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堺屋太一先生『歴史の使い方』

1.『歴史の使い方』(堺屋太一著 日経ビジネス人文庫)を読みました。  2004年に講談社から出版されたものを文庫化したものです。  講談社版も読んでいますが、たった6年前なのに内容をほとんど覚えていませんでした(恥)。  本書中の『はじめに』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①「賢者は歴史に学び、愚者は体験に従う」とは鉄血宰相といわれたドイツのビスマルクの言葉だ。  人は成功体験に溺(おぼ)れやすく、危機経験に脅(おび)えつづける。

②歴史は成功が失敗の父であり、失敗が成功の母であることを教えてくれる。  人は成功体験には警戒し、失敗の経験こそ活(い)かすべきなのだ。  高度成長の成功体験とバブル弾けの失敗体験を持つ今の日本は、歴史を知り歴史に学ぶべきであろう。

③歴史がそのまま繰り返されることはない。  人類の文明を性格づける人口と資源環境と技術が、昔に戻ることはないからである。  しかし、人間性はさほど変わらず、組織の原理と経済の変動は循環するものとすれば、相似た事象は似たように進むのも不思議ではあるまい。

④歴史のアナロジー(=類推)は、歴史に学ぶ警告であって、未来の予測ではない。  歴史に学ぶとは、歴史を使って現実を判定することであって、歴史を真似ることではない。』

2.1月4日から15日までの日経新聞・経済面の『やさしい経済学』は東大の山内昌之教授が『歴史に学ぶ「戦略的思考の本質」』というテーマで書かれていました。  その中でも、歴史に学ぶことの有用性についての記述があります。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①戦争という愚行は、歴史の偶然と人間の判断のミスマッチで引き起こされた。  それだけに、平和に向けた教訓を歴史から学ぶことは、複雑な政策や経営の方針を決定するリーダーシップと戦略的思考を深める一助ともなるだろう。

②平和への道筋を素描するには、それなりの戦略的思考が必要となる。  それは歴史から学べるものだ。

③予測不可能な世界の未来を分析する戦略的思考にとって、歴史は依然として知の宝庫なのである。』

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