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池澤夏樹先生『聖書』

小説家の池澤夏樹先生と聖書学の権威である秋吉輝雄先生との対談集『ぼくたちが聖書について知りたかったこと』(小学館)を読みました。  池澤先生が書かれた『まえがき』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①若い時からずっと、ぼくは宗教に関心を持ってきたが、その関心はついに哲学の範囲にとどまって信仰に到達しなかった。

②いくつもの宗教を覗いてきたが、それらは啓示宗教とそれ以外にはっきり分かれている。  ユダヤ教・キリスト教・イスラム教が啓示(・・・人の力では知り得ないことを神が教え示すこと)の宗教であり、それ以外はそれ以外だ。  この三つは歴然と他と異なっている。

③五年ほど前からフランスで暮らして、キリスト教が(いわば人が生きる現場で)機能する場面を多く見てきた。  弊害について論は無数にあるけれども、しかしカトリックの信仰に支えられて誠実に生きる人々にも何度となく会ったのだ。

④キリスト教の前にはユダヤ教がある。  その後にはイスラム教が生まれた。  ユダヤ人のいない西洋史はありえない。  文化に対して、あれほど少数の人々があれほど大きな影響を与えた例は他にないし、それは今も続いている。  イスラエルなき現代史は意味を成さない。

⑤すべての源泉は聖書だ。  旧約と新約。  古い約束と新しい約束。  神と人の間の契約。  こういうことについて一定の知識を得てはじめて、世界の正しき姿が見えるだろう。』

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