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(75)第28回ウェイト制大会・失意泰然

1.「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

①私は試合を「普段の稽古が間違っていなかったか、検証する機会」と位置づけています。

②「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉があります。  肥前平戸(今の長崎県平戸市)の藩主・松浦静山が書いた剣術書『剣談』に書かれています。  「運よく勝つことはあっても、原因が何もなくて負けることはあり得ない」という意味です。

③勝ち負けにこだわることはもちろん大切です。  しかし同様に、試合を通して自分自身の稽古の在り方を検証し、実力向上や次の機会の勝利につなげることが重要です。


2.「失意泰然」

また試合は人間性を磨く場でもあります。  私の座右の銘の一つが「得意澹然・失意泰然」です。  中国・明末の崔後渠(さいこうきょ)という人が言った『六然訓(りくぜんくん)』の中にあります。  『安岡正篤珠玉の言葉』(神渡良平著 講談社+α新書)から抜粋し、番号を付けて紹介します。

①自処超然(じしょちょうぜん)・・・自分自身に関しては、一向にものに囚われず、恬淡(てんたん・・・無欲であっさりしていること)としている。

②処人藹然(しょじんあいぜん)・・・藹然とは、おだやかでなごやかなさまをいう。  人に接するときは、相手の気持ちが和らぎ、おだやかになるよう心がける。

③有事斬然(ゆうじざんぜん)・・・いったん事がおきれば、グズグズしないで、束ねたものをマサカリで切るように一気呵成(いっきかせい・・・大急ぎで仕上げること)にやる。

④無事澄然(ぶじちょうぜん)・・・事がない場合は、静かな湖面のように澄み切っている。

⑤得意澹然(とくいたんぜん)・・・澹というのは、水がゆったりと揺れ動くさまをいう。  得意絶頂の時こそ、逆に静かであっさりとしていることが緊要(きんよう・・・非常に大切なこと)だ。

⑥失意泰然(しついたいぜん)・・・失意の時にはうろたえ、呆然(ぼうぜん・・・気抜けしたようにぼんやりするさま)となるのが人間の常だが、だからこそ逆に泰然(・・・落ち着いていて物事に動じないさま)と構え、大所高所から眺めてみる。  


3.「負けっぷりがいい」

①「調子のよいときは、傲慢になってしまいがちなので、気をつけなくては」というのが得意澹然です。

②「失意のときこそ泰然自若としている。  菜っ葉に塩をかけたように、くしゅんとならないように」というのが失意泰然です。

③座右の銘にしているぐらいですから、私もその領域を目指しているのであって、現実的にはまだまだです。  むしろ得意傲然(ごうぜん・・・偉そうに人を見下すさま)・失意悄然(しょうぜん・・・心にかかることがあって元気がないさま)としていることが多いです(恥)。

④勝負に徹して試合をするべきです。  しかし、いったん結果が出たら、今度は負けっぷりをよくしたいものです。  私の長年の研究課題である『運気』の観点からも重要です。


先週末、大阪で第28回ウェイト制大会があったので書いてみました。  

カモシダとナリタおめでと~。
 

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