PREV | PAGE-SELECT | NEXT

ジョアン・サルバンスさん『バルセロナの育成メソッド』

スペインのプロサッカーチーム・FCバルセロナのカンテラ(下部組織)元監督、ジョアン・サルバンスさんが書かれた『史上最強バルセロナ 世界最高の育成メソッド』(小学館新書)から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①指導者にとってすべての選手は特別な存在である。  だから指導者は、それぞれの選手が何を持っていて、これから何が必要かを探し出してあげなければならない。  その上で一人ひとりに適したメニューを用意する必要がある。  Aという選手には有効なメニューが、Bにはまったく不要というケースがある。

②わたしはサッカーにおけるすべてのプレーは、トレーニングによって上達できると考えている。

③サッカーに無数の状況がある以上、メニューが尽きてしまう心配はない。  指導者に学習意欲さえあれば、毎日新しいトレーニングメニューは浮かんでくるものだ。

④重要なのは、すべてのメニューをよい感覚のまま終えることだ。  極端なたとえになるが、フォワードがシュートを20本外し続けたら、21本目に決めたところで終える。

⑤モチベーションとコンセントレーション(集中)は、反比例の関係にある。  モチベーションが高まり過ぎると集中を失う。  やる気があり過ぎて、過緊張の状態になった子供が大きなミスを繰り返してしまうのを見ればわかりやすいだろう。  監督にとって大切なのは、モチベーションと冷静さがバランス良く保たれた状態で、選手達を送り出すことなのである。

⑥ボージャン・クルキッチには最初からはっきりと伝えた。  「君に要求するものはものすごく高い。  それはわかってくれ。  他の選手たちの目標は、プロの選手になることだ。  でもキミの場合は、カンプ・ノウ(FCバルセロナのホームスタジアム)で満員の観衆を沸かせることだからな。」

⑦ジオバニの弟ジョナサン・ドスサントスには、こう励ました。  「今、キミはジオバニの弟かもしれない。  でもいつかジオバニがキミのお兄さんだと言われるようになる日が来るよ。」  私はドスサントス一家と同席した食事中に、あえてこの話をした。  監督が、それだけ能力を認めてくれていることがわかれば、ジョナサンも自分の力を信じてがんばれる。  またそれを聞いたジオバニにも励みになる。  

⑧「気持ちで負けた」というのは安易な分析である。  指導者ならもっと現実的な敗因をしっかりと探すべきだろう。

⑨どんな素晴らしいプレーも、その第一歩は真似ることだ。  だから私は、トレーニングの最中に頻繁にトッププレーヤーの名前を出すようにしている。

⑩指導者は、選手を引き上げるためにも、常に最高峰の試合を見てプレーをチェックしておく必要がある。

⑪トレーニングがうまくいかないのは、生徒ではなく、指導者の側に責任がある。

⑫アドバイスはなるべく端的な言葉が良い。  的確に伝えられないようなら、アドバイスは送らないほうが良い。』

⑫に関して、本書中の「(ジョアン・サルバンスさんが現在コーチを務める)東海大学菅生高校中等部・藤原利文監督の証言」から抜粋して紹介します。

『子供たちが、ジョアンのたった一言のアドバイスで、今までできなかったテクニックを習得してしまう。  例えばシュートをふかしてしまう子に「かかとを上げろ」、ボレーが合わせられない子には「自分のポイントまで待て」とひと言伝えてあげる。  (中略)  本当にその一言だけで子供が一変してしまうんですよね。』

TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT