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加賀乙彦先生『不幸な国の幸福論』

小説家で精神科医でもある加賀乙彦(かが・おとひこ)先生が書かれた『不幸な国の幸福論』(集英社新書)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.子供の秘密を暴いてはいけない

①子供が秘密をもったら、親はその子が自立心を養いはじめた証(あかし)として喜ぶべきなのです。  親を信頼していれば、子供はタイミングを見て自分から秘密を打ち明けるものなのです。  安易に子供の秘密を探り暴くことは、そういうチャンスを潰(つぶ)し、親に対して抱いていた信頼感を損ねることにつながります。  

②また、子供が親に秘密を打ち明ける楽しみ、言い換えるなら、愛情を表現する機会を奪うことでもある。  そして何よりも、その子が自我を確立していく妨げとなり、自立心や独立心の芽生えを摘み取りかねないのです。

2.幸福を定義してはいけない

八十年の人生のなかで読書を重ね、自分なりに考えた果てに気づかされたことがあります。  それは、幸福を定義しようとしてはいけない、幸福について誰かがした定義をそのまま鵜呑(うの)みにしてはいけないということ。  幸福とはこういうものだと考えた途端、その定義と自分の状態とを引き比べ何かしらのマイナスを見つけてしまう傾向が私たちにはあるのですから。

3.自分を客観視する眼差し

「○○より幸せ」という考え方は、いとも簡単に「○○と比べたら不幸」へと寝返ってしまうものです。  もし(本書中の例の)Nさんが、他者との比較で自分を評価するという考え方にとらわれ続けていたなら、日本に帰って一ヶ月もすれば、また我が身の不幸を嘆く生活に戻っていたでしょう。  Nさんを変えたもの、その一つは彼女の内側に生まれた「自分を客観視する眼差し」だったと思います。

4.人生の一部として「今、ここ」を眺める

①残念ながら、いじめというのは人間性の本質に根ざした問題であり、決してなくならないものなのです。  いつの時代にも、どこの国に行ってもいじめはある。  大人の世界にもいじめはあります。  むしろ、いじめはあって当然と考え、いじめに負けない心の免疫力を上げていくことが大事なのではないでしょうか。  

②長い目で物事を見、考える癖をつけると、心の免疫力は確実にアップします。  人生という長い時間の一部として、自分を主人公にした長編小説でも書いているようなつもりで「今、ここ」を眺めてみる。  そうすれば、それまでどっぷりとつかっていた苦しみを、ちょっと引いて見られるようになります。』

明日は都合によりブログをお休みさせていただきます。

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