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オノ・ヨーコさん『笑い顔』

昨日に続いて『笑顔』の話です。  昨日の朝日新聞夕刊にアーティストのオノ・ヨーコさんが『笑い顔』という文章を書かれていました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①辛(つら)かった。  夫(ジョン・レノン)に突然(1980年12月8日)、死なれてしまったのだ。  (中略)

②鏡に映った自分に驚いた。  口が「への字」に下がり、世にも悲しい顔なのだ。  これはいけない。  息子のショーンも心配させたくない。  

③そう思って口の両端を上げてみた。  毎朝、鏡に向かって笑う努力をした。  はじめは不自然だったのに、慣れてくると自然に見えるのが不思議。

④でも、目が笑っていない。  (中略)  「ママ、何してるの?」 「ショーンちゃん、おはよう!」  彼は私の顔を探るように見ていた。  子どもはだませない。

⑤春が来た。  公園に梅が芽吹いている。  東京も同じだろうか。  そう思いながら、帰って鏡を見ると、目も笑っていた。  ショーンがまた見上げている。  「ママ、とってもきれいだよ」 しっかり抱きしめた。

⑥どん底の苦しみの中では、誰だって鏡を見るのも嫌だろう。  でも、無理にでも見てほしい。  「嫌な顔」だと思うかもしれない。

⑦違う。  自分の顔は自分で作る。  そうして立ち上がるのだ。  口だけでなく目で、顔だけでなく下腹から、やがて体中で笑う自分に気づくはず。

⑧口だけの笑いは人のため。  体全体の笑いは自分のため。  悲しみから楽しみの人生に変えるための笑いなのだ。

⑨「何だか楽しそうね。  どうしたの?」 「別に・・・・・・」。  私はただ、自分の未来に向けて笑っているだけなのです。』

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