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赤瀬川原平さん『ため息の効用』

昨日の日経新聞夕刊に『ため息の効用』というインタビュー記事が出ていました。  インタビューに答えているのは作家・画家の赤瀬川原平さんです。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①未曾有(みぞう・・・きわめて珍しいこと)の経済危機で地球のあちこちから、ため息が漏れている感じがする。  半世紀ほど前から積極的にため息をついてきた人物に登場してもらい、薀蓄(うんちく・・・深く研究して身につけた知識)を傾けてもらおう。  (中略)

②「二十歳のころ、友人と二人で意識的にため息をついた時期がありました。  美術学校の貧乏学生でした。  東京の湯島天神の近くにある店舗装飾の会社でアルバイトを始め、何とか暮らしていけるめどが付いた。  やれやれ、という気持ち、それにやせていて疲れやすい体質が、意識的にため息をつきやすくしていたように思います。」    

③ため息仲間のU君も同じ学生アルバイト。  彼は肥満体だったので、体格的にため息が出やすかったようだ。

「近くの食堂で昼食を食べ終えて、アーア。  坂道を上り終えて、アーア。  交差点で立ち止まっても、アーア。  二人でわざと声を出してやっていたものだから、会社でお茶を入れてくれるおばさんに注意される。  それがまたうれしくて、アーア。  へそ曲がりの美大生が、ほかに手段がないので、ため息でリズムを作ろうとしていたんですね。」  (中略)

④(ため息は)赤瀬川さんの人生にとって、どんな意味を持つのでしょうか?

「携帯のビール。  私はそんな風にとらえています。  仕事を終えて、やれやれとか、とりあえずとか、言って飲むビールはうまいですね。  人間は日々、無意識に呼吸をしています。  その中に、ビール的な呼吸を潜(ひそ)ませアクセントをつけるということです。」  (中略)

⑤ため息には様々な効用がある。

「私の体験では・・・。  心身が疲れたときに、深いため息をつき、さらに追い打ちをかけるように、あとからもう一度ついてみる。  実際の疲れ以上にため息をつくと、ため息が疲れを追い越していくんです。  疲労回復にプラスに働くんですね。  これが第一とすれば、第二の効用は、生活にリズムとか区切り、メリハリをもたらすことです。」』

日曜日は川嵜雅央が責任者を務める城西国分寺支部・南大沢道場の道場開きです。  よい週末を。

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