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清水義範さん『日本は小さくない』

5月25日の日経新聞で作家の清水義範さんが『日本は小さくない』という文章を書かれていました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①日本を小さい国だと思っている人が、どうも多いような気がする。  (中略)

②だが実際には日本は小さな国ではない。  もちろん、ロシア、カナダ、中国、アメリカ、ブラジルなどの面積の大きい国(この5国が上位5位)とくらべれば日本は小さいが、世界には日本より小さい国がいっぱいあるのだ。  今、世界には193の国々があるのだが、日本はその中で面積で62位の国である。  驚くなかれ、上位3分の1に入っているのだ。

③そして、人口の多さで比べれてみると、日本は世界で10位なのである。  (中略)  人口の多さで上位5国を並べてみると、中国、インド、アメリカ、インドネシア、ブラジルである(2005年の統計)。  それらの国よりは少ないが、冷静に見て日本はかなり人口の多い国なのだ。

④もう一度面積で考えてみよう。  ちなみに、日本をヨーロッパの国々とくらべてみる。  ヨーロッパの国々で日本より大きいのは、まずロシアとウクライナ。  これは元ソ連の、とびぬけて大きな国だから納得できる。  それに次ぐのが、フランス、スペイン、スウェーデンだ。  日本より大きな国はそこまでである。  

⑤あとのヨーロッパの国々はすべて日本より小さいのである。  東西が統一したドイツも日本よりちょっと小さい。  フィンランドもポーランドも日本より小さく、イタリアやイギリスなどはかなり小さいのだ。  (中略)

⑥世界の東の果てにある島国だという地理的要因と、長らく鎖国をしていたという歴史的要因のせいで、世界の中に日本を入れて考えるのが我々は苦手なのであろう。  世界とうまくつきあえない、この特殊な国ニッポン、という意識があるのだと思う。

⑦そのことからある種の劣等感さえ生じて、「こんなちっぽけな日本ですから・・・」という意識になるのだと思うが、我々は特殊だ、という感覚は奇妙な優越感につながることもある。  「この小さな国ニッポンが、世界有数の経済大国で文化レベルも高いのだ、見くびるんじゃないぞ」みたいな、我々は特別、という意識もちょっとあるのではないか。

⑧だからこそ、ことさらに日本を小さいと考えるのはやめようよ、と私は言いたい。  日本はまあまあの国土と、かなりの人口を持つ国である。  それ故の責任と自負を持って、世界の国々のひとつとして冷静に存在したいものだ。』

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