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桜庭和志さん『頭を使う』

桜庭和志さんが書かれた『考えずに、頭を使う』(PHP新書)を読みました。  

『1998年に総合格闘技イベントPRIDEに参戦。  当時、日本人ではだれも勝つことができなかったグレイシー一族を次々と撃破したことから「グレイシーハンター」の異名をとった。  また、創造性豊かな技を繰り出して闘うファイトスタイルから「IQレスラー」の名で親しまれている。』(著者略歴より)

本書から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.ナチュラル・リフレックス

①プロになってからのことですが、「ほかのファイターがもっていないレスリング用の力をもっている」と指摘されたことがあります。  そう言ってくれたのは、ビル・ロビンソン。  かってアントニオ猪木さんや、ジャイアント馬場さんとも名勝負を繰り広げた往年のスターです。

②このぼくがもっているもので、ぼくよりもパワーや実績のある選手がもっていないもの・・・それは「ナチュラル・リフレックス」(自然な反応力)なのだとロビンソンさんは言った。

③ナチュラル・リフレックス。  リラックスしていながら、やるべきことを、やるべきときに、自然とやることができること。  考えてやるのでなく、反射的に、自然に身体が反応して、自動的にやっているというような反射能力のこと。だそうです。

④ナチュラルでいる才能とでも言うのでしょうか。  動きもナチュラル、頭の働きもナチュラル。  だれのコピーもしないけれども、自分がしなければならないことを、きっちりとこなす。  しかもそのモチベーションが、自分の内側から湧き出ている。

⑤「そういうことは、どんなに優秀なコーチでも教える事はできないんだよ。  自分の内側から出てくる才能だからね」  ロビンソンさんはそう言っていました。


2.呼吸とタイミング

①抑え込んでいるとき、相手と密着しているときなら、相手の呼吸でもタイミングは計れます。  最良のタイミングは、相手が息を吐ききった瞬間。  

②人はだれでも、息を吐いているときは力を入れることができますが、吸いながらは難しい。  そこで、相手が息を吐ききったとき、これから吸わざるをえないときに力をこめて、抑え込みをねらう。

③締め技も同じです。  相手の呼吸を聞いて仕掛けにいく。


3.ファンタジスタ

①総合格闘技の「ファンタジスタ」と呼ばれることがあります。  ファンタジスタって、創造性にあふれていて、誰も予想ができないレベルでの芸術的なテクニックを駆使して、「見る者すべてを魅了するようなスーパープレーヤー」のことでしょう?

②ぼくは違います。  ぼくの技は本来、だれも予想できないものではなく、練習してできるようになった「想像できるもの」ですから。

③毎日の練習でふと、あの技がかからなかったらどうしようか、と思いをめぐらせることがあります。  そこで、身体のつくりとか仕組みを一つひとつたどりながら、いろいろと動きを想像してみる。

④想像するうちに、ピタリとはまる動きが浮かんできます。  動きが浮かんだら、練習で試してみる。  試してみて、しっかりかかるようであれば、技の候補として自分のなかにエントリーさせる・・・。  そう、想像できるものなんです。

⑤ただ、ぼくには卓越したパワーもスピードもないから、単発の技ではかからない。  だから相手の意識を散らすために、別の動きを採り入れることには工夫を凝らしています。  ときにそれが、想像を超えた驚きの動きになるのでしょう。』

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