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伊集院静さん『理不尽』

読書が唯一の趣味です。  10代の頃は空手も趣味だったのですが、今は職業になりました。  どんな本を買うかは、ほとんど新聞(朝日・日経)の出版広告を見て決めます。  先日、朝刊に『続・大人の流儀』(伊集院静著 講談社刊)の広告が載っていました。  紹介されている二つの文章に惹かれました。

①「世の中の肌触りを覚えるには、理不尽と出逢うのがいい。  ひとつひとつを乗り越えていけば、笑い話にさえなる。」

②「不幸の底にある者と幸福の絶頂にある者が隣り合せて路上に立つことが日常起こる。  だから大人はハシャグナというのだ。」

①②とも、本書では「雪」と「月」という章の扉に書かれていて、本文中に内容が記述されています。  ①に関する記述から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①甥っ子が社会に出る時、その母親から「社会人になるにあたって何か一言息子に助言して欲しい」と言われた。

②神妙な顔をして甥っ子はやって来た。  「世の中は白いものを黒いと言う人がいる。  それを覚えておきなさい」  甥っ子はきょとんとしていた。

③「理不尽ということは知っていますか」  「間違っていることでしょう」  「少し違う。  理不尽というのは道理を尽くさないことだ。  そこから、道理に合わないことを意味するようになった。  無理無体と言うだろう。  あれだ」

④「皆が見て、白いものは道理として白い。  それを黒いと言い、君に黒だと言わせる。  それが理不尽だ」  「それ、おかしいでしょう」  「たしかにおかしいが、理不尽があるということを覚えておくことだ」  (中略)

⑤世の中の肌ざわりを覚えるには、理不尽と出逢うのがいい。  職場の中に、得意先の中に、理不尽を絵に描いたような人がいることは、不幸に見えて実は幸いなことだ。

⑥「無理なことを言ってきやがったな」  「無体なことをさせやがるな」  その時はそう感じても、ひとつひとつを乗り越えていけば、笑い話にさえなる』

今まで見聞きした経験から、「理不尽なこともグッと飲み込んで生きていくのが人生だ」と思っています。  先日も娘にその話をしたばかりです。

早いもので、あと10日ちょっとで新年です。  今年もいろいろなことがあったな~(笑)。

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