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吉村仁先生『強い者は生き残れない』

『強い者は生き残れない』(吉村仁著 新潮選書)を読みました。  静岡大学大学院教授・吉村仁先生は進化理論の研究者です。  「まえがき」から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①人間もまた、「進化と絶滅」を繰り返している。  最もわかり易い例が、企業の経済活動だろう。  

②たとえば、銀行。  今から30年前に、三井銀行と住友銀行が合併するなどと、誰が想像できただろうか。  (中略)  ホンダ日産、あるいはトヨタ日産なるメーカーが誕生する日はそう遠くないと私は思っている。  いや、たぶん、JALANAという航空会社が誕生する方が早いのだろう。  (中略)

③少し前まで、ライバル関係にあり、つばぜり合いを演じていたこうした企業が、なぜ掌を返したように協力し合うのだろうか?  それは結局、「生き残るため」の選択なのである。  (中略)

④生物が経てきた40億年という歴史の長さを考えれば、彼らの方が人類よりはるかに大先輩である。  生物史が私たちに教えていることは、気の遠くなるような長い年月、生命(遺伝子)というバトンを渡し続けている生物は、決して「強い者(=ある時点での環境適応度の高い者)」ではないという事実である。

⑤今、この惑星に生き残っているのは、「環境の変化に対応して生き残ってきた者たち」だった。  この本を書く動機は、環境変動が進化にどのようにかかわっているかを少しでも明らかにしたかったからだ。

⑥そして、「いかに環境の変化に対応するか」でもっとも有効な方法のひとつが、「他者と共存すること」なのである。』

進化論といえばチャールズ・ダーウィン(1809~1882)が有名です。  本書中の記述によると、『ダーウィンの生きた19世紀には、「自然選択(=生物が環境に選ばれること)」は変化しないというような考えが広く信じられていたが、自然選択はいつもダイナミックに変化しているのだ。」とのことです。

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