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野中郁次郎先生『戦略の本質』

『戦略の本質』(野中郁次郎ほか著 日経ビジネス文庫)を読みました。  『序章 なぜいま戦略なのか』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.前作『失敗の本質』でわれわれは、大東亜戦争時の日本軍が、アメリカ軍を中心とする連合軍に対して、単に物量の面だけではなく、戦い方の面でも劣っていたことを指摘した。  日本軍の観点から見るならば、3年8ヶ月に及ぶ大東亜戦争は大きく次の四つの戦略的局面に区分される。

①戦略的攻勢(1941年12月の開戦から42年中頃まで)・・・日本軍が一方的に攻勢をかけた段階

②戦略的対等(1942年中頃から43年前半まで)・・・日米両軍の陸海軍部隊がほぼ互角の戦闘をしたと思われる段階

③戦略的守勢(1943年前半から44年6月のマリアナ沖海戦まで)・・・日本軍が受身一方の作戦を余儀なくされる段階

④絶望的抗戦(1944年6月以降、45年8月の終戦まで)・・・日本軍がまったく見込みのない戦いを継続した段階


2.物量の面で劣性であっても、優勢な敵に勝った国、あるいは少なくとも負けなかった国の例は、少数ながら存在する。  例えば日露戦争の日本、中国の国共内戦での毛沢東率いる紅軍、ベトナム戦争での北ベトナム。  したがって、大東亜戦争の日本軍は、そうした例に見られる物量的劣勢を相殺する戦い方ができなかったということになる。


3.本書で扱われているのは以下の六つの事例である。

①1930年代、中国の国民政府軍(蒋介石)に対抗した毛沢東の反「包囲討伐」戦

②第二次世界大戦でイギリスがドイツ空軍の本土爆撃を迎え撃ったバトル・オブ・ブリテン

③ソ連軍がドイツ軍の進撃を食い止め反撃に転じたスターリングラード攻防戦

④第二次大戦後、北朝鮮軍による怒涛のような韓国侵略に対抗しアメリカ軍が仁川上陸によって戦勢を転換させた朝鮮戦争

⑤不利な中東情勢を流動化させるため、劣勢のエジプトがイスラエルに果敢に挑んだ第四次中東戦争

⑥「小国」北ベトナムが、民族解放の理念を掲げて超大国アメリカを敗北させたベトナム戦争』

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