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大平正芳

1.昨年の11月25日に亡くなられた作家・辻井喬さん(元セゾングループ代表の堤清二さん)が書かれた『茜色の空・・・哲人政治家・大平正芳の生涯』(文春文庫)を読みました。


2.大平さんの人物について2010年1月15日のブログで次のように取り上げました。

(中国の明代・万暦年間(西暦1600年前後)に呂新吾が書いた)『呻吟語』の中の『人物三等』について日本将棋連盟会長の米長邦雄先生が書かれた『運を育てる』(クレスト社刊)にわかりやすく出ているので、抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①(東燃の社長・中原伸之さんから伺った『呻吟語』の中の『人物三等』について)その言葉が腹に落ちなかった。  第三等の資質、聡明才弁、これはわかった。  頭がよくて弁舌さわやかならば役に立つ。  優れた人物である。  ただし、それは三番目だと言う。  ないよりはあったほうがいいが、三つの資質のうちでは最下位だ。

②その上の資質、第二等は、なんと磊落豪雄。  人間は頭ではなくて肚(はら)だ。  秀才、エリートは効率よく仕事をこなすが、何かあるとポキリと折れる。  それよりは、少々荒っぽくとも、すべてのことを呑み込める男がいい。  手酷(ひど)いダメージを受けて、皆がショボクレているときに、カッカッカッと笑った者が親分になる。  そういうことだろう。  竹の子のように真っ直ぐすくすくと伸びていける、というのなら話は簡単だが、失敗と挫折を繰り返すのが人生だ。  そんなとき、磊落豪雄は宝である。

③ところが、第一等の資質、深沈厚重とはどんなものか、どうもピンと来ない。  そこで、どういう意味ですかと聞いてみた。  「そうだねぇ・・・。  たとえば会って話をしてみたけれど、何だこの男は、ちっともとらえどころがない。  もしかしたら馬鹿じゃないか。  そう見える人間。  まあ、大平正芳みたいな男だね」  石油会社の経営者だからか、中原さんは当時の通産大臣(後の総理大臣)の名を挙げて笑った。  そうか、大平正芳のような男か。  ウシみたいなのが第一等の資質なんだろうか。』


3.『茜色の空』から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①(東京商科大学・・・今の一橋大学・・・を卒業して大蔵省に入省する直前の記述から)正芳は少し前から、自分の実力が十としたら先輩や仲間から七か八ぐらいに評価されていたい。  余力を残していてこそ変化や困難に対応できるのだと考えるようになっていた。

②(大蔵省入省直後の記述から)自分は鈍牛のようだと言われたり、もっと空気を読めと促されたりしても、常に落ち着いた仕事をし、抜け駆けの功名などは追わず、普通の人よりは一歩だけ先を見て歩いていこうなどと考えたりするのだった。

③(長男の正樹が26歳の若さで死亡するなど)正芳にとって辛いことが続いた翌年(昭和40年)、彼はノートに、「人の一生には悦びもあれば憂いもある。  得意の朝もあれば失意に沈む夕もある。  栄光を浴びる場合もあれば辱めに耐えねばならない局面もある」と書いた。』


余談ですが、家内の父方の祖母(祖父ではありません)は大平さんにそっくりだったようです。  写真をお見せできないのが残念です(笑)

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