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米長邦雄先生『逆境のときは笑う』

1.『生き方の流儀』(渡部昇一・米長邦雄著 致知出版社刊)を読みました。  両先生の対談本は『人間における運の研究』(1994年2月発売 致知出版社刊)以来です。  『逆境に処しては笑うべし』の項の米長先生が話されている部分から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①逆境はしょっちゅうです。  勝負の世界ですからね。  負ければ即逆境です。  (中略)  逆境のときは笑うことなんです。  これは非常に大事ですよ。

②勝負に負かされるは、人に悪口を書かれるは、今まで親しくしていた人まで手のひらを返すようになるは、という状態ですからね。  癪(しゃく)に障(さわ)るじゃないですか。

③そういうときに怒ったり、ひがんだり、腐ったりするのが人間の常だと思います。  でも、そうすると余計だめになってしまう。  だから、笑うんです。  (中略)

④寄席(よせ)に行って落語を聞いてもいいし、水戸黄門を見てもいい。  スランプのときは本業から1回離れることだといいましたが、これは逆境のときも同じです。

⑤逆境のときに、まじめに本業をやった人はだめになります。  だから、本業から1回離れて、無心になって笑うことです。

⑥逆に好調なときは、笑いを抑える。  勝って兜の緒を締めよ、ですね。  私の場合は、調子がいいときには欠点を直したりしています。  「ここは自分の至らないところだ」とね。  勝っているときはゆとりがあるから直せるんです。

⑦ですから、勝ったときに笑わず、負けたときに笑う。  これが非常に大事ですね。』


2.両先生の対談は東日本大震災が発生した3月11日にホテルニューオータニの37階で行われたそうです。  渡部先生が書かれた『まえがき』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①結局、われわれはホテルの避難指示の館内放送を無視して対談を続けることにした。  37階の非常階段を降りて行って――エレベーターは止まっている――何をするかもわからない。  火も出ているわけでもないのに、降りて行ってもまた昇ってくるだけのくたびれもうけになるだけだと思ったからである。

②ときに余震もあったが、対談は極めて愉快に進行した。  ホテルの調理場が動かなくなりルーム・サービスを頼むことができないので、スタッフの誰かがどこからか弁当を買ってきてくれたのを夕食にしたが、それもいい雰囲気であった。  37階の階段を昇り降りしてくれた人は大変だったと思うが。』

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