どう攻めようか、どう受けようか」という考え方の柔らかさを示している。

④つまり動きの柔らかさとともに、思考の柔らかさも持っていなければならないということなのだ。  ところが日本では、トップアスリートと呼ばれる人たちの中にも、これが固いままでトレーニングを積んでいる人が少なくない。

⑤思考の固い人は筋肉や関節の動きなど体のいたる箇所が硬い。  そして体の硬い人は心も固くなってくる。  「固い意志」を持つことが日本では美徳とされるようなところがあるが、本来は柔軟な「柔らかい意志」のほうがいい。

⑥アスリートでも、精神的、肉体的に柔軟性を欠いているために、才能があるにもかかわらず伸び悩んでいる人もたくさんいる。  柔軟性というのは、あらゆる勝負事においてとても大切な要素なのだ。』

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