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運のいい人・悪い人

1.週刊ポスト9月2日号に『極端に運のいい人・とことん悪い人』という特集が載っていました。  京都大学・藤井聡教授の『認知的焦点化理論』が面白かったので抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.配慮範囲の面積

①人は家族→友人→知人→他人という順に、心理的な距離が遠くなる社会関係を持っている(「関係軸」)。

②一方、人は物事に対処する際に、「現在のこと」「2~3日先」「自分の将来」「社会の将来」など、思いを及ぼす時間に幅がある(「時間軸」)。

③この「関係軸」と「時間軸」が現在の自分(両軸の原点)より離れれば離れるほど、配慮範囲が大きくなる。

④極端に利己的で目先の損得にしか関心がない人は、配慮範囲の面積が小さい(例:犯罪者)。

⑤逆に、赤の他人や遠い将来のことまで思いを馳せることができる人は、面積が大きくなる(例:幕末の志士)。

⑥藤井教授が長年の研究から導き出したのは、「配慮範囲の面積が広い利他的な人ほど得をし、面積が狭い利己的な人ほど損をする」という結論だ。


2.互恵不能原理

①自分の損得ばかりを考えて行動する利己主義者は、一時的には得をするが、長い目で見れば必ず損をする運命にあるという。

②「利己主義者は、〝お互い様〟で成り立っている人間社会で、最終的には村八分にされます。  よいパートナーに恵まれたり支援を受けたりする幸運にも恵まれないため、結局は正直者より損をします。  これを『互恵不能原理』と呼びます。」


3.暴露原理

①さらに、人間には利己主義者を見分ける能力が備わっていると藤井氏はいう。  それが「暴露原理」だ。

②「利己主義者は自分の利益になると見込んだ人の前では愛想よく振る舞い、善人だとアピールします。  逆にそうではない相手には冷たい態度をとるもの。  しかし、私たちは騙されない能力を発達させた人々の子孫であり、悪者を検知する遺伝子を強力に受け継いでいるので、利己主義者の本性を見抜くことができます」


4.結論

①「互恵不能原理」「暴露原理」の結果、利己主義者には真の友人やビジネスパートナーができなくなるのがおわかりだろう。

②利他主義者には、いい人も悪い人も寄ってくるが、裏切ることのない人と一緒にいると得するのは自明なので、利己主義者はどうしてもはじかれてしまう。  結局、悪い者同士が結びつくしかなくなってしまうのだ。

③利他主義者のグループは互恵の関係、つまり足し算・掛け算のような相乗効果が生まれ、よりよい人材が集まり強い組織がつくられる。

④一方、利己主義者のグループは目先の利益にとらわれて継続的に協力関係を築くことができない。  結局、どこへいっても利他主義者の輪に加われないので、不運のスパイラルから抜け出すことができない。』

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