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サードマン現象

『奇跡の生還へ導く人  極限状態の「サードマン現象」』(ジョン・ガイガー著 伊豆原弓訳 新潮社刊)を読みました。  『訳者あとがき』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①昔から、信仰やスポーツ、健康維持のため老若男女を問わず山と親しんできた日本人にとって、遭難事故はめずらしいことではない。  これまでも山行記や遭難記録が多数刊行され、そうした何冊かは私も読んでいた。

②だから本書で、「サードマン現象」の記録を読んだときも、驚きはしなかった。  人はたまらなく孤独になった時、とりわけ過酷な大自然の中に放り出されたとき、「いるはずのない誰か(サードマン)」に助けられることがあると読んだことがあるからだ。

③本書では、海底洞窟、南極大陸、飛行機の操縦席、9・11の世界貿易センタービルなど、さまざまな場面での「サードマン現象」が描かれている。

④それらを神の御業(みわざ)だと言う人もいる。  研究者は、孤独、単調な風景、喪失ストレス、低温や低酸素など、外的・内的要因を挙げている。

⑤著者は、数多くの体験者の話を聞き、膨大な資料にあたり、その一つ一つをつぶさに検証する。  そして結論は、脳科学へと収束していくのだが、それでもなお謎は残る。  なぜ「存在(サードマン)」は危機的状況にある人を助け、奇跡の生還へと導くのか・・・・・・。

⑥本書に掲げられた多数の例を読むと、人間の潜在能力の大きさに驚嘆させられる。  またそれらを「神秘体験」という言葉で片づけず、あらゆる方面から科学的に検証しようとした著者の努力により、本書は単なる事例集にとどまらず、体系的な記録と研究の集大成となっている。

⑦超自然的だが、おそらく誰にでも起こりうる「サードマン現象」と、その背景にある人間の精神の働きに、思いをめぐらさずにはいられない。』

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