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夢をかなえるコツ

福島大学教授でメンタルコーチの白石豊先生が書かれた『夢をかなえるコツ』(水王舎)を読みました。  2人の架空の高校生がその夢をかなえるために白石先生の研究室を訪れ、指導を受けていくというストーリーが盛り込まれていますが、その会話部分から抜粋し、番号を付けて紹介します。

1.高峰桜(東大の理Ⅰへの合格をめざす岩手県立女子高校三年生)

桜「・・・先生、私、センター試験会場であがりすぎて頭が真っ白になってしまいました。  運良く二次試験に進むことはできたけど、間違えたところを見直したら、落ち着いていれば点が取れる問題ばかりで情けなくて・・・」

白石「・・・ちょっと厳しいこと言うけど、桜ちゃん、ちょっと思い上がっちゃってるんじゃない?」

桜「思い上がってる・・・?」

白石「今まで本当によく頑張ってきたよ。  7月にはじめて会った時と比べると、見違えるように成長したよね。  でも桜ちゃん。  ここまでこられたのって、全部自分の力によるんだって思っていない?」

桜「え・・・」

白石「僕は常々、心の中に不安や焦りが生じてくるのは、結果も含めてあらゆることを自分で背負いこもうとするからだと考えているんだ。」  

白石「つまりね、桜ちゃん。  不安や焦りの根源には、『すべて自分の力によってここまできたんだ』という思い上がった考え方や、結果に対しても、『自分の思い通りにいかないのは、到底我慢ができない』といった傲慢な心があるかもしれないということなんだ。」

白石「何事かに立ち向かおうとする時には、そうしたちっぽけで自分中心の考え方から抜け出して、もっと大きな、重荷をぜーんぶ他に預けたような心持ちでやるべきだと思う」  (中略)

白石「一時間でも二時間でもいいから、これまでの自分の半生をふり返ってみること。  そして、どれほど多くの人に支えられてきたのかを見つめることが、今、一番大事じゃないかと思う。  本当の意味で『感謝』して、ありがたいなあって思って、『自分で生きているんだ』じゃなくて、『生かされているんだ』と気づければ、肩の荷がすっと下りる。  すると、大空を舞う鳥のようにリラックスして、桜ちゃんが持っている力を出し切ることができるんじゃんないかな」


2.速水球馬(甲子園出場を目指す福島県立高校三年生)

(春の県大会で初戦敗退した試合のビデオを観る。  9回先頭打者に球馬がフォアボールを出した、その瞬間で白石先生はビデオを止め、画面の中の球馬の表情を指差した。)  

白石「ほら、顔が歪んでいるでしょう」

(そして、次のバッターにも連続フォアボールを出したシーン。  画面の球馬は完全にうつむき、明らかに同様の兆しを見せている。  そして画面奥に映る三塁側ベンチでは、勢いづく相手校ナインの姿が・・・。)  

白石「球馬くん、つらいだろうけど、自分はどう映っているかな?」

球馬「だんだん目線が下を向いて、うつむき加減になっています」

白石「これで勝てるか、見ただけでわかるでしょう。  人間、感情が動くと顔をしかめたり、下を向いたり、あるいは肩があえぎはじめてしまう。  それは相手にとっては、『おお、こいつ崩れるぞ』ってわかるラッキーサインなんだよね。」

白石「だから何があっても、仕草に一切出さないで、堂々と立ち、いつもと同じリズム・間を持ち、不敵な笑みなんか浮かべてみるんだ。  嫌~なピッチャーだぜ、これは」

白石「でも、みんなそんなことは教わっていない。  技術は教わり、身体は作っているけど、心を鍛えていないんだよ。」

白石「球馬くん、自分の感情が乱れかかった時のために、自分がモデルとするエースの仕草、表情、目線、息づかい、言葉。  これらを訓練していくんだ。  すると、本当のエースになれるよ。  これは毎日できることでしょう?」

白石「自分がモデルにしている理想の〝エースらしさ〟を意識する。  ただの投球動作だけじゃないよ。  インターバルなんかもすべて含め、いかにもエースらしいマウンド上の姿を外から作っていくと、心ができるんだ。  エースの心がね」

球馬「エースの心・・・」

白石「エースの姿勢、エースの表情、エースの息づかい、エースの言葉を作っていけば、エースの心ができて、その心ができれば、必然的に技術はそこで発揮されるんだ。  だから、本当に抑えられる。」

白石「以前、思い出したくもないようなミスを犯した場面と同じようなピンチに差しかかっても、『プレッシャー、いらっしゃい』 『(投手交代せずに)使ってくれ。  今度の俺はできるぜ』っていう気持ちに変わるから。 (中略)  そこでさらに実績を積んでいったら、球馬くんの夢がかなう世界がやってくるよね」



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