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小泉十三さん『頭がいい人の文章の書き方』

『頭がいい人の文章の書き方』(小泉十三と日本語倶楽部著 河出書房新社刊)から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.書き出しは印象的で短いほうがいい

①書き出しが決まれば、その小説は書けたも同然。  (中略)  どこの小説家がいったのかは知らないが、この言葉は、世の小説家たちが、いかに書き出しで悩みつづけたかを雄弁に物語っている。  (中略)

②それでは、なぜ、書き出しがそれほどむずかしいのか。  それは、書き出しは、その小説のアイデンティティーの表明だからだ。

③舞台では、ある役者が登場したとき、服装、振る舞い、歩き方、しゃべり方によって、一瞬にして、そのキャラクターがどんなものであるかを表明する。  書き出しは、それに似ている。  だから、書き出しは、強烈で印象的で、かつ短いほうがいい。  

④なかでももっとも肝心なのは「短い」ということだ。  登場の印象は、一瞬にして決まるのである。

2.名作古典の書き出しの例

①「メロスは激怒した」(太宰治著 『走れメロス』)

②「山椒魚(さんしょううお)は悲しんだ」(井伏鱒二著 『山椒魚』)

③「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」(川端康成著 『雪国』)

④「ある日の夕暮れのことである」(芥川龍之介著 『羅生門』)

⑤「ある日のことでございます」(芥川龍之介著 『蜘蛛の糸』) 

3.読点(とうてん・・・「、」のこと)の打ち方の基本

①文章が並立するときは、そのあいだに打つ。・・・(例)「酒を飲んだり、タバコを吸ったり」

②限定したり条件をつけたりするときには読点を打つ。・・・(例)「酒を飲むまえに、胃薬を」

③時や場所、方法を示す語句のあとには読点を打つ。・・・(例)「会議に出席するさい、書類は準備する」

4.漢字とかなは意味によって使い分ける

①「物」と「もの」・・・漢字の「物」は具体的な物や品を表すとき、ひらがなの「もの」は抽象的なものを指すときに使う。・・・(例)「物を運ぶ」 「物を選ぶ」 「ものわかりが悪い」 「ものにする」

②「時」と「とき」・・・特定の時期や時点を指すときは漢字の「時」、状況や仮定、条件を表すときは、ひらがなの「とき」を使う。・・・(例)「時には遊びも必要だ」 「松井がホームランを打ったその時」 「お金がないとき」 「裸足で走ったとき」

③「方」と「ほう」・・・人の場合は「方」、方角の場合は「ほう」を使う。・・・(例)「学校の方(学校関係の人)」 「学校のほう(学校のある方角)」』

大分過ごしやすくなってきました。  明日は善十朗の優勝祝賀会です。  よい週末を。

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