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「空気」の研究

(1)『「空気」の研究』(山本七平著 文春文庫)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『1.①(前略)以前から私は、この「空気」という言葉が少々気にはなっていた。  そして気になり出すと、この言葉は一つの〝絶対的権威〟の如くに至る所に顔を出して、驚くべき力を振るっているのに気づく。

②「ああいう決定になったことに非難はあるが、当時の会議の空気では・・・」「議場のあの時の空気からいって・・・」「あのころの社会全般の空気を知らずに批判されても・・・」「あの場の空気も知らずに偉そうなことを言うな」「その場の空気は私が予想したものとは全く違っていた」等々々、至る所で人びとは、何かの最終決定者は「人でなく空気」である、と言っている。


2.①(前略)従ってわれわれは常に、論理的判断の基準と、空気的判断の基準という、一種の二重基準のもとに生きているわけである。

②そしてわれわれが通常口にするのは論理的判断の基準だが、本当の決断の基本となっているのは、「空気が許さない」という空気的判断の基準である。  (中略)

③現実にはこの二つの基準は、そう截然(せつぜん・・・区別などがはっきりしているさま)と分かれていない。  ある種の論理的判断の積み重ねが空気的判断の基準を醸成していくという形で、両者は、一体となっているからである。


3.①(前略)たとえば、ある会議であることが決定される。  そして散会する。  各人は三々五々、飲み屋などに行く。  

②そこでいまの決定についての「議場の空気」がなくなって「飲み屋の空気」になった状態でのフリートーキングがはじまる。

③しして「あの場の空気では、ああ言わざるを得なかったのだが、あの決定はちょっとネー・・・」といったことが「飲み屋の空気」で言われることになり、そこで出る結論はまた全く別のものになる。』


(2)ここ数年「空気が読めない」ことをKYと呼ぶようになりました。  ネットで『知恵蔵2013』を検索・抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①K=「空気」、Y=「読めない」で、「空気が読めない」という意味である。

②2006年ころから女子高生言葉として使われ、07年夏の参院選で大敗したのにすぐに辞めなかった安倍内閣を「KY内閣」と評したことで一般的流行語となった。

③現代においては「場の空気」を瞬時に読み取る状況判断能力が重要視されることを物語っているが、過度になると「主体性を喪失し周囲に迎合する」こととなり、これも問題である。  ある意味、集団同調圧力が強い日本社会ならではの問題かもしれない。

④ちなみに、1977年に評論家の山本七平が著した『「空気」の研究』は、日本人論として、上述の意味の「空気」を分析した書である。
( 稲増龍夫 法政大学教授) 』


現在の(第二次)安倍内閣は昨年の衆議院議員総選挙(12月16日)、今年の参議院議員選挙(7月21日)、五輪招致成功(9月7日)、イプシロン打ち上げ成功(9月14日)と絶好調です。

『07年夏の参院選で大敗したのにすぐに辞めなかった安倍内閣を「KY内閣」と評した』時があったなんて(笑)

明後日から煙台と威海に行きます。

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