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林望先生『節約の王道』

『節約の王道』(林望著 日経プレミアシリーズ)を読みました。  序章の『井原西鶴から知る「金持ちになれる妙薬」』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。  

『①かの有名な井原西鶴の「日本永代蔵」。  その中に、「金持ちになる妙薬」として、「長者丸(ちょうじゃがん)」というものが出ています。  ちょうど漢方薬の配合のいうところのように、長者(金持ち)になるための処方として、次のことを混ぜて処方すべし、というのです。

②「朝起き5両、家職20両、夜詰め8両、始末10両、達者7両、この50両を細かにして、胸算用秤目(むねさんようはかりめ)の違いなきように、手合い念を入れ、これを朝夕飲みこむからは長者にならざるということなし」

③「朝起き5両」というのは、朝もちゃんと早くから起きて、勤勉に働きなさいということ。  「家職20両」、これは、あれこれと気をちらしていないで、自分のところの家業に励みなさいということです。  「夜詰め8両」、これは夜なべ仕事をしろということ。  「始末10両」というのは、これはまさに倹約、節約、無駄使いをしないということです。  「達者7両」というのは、達者すなわち健康でなければいけないということ。

④重要とされている順に言えば、「まず、自分の職業をきちんと勤めなさい(家職20両)、そして、無駄使いをしないようにして(始末10両)、夜も無駄にしないで夜なべ仕事もしなさい(夜詰め8両)、そして健康に留意しつつ(達者7両)、出来れば早起きをして(朝起き5両)仕事に励め」、ということになります。

⑤これが、元禄時代に西鶴が遺した、金持ちになるための教えということになります。  元禄というと、約300年前ということになりますが、平成のこの世に読んでも、なるほど、と思わされることばかりでないでしょうか。

⑥例えば、本当の精神主義者だったら「朝起き20両」としそうなものですが、「朝起き」の重要度は全体の10パーセントと意外に数字が低い。  すなわち朝はいつでも朝寝坊せずに、ちゃんと所定の時間に起きて正業に励めばよいというだけであり、この点を鑑(かんが)みても、西鶴が単なる理想論でこれを書いているわけではないということがわかります。

⑦この西鶴の教えは、ほとんどが僕の人生観と一致しています。  これらのことをきちんと守れば、投資や株などで無用なリスクを負わなくても、お金は必ずしも儲けにくいものではなく、貯まりにくいものでもないということを、これから、この本の中で伝えていきたいと思う次第です。』

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