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米長邦雄先生『人物三等』

昨日紹介した『呻吟語』の中の『人物三等』について日本将棋連盟会長の米長邦雄先生が1993年に書かれた『運を育てる』(クレスト社刊)にわかりやすく出ているので、抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①(東燃の社長・中原伸之さんから伺った『呻吟語』の中の『人物三等』について)その言葉が腹に落ちなかった。  第三等の資質、聡明才弁、これはわかった。  頭がよくて弁舌さわやかならば役に立つ。  優れた人物である。  ただし、それは三番目だと言う。  ないよりはあったほうがいいが、三つの資質のうちでは最下位だ。

②その上の資質、第二等は、なんと磊落豪雄。  人間は頭ではなくて肚(はら)だ。  秀才、エリートは効率よく仕事をこなすが、何かあるとポキリと折れる。  それよりは、少々荒っぽくとも、すべてのことを呑み込める男がいい。  手酷(ひど)いダメージを受けて、皆がショボクレているときに、カッカッカッと笑った者が親分になる。  そういうことだろう。  竹の子のように真っ直ぐすくすくと伸びていける、というのなら話は簡単だが、失敗と挫折を繰り返すのが人生だ。  そんなとき、磊落豪雄は宝である。

③ところが、第一等の資質、深沈厚重とはどんなものか、どうもピンと来ない。  そこで、どういう意味ですかと聞いてみた。  「そうだねぇ・・・。  たとえば会って話をしてみたけれど、何だこの男は、ちっともとらえどころがない。  もしかしたら馬鹿じゃないか。  そう見える人間。  まあ、大平正芳みたいな男だね」  石油会社の経営者だからか、中原さんは当時の通産大臣(後の総理大臣)の名を挙げて笑った。  そうか、大平正芳のような男か。  ウシみたいなのが第一等の資質なんだろうか。』

よい週末を!

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