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伊集院静さん『作家の愛したホテル』

伊集院静さんのエッセイが好きです。  『作家の愛したホテル』(日経BP社)の「銀座のカウンター(帝国ホテル東京泊)」の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①あれは何年前だったろうか、夕刻から雨が降り出して、ホテルの部屋の窓に雨垂れが流れ出した。  私の部屋は角部屋で大きな窓から日比谷の映画街が見渡せた。  ぼんやりと眺めていた径に雨宿りをしている女性の姿が目に止まった。

②――どこかで見たような立ち姿だ。

③その人は私の友人の奥さんだった。  友人は数年前に亡くなっていた。  傘がなくて困っているのだろうか、と思っていると、小走りに彼女に近づいてくる人の姿があった。

④ひょろりと背が高いうしろ姿で、友人の長男だとわかった。  大きくなったな、と妙な安心と、この光景を友が目にすることができたら、とせんかたなき感情が湧いた。

⑤その夜、私は友人とよく出かけたバーで飲んだ。  銀座が似合う男だった、とつくづく思った。  いつか友人の息子と飲む機会があれば、そのバーに彼を連れて行ってやりたい気がする。』

昨日は久しぶりに遅くまで飲みました。  午前中は二日酔いでしたが、この文章を読んだら、今夜もまた飲みに行きたい気分になりました。  イケナイ、イケナイ(笑)。

明日は建国記念日です。  よい休日を。

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