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五木寛之先生『人間の運命』

『人間の運命』(五木寛之著 東京書籍刊)の「あとがきにかえて」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①思うとおりにならないもの、というのが私の人生に対する見方である。  そして、このことをはっきりと認め、目をそらさずに直視することからしか人は行動できないのではないか。  

②ありのままの現実を、勇気をもってはっきり認めることを、「あきらめる」という。  諦(あきら)める、という言葉を、私は自分流に読みかえて、「明(あき)らかに究(きわ)める」と読んでいる。  

③どんない嫌なことでも、不快なことでも、そこから目をそらすわけにはいかない。  しっかりと現実をみつめ、そのありのままの姿を見定めることが第一歩なのだ。

④運命とは何か、運命は変えることができるのか、という主題は、繰り返し古代から考察されてきた。  (中略)

⑤運命に身をまかせる気はない。  しかし、運命に逆らうこともできない。  そこでできることは、ありのままの自己の運命を「明らかに究める」ことだけだ。  自分の運命をみつめ、その流れをみきわめ、それを受け入れる覚悟をきめることだけである。

⑥そのことによってのみ、運命にもてあそばれるのではなく、運命の流れとともに生きることが可能になるのではないか。  私は、やっといまそんなふうに前向きに運命について感じられるようになってきた。』

五木先生の最近の著書はほとんど読んでいます。  12歳のときに、太平洋戦争の敗戦を平城(へいじょう・・・現在の朝鮮民主主義人民共和国の首都ピョンヤン)で迎え、2年後に内地(日本)に引き揚げてきたという過酷な体験が、先生の思想のベースになっているようです。  

読んだ後にスッキリするというより、何かどんよりと重い気分になることが多いのですが、それを通り越すとお腹の底から勇気が湧いてくるような気がします。

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