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張本勲さんと荒井直樹さん

新聞はいつも朝日新聞と日本経済新聞を読んでいます。  今週の夕刊の連載で張本勲さんと荒井直樹さんをそれぞれ取り上げていました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

1.朝日新聞夕刊『人生の贈りもの』は3085安打の元プロ野球選手・張本勲さんのインタビューです。

『1.①4歳の時、たき火に右手から落ちる事故に遭い、薬指と小指の3分の2を失い、親指と人さし指、中指が内側に曲がった。  右手だとわしづかみにしかボールがつかめず、遠くへ投げられない。  練習して左投げに変えました。

②つらかったのは守備です。  (中略)  捕球した際の衝撃で、折れたかと思うほどグラブの中の指が痛むこともあって。  寒い時期は何分間もしびれて感覚がない。  

③右手は妻にも娘にも見せません。  1人だけ、巨人の監督だった川上哲治さんに見せたことがあります。  引退後に食事をした時、「こういう手で頑張ったんです」と言ったら、「お前、よくそんな手で」と涙ぐんでくれました。

2.①私は生意気に見えて心配性なんです。  川上哲治さんから聞いたことですが、王も落合も川上さん自身もとても心配性だと。

②不安だから、毎日コツコツやらないと気が済まない。  私は現役時代、寝る時もバットを枕元に置き、不安になると夜中に起き出して、納得いくまで素振りをしました。

③家族に迷惑なので、同じ部屋で寝たことは一度もありません。』


2.日経新聞夕刊『駆ける魂』は 今年の第95回全国高等学校野球選手権大会・初出場・初優勝の前橋育英高校野球部監督の荒井直樹さんの記事です。

『①猛暑で「打高投低」の傾向が顕著な夏の全国高校野球を今年制したのは、堅い防御を誇る群馬・前橋育英だった。  イレギュラーバウンドに不規則回転と、チョウのように突如方向を変えるゴロを難なく捕捉するグラブさばきは、虫取り名人の妙技のようだった。

②鉄壁の守備の土台になった練習は「2人一組で緩いゴロを転がし合う」「走者を置いてのノック」という一般的なものだが、練習中のちょっとした動きに非凡さが見て取れる。

③ノックの順番を待つ間、選手たちは打球を追って送球するしぐさを繰り返す。  それも実際にボールがあって、投げる相手がいるかのように丁寧に。

④「シャドーフィールディング」は荒井の考えから生まれた。  順番待ちなど寸暇を惜しんで努力することが成功への一本道、との信念を選手も共有する。

⑤走者を置いてのノックでは荒井はコーチにノッカーを任せ、二塁ベース後方に陣取る。  野手のカバーリングなど細部を見るのに絶好のポジションは、選手との会話にも持ってこい。  走者役で待機する選手に荒井が尋ねる。  「次、どこに打球が行くと思う?  レフト前?  セカンドゴロ?」

⑥空き時間を無為に過ごさせないのは、選手に考える癖をつけさせる狙いもあってのこと。  頭と体をフルに使って打球方向の勘を養った選手たちには、もはや試合で守備位置を細かく指示する必要はない。  「監督がああだ、こうだとやると選手はロボットになってしまう。  指示待ちの人間はつくりたくない」と荒井。

⑦一見、何の変哲もない練習でも「同じことをやり続けるから変化を感じられると思う」と荒井は話す。  飛距離が伸びた、送球が速くなったという成長だけでなく、肩や足の張りといった体の異変に気付けるのも確かな練習メニューがあってこそ。  「シンプルでもしつこく」が荒井の信条だ。

⑧「歯は毎日磨かないと気持ち悪い。  同じように『これだけはしないと気持ち悪くて夜、寝られない』というものを持とう」と選手に言ってきた。

⑨昨夏の新チーム発足時に拙守から一度は遊撃のポジションを辞退しながら、荒井の説得で再び遊撃に持ち場を得た土谷恵介。  守備力を身につける基になった2人一組でのゴロ捕球は甲子園決勝当日まで欠かさず続けた。

⑩皆がおのおのの課題に向き合い、技術を磨いた結果が夏の甲子園初出場で優勝の快挙。  強打のチームとは一味違うすごみを思わせる栄冠だった。』  

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