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植島啓司先生『偶然のチカラ』

関西大学教授で宗教人類学者の植島啓司先生が書かれた『偶然のチカラ』(集英社新書)から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①「いい流れには黙って従う」のが得策である。  あまり幸運が続くと、次は不運がやってきそうで不安になり、別の流れに乗ろうかと迷うケースがしばしばある。  しかし、いかなるときでも、好ましい流れは自分から放棄してはならない。  

②もし流れが悪くなったら、そのとき初めてどうすればいいのか考えればいいことで、自分から動いてはいけないということである。  あくまでもわれわれが運命を引っ張るのではなく、運命がわれわれを導いてくれるように、さりげなく振る舞うことが肝心なのである。  (中略)

③いいときは、未来は決まっているように見える。  だが、悪いときは未来は一瞬にして闇のなかに閉ざされてしまう。  そんなときにじたばたして資格を取ろうとしたり何か努力しなければいけないと考えるのは誤りだ。  悪ければ悪いほど、これまでの自分のままでそれに対処していかなければならない。

④では、そういうときにいったいどうすればいいのだろうか。  人類の歴史が教えるところに従えば、そういうときには、逆説めいて聞こえるかもしれないが、「自分をなくす」ことがもっとも理にかなった行動となる。

⑤「自分」を前面に押し出すほど周囲が見えなくなってくる。  そんなときには、自分を限りなく縮めていって流れを見やすくするのである。  逆にいうと、あまり自分に固執してばかりいると、もっと別の力が入り込む余地がなくなってしまうということである。』

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